北欧好きなら知っておきたい。5つの名ブランド、歴史と魅力

北欧好きなら知っておきたい。5つの名ブランド、歴史と魅力

大柄な花のパターンが印象的なマリメッコや、シンプルでモダンなデザインのイッタラ…おしゃれなデザインで、日本の暮らしにもなじむと人気が高い北欧ブランド。デザインが魅力的だということは知っているけれど、その歴史や背景までは調べたことがないという方も多いのではないでしょうか。今回は有名な5つの北欧ブランドに焦点を当て、どんな経緯で今のブランドやデザインが出来上がったのかをご紹介。知れば知るほど、北欧ブランドがもっと魅力的に感じられますよ。2021年05月13日作成

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アート・カルチャー
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アート伝統技法北欧食器北欧ブランド北欧家具
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目次

北欧ブランドが日本で愛されるのはなぜ?

北欧好きなら知っておきたい。5つの名ブランド、歴史と魅力
出典:unsplash.com
フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマークといった国々でつくられる、オリジナリティあふれるデザインたち。その背景には、北欧の国々に訪れる厳しく長い冬の季節があります。その季節がやってくると、人々は家のなかで過ごす時間がぐっと増えます。寒さと雪に覆われた毎日を楽しく過ごすために、北欧の人々は生活雑貨やインテリアにこだわりのまなざしを向けてきました。そうして生まれたのが、独自のデザインや機能性を持つ北欧ブランドです。

キーワードは「自然」と「シンプル」

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自然豊かな環境に住む北欧の人々は、家のなかでも自然のぬくもりを感じられるデザインを愛してきました。自然の素材をありのまま取り入れたもの、草花や木、動物をかたどったモチーフ…。色鮮やかで優しいそうしたデザインは、四季を大切にする日本人の感性に訴えかけるものがあるのかもしれません。
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また、機能性はもちろんのこと、どこへ置いてもしっくりくる主張しすぎないシンプルさも魅力のひとつ。使う色は少なく、自然素材を活かした柔らかいシルエットに、特徴的なパターンの組み合わせ、または繰り返し。職人による手工業が伝統的に大切にされてきた北欧デザインだからこそ、シンプルさのなかに味わいやあたたかみを見いだせるのも、愛される理由でしょう。今回は、そんな北欧デザインから代表的なものを取り上げ、その歴史や魅力に迫ります。

歴史と魅力を知ろう!5つの北欧ブランド

Marimekko/マリメッコ あたたかい色使いとデザイン

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マリメッコは、1951年、アルミ・ラティアという女性がフィンランドで設立したデザインハウスです。こだわりは、難しい機能を持つ高級なものではなく、機能性にすぐれたわかりやすい製品をつくること。デザインを通じて「人々を勇気付け、幸せと喜びをもたらしたい」という想いを抱き、創業当初から時代に流されない普遍的なデザインを生み出してきました。その想いのもと、これまでさまざまなデザイナーが多彩なデザインを発表し、現在では世界的に知られる北欧ブランドのひとつになっています。

代表的なデザインが、Unikko(ウニッコ)です。家庭の庭にも植えられる身近なケシの花をかたどったもので、大柄で大胆な柄に、ビビットな色合いが特徴的。もともと創業者のラティアは、デザインされた花のパターンは自然の花には及ばないと考え、「花をデザインしないように」と言っていました。ところがデザイナーのマイヤ・イソラはこのデザインを生み出し、ラティアに認めさせたそう。イソラの強い意志がなかったら今のUnikkoもなかったと考えると、不思議な気持ちになりますね。
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代表的なデザインが、Unikko(ウニッコ)です。家庭の庭にも植えられる身近なケシの花をかたどったもので、大柄で大胆な柄に、ビビットな色合いが特徴的。もともと創業者のラティアは、デザインされた花のパターンは自然の花には及ばないと考え、「花をデザインしないように」と言っていました。ところがデザイナーのマイヤ・イソラはこのデザインを生み出し、ラティアに認めさせたそう。イソラの強い意志がなかったら今のUnikkoもなかったと考えると、不思議な気持ちになりますね。

