洞爺湖がある北海道月浦を舞台にした心あたたまる映画。水縞りえと尚夫妻は、東京から月浦に移住してパンカフェ「マーニ」を開きます。りえを原田知世さんが、水縞尚を大泉洋さんが演じており、2人のやさしい空気や言葉の掛け合いが心を穏やかにします。

宿泊もできるオーベルジュのようなカフェマーニには、さまざまなお客様が訪れます。マーニで食べる尚のパンとりえの料理、そして洞爺湖を望む月浦の自然。そこは、ちょっとだけ自分と自分の人生を好きになれる場所。月浦には、映画でカフェ外観に使われた「カフェゴーシュ」がありますよ。

1980年代東京、明るくてお人好しでちょっと図々しい大学生の横道世之介が、周囲の人を惹きつけ巻き込んでいくハートフルな物語。レトロな世界観やちょっと笑える登場人物のやり取りを観ていると、知らず識らずに微笑んでしまいます。

物語は、主人公の岬が生き別れた父と暮らした奥能登へ戻り、珈琲専門店をはじめるところからはじまります。向かいの民宿に暮らすと絵里子と出会い、対象的な2人の人生が交錯していく中で、人と人の絆を考えさせられます。

美しい奥能登の海を目の前にして立つヨダカ珈琲は、いますぐ行きたくなるような爽やかなカフェで、岬が丁寧に淹れるコーヒーの香りが漂ってきそうにすら感じます。家族を思い、崩れそうになりながら必死で立ち続ける女性のリアルな姿に、心寄せずにはいられません。

かつてこれほどほっこりする時代劇があっただろうか。そんなふうに思うくらい癒やされるやさしい時代劇です。かつては「まだら鬼」の異名で恐れられた斑目久太郎が、猫の玉之丞の前だとふにゃふにゃにとろけて、とてもかわいい！

1話完結型なので気軽に観やすく、毎回小さな事件が起きるけれど、玉之丞のかわいいパワーでなんだかんだ事なきを得ます。猫とは言葉を交わせないのに、瞳から思いが伝わってきてなんとも言えません。玉之丞役の猫、「あなご」ちゃんも人気がありますよ。

売れっ子漫画家の麻子さんは、アシスタントのミナミと一緒に締め切りに追われる日々を過ごしていますが、愛猫のサバが亡くなったことで、漫画が書けなくなってしまいます。そんなときに出会った子猫が、グーグー。

猫目線の人間観察をはさみながらゆるやかに進むストーリー。生きること、恋をすること、孤独と闘うこと。たまに疲れる人生のアレコレも、猫がいるとがんばれる気がします。