柔らかな色使いが素敵な絵画と、そのストーリーをじっくりと堪能しませんか?

柔らかな色使いが素敵な絵画と、そのストーリーをじっくりと堪能しませんか?

“怖い絵展”が人気を集めた2017年。今記事では、その正反対にある…目にしただけで緊張感が和らぎ、穏やかな気持ちにしてくれる…そんな絵画作品を集めてみました。すでに室内に飾ったり、折に触れて眺めている方もおいでかも。ともあれ、作品(と作者についてもちょっぴり)をご紹介していきます! 2018年01月26日作成

カテゴリ:
アート・カルチャー
キーワード:
絵画
パステルカラー
画家
印象派
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パステルカラーに秘められた憂い

Marie Laurencin/マリー・ローランサン

音楽はローランサンと同時代の女性作曲家で、詩人ジャン・コクトーに“耳のマリー・ローランサン”と呼ばれたジェルメーヌ・タイユフェール『野外遊戯』。

◇マリー・ローランサンとは。
マリー・ローランサン(1883-1956)は20世紀初頭に活躍したエコール・ド・パリの女性画家。
女性たちをくすみのあるパステルカラーで表現して一躍人気画家に。コクトー、ピカソら多くの芸術家との交流があり、舞台美術や衣裳デザインにも功績を残しました。詩人アポリネールの作品「ミラボー橋」は、かつて恋人だったマリーがモチーフとなっています。第二次大戦中、ナチス占領下のパリでは家をドイツ軍に接収され、かつてドイツの男爵と結婚していたことから終戦後に対独協力者として投獄されたこともありましたが、一貫して優雅な雰囲気を放つ作品を描き続けました。
ココ・シャネルから肖像画の依頼を受けて出来上がった作品『マドモアゼル・シャネルの肖像』(1923年)。1920年代から30年代にかけて、ハイソサエティの女性から肖像画の依頼が殺到。成功者シャネルもその一人でした。

ところが…。 ↓↓

出典:

ココ・シャネルから肖像画の依頼を受けて出来上がった作品『マドモアゼル・シャネルの肖像』(1923年)。1920年代から30年代にかけて、ハイソサエティの女性から肖像画の依頼が殺到。成功者シャネルもその一人でした。

ところが…。 ↓↓

出来上がった肖像画を見た彼女は、自分に似ていないことを理由に、マリーに描き直しを要求しますが、マリーは怒って拒否し、作品を自分の手元に引き取ります。
この女性こそ、ココ・シャネルでした。マリーが描いたシャネルは、女性らしい儚げな雰囲気で、貧しい生まれから成功を勝ち取った“強い女”のイメージとはかけ離れていたのです。この絵はいま、パリのオランジュリー美術館で見ることができます。

出典: 画家マリー・ローランサンの乙女でロマンチックな人生(後編) |婦人画報

『バラの女』(1930年)。
多肉植物に合わせた植木鉢制作のモチーフが『バラの女』だったそう。 ↓↓

出典: www.instagram.com(@fdezakka_rie)

『バラの女』(1930年)。
多肉植物に合わせた植木鉢制作のモチーフが『バラの女』だったそう。 ↓↓

fdezakka_rie
今回のイベントでは植え木鉢や多肉植物の色で名画を表現したいと思いました。
この植え木鉢は、ローランサン作 『バラの女』をイメージしました。

出典:Instagram

『Femmes sur la terrasse/テラスの女たち』(1946年)。
戦争が終結し、解放感に満ちた女性たちが描かれています。後に訪れるフェミニズムの波を予感したかのような作品。

出典:

『Femmes sur la terrasse/テラスの女たち』(1946年)。
戦争が終結し、解放感に満ちた女性たちが描かれています。後に訪れるフェミニズムの波を予感したかのような作品。

超自然主義を貫いた“愛の画家”