また、Rasymatto(ラシィマット)も、マリメッコではよく知られるデザインの一つです。フィンランド語で「使い込まれたラグ」という意味のこのデザインは、現在最も人気の高いデザイナーの一人であるマイヤ・ロウエカリによって生み出されました。ゆがんだドットがお行儀よく並ぶ姿は、シンプルながらあたたかみを感じます。こうした画一的でない、手書きを感じる有機的なデザインも、マリメッコの魅力のひとつです。
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また、Rasymatto(ラシィマット)も、マリメッコではよく知られるデザインの一つです。フィンランド語で「使い込まれたラグ」という意味のこのデザインは、現在最も人気の高いデザイナーの一人であるマイヤ・ロウエカリによって生み出されました。ゆがんだドットがお行儀よく並ぶ姿は、シンプルながらあたたかみを感じます。こうした画一的でない、手書きを感じる有機的なデザインも、マリメッコの魅力のひとつです。

マリメッコのデザインは、Unikkoのように大胆でビビットなものから、Rasymattoのようにシンプルなものまでさまざまです。しかしいずれも女性の手によってつくられた、毎日の暮らしになじむデザインばかり。設立から変わらない、時代を超えて使い続けられるデザインを作りたいという想いが、息づいているように感じられます。
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マリメッコのデザインは、Unikkoのように大胆でビビットなものから、Rasymattoのようにシンプルなものまでさまざまです。しかしいずれも女性の手によってつくられた、毎日の暮らしになじむデザインばかり。設立から変わらない、時代を超えて使い続けられるデザインを作りたいという想いが、息づいているように感じられます。

iittala/イッタラ どんなシーンにもなじむシンプルさ

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イッタラは、1881年、フィンランド南部にあるイッタラ村でガラス工場として始まりました。以前は当時の主流に沿ったガラス製品をつくっていましたが、20世紀に入って大きく変化していきます。その変化をもたらしたのが、アルヴァ・アアルト、アイノ・アアルト、カイ・フランクといったデザイナーたち。彼らは「デザインとは考え方であり、昔ながらのものにとらわれず、誰でも手に入れられるものにすべき」と考え、美しく機能的なデザインを製品化してきました。
そうして生まれたデザインのひとつが、カイ・フランクによるTeema(ティーマ)です。1948年、当時装飾性の高いものだったディナーセットに反骨したフランクは、「ディナーセットを粉砕せよ」というモットーを掲げました。そうして生まれたのが、誰にでも、どんなシーンでも使える、手が届きやすいリーズナブルなテーブルウェア。シンプルなシルエットに多彩なカラーバリエーションで、どんなテーブルにもマッチしてくれる汎用性があるのが特徴です。フランクは日本の民藝にも関心を持っていたそうで、通底する「用の美」が、このシリーズにも感じられます。
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そうして生まれたデザインのひとつが、カイ・フランクによるTeema(ティーマ)です。1948年、当時装飾性の高いものだったディナーセットに反骨したフランクは、「ディナーセットを粉砕せよ」というモットーを掲げました。そうして生まれたのが、誰にでも、どんなシーンでも使える、手が届きやすいリーズナブルなテーブルウェア。シンプルなシルエットに多彩なカラーバリエーションで、どんなテーブルにもマッチしてくれる汎用性があるのが特徴です。フランクは日本の民藝にも関心を持っていたそうで、通底する「用の美」が、このシリーズにも感じられます。

現在では陶器やガラスなど幅広い製品を世に送り出しているイッタラ。ご飯を食べる時はもちろん、テーブルの雰囲気に変化を与えたい時や、残り物を保存しておきたい時など、どの器でも・いつどんな時でも、使うだけで楽しい気分にしてくれるのが最大の魅力です。耐久性や機能性が高く、他のデザインのうつわにも寄り添ってくれる、一生使えるうつわと言えるでしょう。
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現在では陶器やガラスなど幅広い製品を世に送り出しているイッタラ。ご飯を食べる時はもちろん、テーブルの雰囲気に変化を与えたい時や、残り物を保存しておきたい時など、どの器でも・いつどんな時でも、使うだけで楽しい気分にしてくれるのが最大の魅力です。耐久性や機能性が高く、他のデザインのうつわにも寄り添ってくれる、一生使えるうつわと言えるでしょう。

