あなたを支える言葉はありますか?
様々な人の心を垣間見える「小説」

流浪の月/凪良ゆう
少なくとも、わたしは拒絶されていないのだ。それだけでわたしはどこまでもいけるし、なんでもできるきがする。
野菊の墓/伊藤左千夫
僕は民さんの思うとおりになるつもりですから、民さんもそう思っていて下さい
明治時代、旧家の息子政夫と、二つ年上のいとこ民子の淡い恋を描いた小説。民子が年上であるために、ふたりの思いはとげられず、政夫は町の中学へ、民子は大人たちから強いられて嫁がされてしまうのです。
作者の丸ごとを感じる「エッセイ」

HYGGE(ヒュッゲ)/マイク・ヴァイキング
幸福とはめったに起きない大きな幸運が生み出すものではなく、日々の暮らしの中でちょっと助けられたことや、小さな喜びが積み重なって生まれるものだ。
デンマークにあるハピネス・リサーチ研究所のCEOがデンマーク人の生活から幸せのカギを探し、紹介しています。
フランス人は年をとるほど美しい/ドラ・トーザン
自分が幸せで、心にゆとりがあって、他の人を幸せにできる
日本びいきで日仏を行き来するパリジェンヌである著者が、日本人女性が幸せになるための提案をしています。
選び抜かれた言葉が胸をうつ「短歌」
プーさんの鼻/俵万智
外に出て
歩き始めた君に言う
大事なものは
手から放すな
作者が30代後半から40代前半のときの作品集。圧倒的に子どもに関するものが多く、見つめていた時間、気づき、感動の多さが感じられます。その中に家族のこと、恋のことが詠まれることで、作者の印象を立体的に感じられます。
滑走路/萩原慎一郎
もう少し
待ってみようか
曇天が
過ぎ去ってゆく
時を信じて
未熟で荒削りではあるけれど、すざましい勢いとエネルギーが感じられます。視野が狭く、頑なで自分とも社会とも折り合いがつけられず、辛くて苦しい毎日。だからこそ恋の明るさ、強さが際立ちます。その優しさ、温かさが喜びへとつながる。
何度でも手に取りたい「絵本」
キスなんてだいきらい/トミー・ウンゲラー
ぼうやの けがを 見て
おかあさんは いきも とまりそう。
がくがく ふるえ なみだ ぼろぼろ
とんで いって むすこを ひきずりだして、
だっこしながら キスぜめ。
「かわいい かわいい ぼうや
どうして そんな めに あったの?
はやく おいしゃさまへ、
びょういんへ!
タクシーよ さあ タクシー!」
子ねこのパイパーは、ママに言われること全てが気に入りません。1番嫌いなのはママのやさしいキス!甘くて可愛らしい絵本とは一線を画す、ニヒルなユーモアたっぷりの1冊です。
よあけ/ユリー・シュルヴィッツ
すこし ひをたく。
静まり返った夜明け前の湖のほとり。と一瞬さざ波が立ち、すべてが動きだす。刻々と変わっていく夜明けの風景を、やわらかな色調で描きだしています。
息苦しい毎日の中でやっと見つけた居場所。手足を伸ばし、大きく息を吸い、空を見上げられるようになる。しかし世間では「幼女誘拐事件」と評された。家族でも、恋人でも、友人でもない。名前などないけれど離れられない。新しい関係の物語。