Marc Chagall/マルク・シャガール

パッへルベル『カノン』を背景に、サーカスや音楽家、天使、ベラ(妻)をモチーフにしたシャガールの代表的な作品が次つぎに映し出されます。

◇マルク・シャガールとは。
マルク・シャガール(1887-1985)はエコール・ド・パリの中心的な画家。
帝政ロシアの時代ににユダヤ人の家庭に生まれ、パリで活動した20代にキュビズム、フォービズムを吸収。ロシア革命後に故郷に戻り、ロシア・アバンギャルド運動に参加。再びパリに戻り、妻・ベラをモチーフにした作品を数多く発表しました。第二次大戦中、亡命先のアメリカでベラを病気で亡くしましたが、大戦後は南フランスに永住、愛をテーマにした作品を描き続けました。作品の領域は広く、舞台装置のデザイン、ステンドグラス、陶芸に及んでいます。1960年代にはパリ・オペラ座(ガルニエ宮)の天井画『夢の花束』(1964年~)も手掛けました。
パリ・オペラ座。客席の真上に広がる『夢の花束』(1964年~)。
ラヴェル「ダフニスとクロエ」、ドビュッシー「ペレアスとメリザンド」など14のオペラ~バレエ作品に材を取って描かれました。マチネ(昼公演)がない時は内部を見学できるそうです。

出典: pixabay.com

パリ・オペラ座。客席の真上に広がる『夢の花束』(1964年~)。
ラヴェル「ダフニスとクロエ」、ドビュッシー「ペレアスとメリザンド」など14のオペラ~バレエ作品に材を取って描かれました。マチネ(昼公演)がない時は内部を見学できるそうです。

田園の四季を愛した画家たち

Alfred Sisley /アルフレッド・シスレー

900点に及ぶ油彩画のほとんどが風景画で、作品には画家の妻や幼い娘、息子がたびたび登場しています。背景の音楽は同時代の作曲家ドビュッシー『アラベスク第一番』。

『クール・ヴォランからのマルリー=ル=ロワの眺め』 (1876年)。家に帰る幼い子どもを温かい筆致で描いています。

出典: www.flickr.com(@Gautier Poupeau)

『クール・ヴォランからのマルリー=ル=ロワの眺め』 (1876年)。家に帰る幼い子どもを温かい筆致で描いています。

◇アルフレッド・シスレーとは。
アルフレッド・シスレー(1839-1899)は、裕福な英国人家庭のもとにパリにうまれました。
学業のため渡ったロンドンでアートに目覚め、パリに戻って画家への道をスタート。モネやルノワールとの交流もありましたが、19世紀半ばの画壇は、彼の描く風景画の大胆な構図と豊かな色彩を評価せず、さらに、援助を続けてくれた父の会社の破産、普仏戦争やパリコミューンと立て続けの政情不安のもと、1871年にパリを離れ、フランス各地を転々としました。ようやく落ち着けたのは1889年、フォンテーヌブローにほど近いモレ=シュル=ロワンに移住してから。美しい田園風景が気に入り、数多くの作品を描きながら生涯住み続けました。

Camille Pissarro/カミ―ユ・ピサロ

『焚き火をする若い農婦、白い霜 』(1888年)。
パリの北西約70kmに位置する果樹園地帯・エラニー村の晩秋。収穫後のりんごの枝を折って焚火にくべる農家の若い女性と、そばでうれしそうに頬を染める弟。農繁期が終わった子どもたちのいきいきした様子を、ピサロは印象派後期の技法・点描によって表現しました。

出典:

『焚き火をする若い農婦、白い霜 』(1888年)。
パリの北西約70kmに位置する果樹園地帯・エラニー村の晩秋。収穫後のりんごの枝を折って焚火にくべる農家の若い女性と、そばでうれしそうに頬を染める弟。農繁期が終わった子どもたちのいきいきした様子を、ピサロは印象派後期の技法・点描によって表現しました。