ARABIA/アラビア 大胆な絵柄と色使いが日常を彩る

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アラビアは、スウェーデンの陶磁器ブランドの子会社として、1873年にフィンランド・ヘルシンキ郊外のアラビア地区で設立されました。国内の陶磁器メーカーとして安定した地位を築きましたが、20世紀に入ってパリ万国博覧会に出展した製品が高い評価を受け、独立。その後フィンランドで内戦が起き、人々が苦しい暮らしを強いられた中で、現在にも残る「美しい日常」というモットーを掲げました。ビルイエル・カイピアイネン、ヘイッキ・オルボラ、カイ・フランクといったデザイナーの手を借りながらさまざま製品を生み出し、現在では世界的な陶磁器メーカーとして愛されるようになっています。
そんなアラビアを代表するデザインのひとつが、”陶芸界のプリンス”とも呼ばれたビルイエル・カイピアイネンによるParatiisi(パラティッシ)です。1969年に生み出されたこちらのデザインの特徴は、大柄で大胆に描かれた草花や果物たち。ひとつひとつ異なる筆遣いや色ムラが感じられ、フィンランド語で「楽園」という意味のブランド名の通り、上品で心が安らぐようなうつわです。
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そんなアラビアを代表するデザインのひとつが、”陶芸界のプリンス”とも呼ばれたビルイエル・カイピアイネンによるParatiisi(パラティッシ)です。1969年に生み出されたこちらのデザインの特徴は、大柄で大胆に描かれた草花や果物たち。ひとつひとつ異なる筆遣いや色ムラが感じられ、フィンランド語で「楽園」という意味のブランド名の通り、上品で心が安らぐようなうつわです。

他にも、心が躍る黄色を基調としたSunnuntai(スンヌンタイ)、日本のドラマで使われたことから人気が高まった24h Tuokio(24h トゥオキオ)など、生み出されてきたデザインはさまざま。印象的なデザインも数多くありますが、使い勝手がよく和洋中問わずどんな料理にもマッチしてくれます。辛いことが起こった時も、悲しいことが起こった時も、「美しい日常」というモットーの通り毎日を明るくしてくれるようなデザインです。
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他にも、心が躍る黄色を基調としたSunnuntai(スンヌンタイ)、日本のドラマで使われたことから人気が高まった24h Tuokio(24h トゥオキオ)など、生み出されてきたデザインはさまざま。印象的なデザインも数多くありますが、使い勝手がよく和洋中問わずどんな料理にもマッチしてくれます。辛いことが起こった時も、悲しいことが起こった時も、「美しい日常」というモットーの通り毎日を明るくしてくれるようなデザインです。

almedahls/アルメダールス 伝統的をモダンに変身させる

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アルメダールスは、1846年に創業したスウェーデンのテキスタイルブランドです。もともとはリネンの紡績工場として、リネン生地の生産で成長してきました。1950年代に入り、時代の荒波に飲まれまいと、デザイナーの生み出したパターンの製品化をスタートさせるという新しい試みに挑戦。現在ではキッチンアイテムやテーブルウェア、インテリアにまで製品を拡大しています。
定番は、マリアンヌ・ウェストマンという女性デザイナーによって、1955年に手がけられたSill(シル)というデザインです。ニシンを意味するスウェーデン語の名の通り、スウェーデンの家庭でよく登場するニシンがモチーフ。ウェストマンが日々過ごしてきたスウェーデンの日常や豊かな自然が、彼女の目を通して映し出されたような優しいパターンは、今ではアルメダールスを代表するデザインの一つになっています。
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定番は、マリアンヌ・ウェストマンという女性デザイナーによって、1955年に手がけられたSill(シル)というデザインです。ニシンを意味するスウェーデン語の名の通り、スウェーデンの家庭でよく登場するニシンがモチーフ。ウェストマンが日々過ごしてきたスウェーデンの日常や豊かな自然が、彼女の目を通して映し出されたような優しいパターンは、今ではアルメダールスを代表するデザインの一つになっています。