エラニー村の風景をこよなく愛したピサロは、村の風景や人びとを題材に数多くの作品を残しました。
印象派の画家カミーユ・ピサロ(1830-1903)がエラニーに移り住んだのは1884年、54歳のときで、妻は8人目の子を妊娠していた。いまでこそ作品が高額で取り引きされるピサロだが、生前の台所事情は楽ではなく、子沢山の家庭を養うのにはなかなかの苦労があったようだ。エラニーの家は賃貸だったが、92年には同じく印象派の大家クロード・モネの出資を得て買い取り、亡くなるまでこの家と周囲の環境を愛した。

出典:パリの美術館からーピサロ展ー(鈴木春恵) - 個人 - Yahoo!ニュース

家族との幸福な情景

Claude Monet/クロード・モネ

『昼食』(1869年)。 
満開の花に囲まれた木洩れ日の庭で、妻カミ―ユと息子のジャンとランチ?くしゃくしゃのナフキンを見ると、食事を終えたところでしょうか。ジャンは組み立て遊びに熱中♪

出典:

『昼食』(1869年)。 
満開の花に囲まれた木洩れ日の庭で、妻カミ―ユと息子のジャンとランチ?くしゃくしゃのナフキンを見ると、食事を終えたところでしょうか。ジャンは組み立て遊びに熱中♪

◇クロード・モネとは。
クロード・モネ(1840-1926)は、フランス印象派を代表する画家。
34歳の時、後の印象派の語源となる『印象・日の出』を発表し、酷評されながらも、友人の画家らの支援者を得て制作を続けました。40代半ばでジヴェルニーに移住、200点に及ぶ『睡蓮』をはじめ大作を次つぎに制作。ニューヨークで開催された印象派の展覧会で彼の作品が高評を得たことから国内の評価も高まりました。近年では、有名オークションに出品された作品の高額落札もたびたびニュースとなっています。
『ひなげし』(1873年)。
真っ赤なひなげしが咲きみだれる丘をウキウキと歩く麦わら帽子の母子。雲が動き、ひなげしが風に揺れています。

出典:

『ひなげし』(1873年)。
真っ赤なひなげしが咲きみだれる丘をウキウキと歩く麦わら帽子の母子。雲が動き、ひなげしが風に揺れています。

Berthe Morisot/ベルト・ モリゾ

母と子などのテーマが心優しい筆致で描かれています。生活の一場面など、眺めるだけで心が穏やかになる作品ばかり…♪
背景の音楽はベートーベン「チェロソナタ第4番」から。

◇ベルト・モリゾとは。
ベルト・モリゾ(1841-1895)は19世紀印象派の女性画家。
絵の師であったエドゥアール・マネの作品「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」のモデルとしても知られ、マラルメやルノワールとの親交でも知られています。マネの弟ウージェーヌと結婚、娘ジュリーをもうけました。自然や子どもを題材にした温かみのある作風が特徴で、前出の『ちょうちょ捕り』は、森の中で、姉エドマやその娘たちがちょうちょを捕る情景を描いた作品です。
『ちょうちょ捕り』(1874年)。
「ママンのお手本をよく見ててね」なんてお母さんの声が聞こえてきそうですね。

出典:

『ちょうちょ捕り』(1874年)。
「ママンのお手本をよく見ててね」なんてお母さんの声が聞こえてきそうですね。

『鳥かご』(1885年)。止まり木の2羽のふくらみがなんともかわいい❤。

出典: www.flickr.com(@Irina)

『鳥かご』(1885年)。止まり木の2羽のふくらみがなんともかわいい❤。

映画作品にもなったモリゾの生涯。
彼女の絵は自然の緑を基調とした、穏やかな微笑ましい画風が特徴的だ。19世紀の男性中心の社会に現れた女性画家ということで、フェミニズム研究からのアプローチも多い。一貫して自由な筆使いで、光と色彩のアートを追求したモネ、シスレー、ピサロとともに”最も純粋な”印象派として評価された。