Sillのように、人や動物、魚、植物などをモチーフにしたデザインが特徴のアルメダールス。こうしたデザインは、実はスウェーデンの伝統を引き継ぐモチーフから生み出されてきました。中には、スウェーデンのことわざからインスパイアされたものや、スウェーデンの日常を切り取ったようなものも。生活の中にスウェーデンの風を吹き込んでくれる、どこかなつかしくも新しいデザインが魅力です。
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Sillのように、人や動物、魚、植物などをモチーフにしたデザインが特徴のアルメダールス。こうしたデザインは、実はスウェーデンの伝統を引き継ぐモチーフから生み出されてきました。中には、スウェーデンのことわざからインスパイアされたものや、スウェーデンの日常を切り取ったようなものも。生活の中にスウェーデンの風を吹き込んでくれる、どこかなつかしくも新しいデザインが魅力です。

KLIPPAN/クリッパン こだわり素材でぬくもりを感じる

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1879年、スウェーデン南部の同名の町で、紡積工場としてスタートしたクリッパン。創業以来、紡績から染色、製造まで一手に担ってきた技術を活かして、ウール製品をつくってきました。90年代になると、ベングド・リンドベリなどの優れたデザイナーを起用してテキスタイルブランドへと成長。現在は、天然素材を使ったブランケットでよく知られる、世界的な北欧ブランドのひとつになっています。
クリッパンのデザインは、平面的でシンプルな、幾何学模様や動物モチーフのデザインが特徴です。例えば日本人デザイナー・皆川明とコラボレーションしたHOUSE IN THE FOREST(ハウスインザフォレスト)は、北欧の風景を一枚のブランケットに落とし込んだもの。一見シンプルですが、見つめていると夜の森の静けさや月の美しさ、深い森の中にたたずむ家の明るさが、リアルに伝わってくるようです。
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クリッパンのデザインは、平面的でシンプルな、幾何学模様や動物モチーフのデザインが特徴です。例えば日本人デザイナー・皆川明とコラボレーションしたHOUSE IN THE FOREST(ハウスインザフォレスト)は、北欧の風景を一枚のブランケットに落とし込んだもの。一見シンプルですが、見つめていると夜の森の静けさや月の美しさ、深い森の中にたたずむ家の明るさが、リアルに伝わってくるようです。

そうした優しいデザインと、140年以上かけて培われてきた技術でつくられる柔らかくあたたかい素材が魅力となり、クリッパンのブランケットは世界中で愛されるようになりました。現在はスロー、ストールなど幅広い製品を手がけており、一生ものの贈り物やベビーギフトとしても、多くの方に喜ばれる北欧ブランドになっているのではないでしょうか。
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そうした優しいデザインと、140年以上かけて培われてきた技術でつくられる柔らかくあたたかい素材が魅力となり、クリッパンのブランケットは世界中で愛されるようになりました。現在はスロー、ストールなど幅広い製品を手がけており、一生ものの贈り物やベビーギフトとしても、多くの方に喜ばれる北欧ブランドになっているのではないでしょうか。

知れば知るほど、北欧デザインが好きになる!

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自然のモチーフと、機能的なシンプルさが魅力の北欧デザイン。すでにその魅力に気付き、インテリアやうつわを愛用しているという方も多いと思います。日本の伝統工芸品のように、ブランド一つ一つが持つ歴史や魅力を知って、さらに北欧ブランドを好きになってくださいね♪

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プロキッチンは「自分らしく暮らしをみがく」をテーマに、ひとりひとりの暮らしが心地よくなるような、キッチン用品や生活雑貨、暮らしのヒントをお届けしています。
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