出典:画家モリゾ、マネが描いた美女 名画に隠された秘密 あらすじ

Mary Stevenson Cassatt/メアリー・スティーヴンソン・カサット

『Summer time』(1894年)。
普段は忙しい母をボートの上で独占して、周りに大車輪で集まってくるアヒルたちを眺める時間。幼い頃の記憶が蘇ってくる1枚です。

出典: www.flickr.com(@FUMITOL)

『Summer time』(1894年)。
普段は忙しい母をボートの上で独占して、周りに大車輪で集まってくるアヒルたちを眺める時間。幼い頃の記憶が蘇ってくる1枚です。

◇メアリー・カサットとは。
メアリー・カサット(1844-1926)は、アメリカにうまれ、パリで活動した画家です。
母と子をテーマにした作品など、穏やかで温かい作風で知られ、まずパリで、ついでアメリカで揺るぎない評価を得ました。親族の介護や死によって幾度か休筆を余儀なくされ、自身も糖尿病などいくつもの持病を抱えながらも作品の制作を続け、婦人参政権運動にも参加しました。
『Sara Holding A Cat/猫を抱くサラ』(1908年)。

出典: www.flickr.com(@Irina)

『Sara Holding A Cat/猫を抱くサラ』(1908年)。

エキゾティックなインテリア☆

Henri Matisse/アンリ・マティス

『Still Life with Pascal's "Pensées"/「パンセ」のある静物画』(1915年)。
机には哲学書とコーヒー茶碗。レースのカーテンに編み込まれた南国のヤシ、アネモネを生けた中国の染付の壷は、この時代のパリの人びとにはとてもエキゾティックでオシャレに映ったに違いありません*

出典: www.flickr.com(@Sharon Mollerus)

『Still Life with Pascal's "Pensées"/「パンセ」のある静物画』(1915年)。
机には哲学書とコーヒー茶碗。レースのカーテンに編み込まれた南国のヤシ、アネモネを生けた中国の染付の壷は、この時代のパリの人びとにはとてもエキゾティックでオシャレに映ったに違いありません*

◇アンリ・マティスとは。
アンリ・マティス(1869-1954)は、フランスの画家。
大胆な色彩を特色とするフォーヴィスム(野獣派)の第一人者として作品を発表したのはわずか3年ほど。活動期間のほとんどに渡って、テーブルの上の花や果物、書物を描いた室内画を多く描き、『私は人々を癒す肘掛け椅子のような絵を描きたい』と語っていたそうです。
『金魚鉢』(1921-22年)。
ニースにあったマティスのアパルトマンで描かれたとか。あかるい室内、アラベスク風な壁紙、光を受けて透き通るような果物、泳ぐ金魚が動的で、静物画の域を脱しています♪

出典: www.flickr.com(@Kaitlin)

『金魚鉢』(1921-22年)。
ニースにあったマティスのアパルトマンで描かれたとか。あかるい室内、アラベスク風な壁紙、光を受けて透き通るような果物、泳ぐ金魚が動的で、静物画の域を脱しています♪

おしまいに

幻想的でロマンティックなシャガール、住まいのある村の風景を愛したモネやシスレー、ピサロ。ほとんどの画家が生活苦や戦争、革命を経験しつつ、みずから美しいと感じたものやことを、新しい表現を模索しながら情熱をこめて描いた作品ばかり。印象派の作品が多いのは、光がキラキラする情景が人生の幸せな場面に重なるからかもしれません。優雅でオシャレなローランサンには、女性としてこうありたいという共感、そして平和への希求を感じませんか?
Paul Signac/ポール・シニャック『Femmes au puits/井戸端の女たち』(19892年)。

シニャックは新印象派を代表する画家の1人。点描が和らげる補色、井戸と女性、海と丘、うねる道の構図によって忘れがたい1枚となっています。

出典:

Paul Signac/ポール・シニャック『Femmes au puits/井戸端の女たち』(19892年)。

シニャックは新印象派を代表する画家の1人。点描が和らげる補色、井戸と女性、海と丘、うねる道の構図によって忘れがたい1枚となっています。

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