「アール・デコ」に触れる館へ。直線とパターンが生み出す美しい幾何学模様

「アール・デコ」に触れる館へ。直線とパターンが生み出す美しい幾何学模様

第1次世界大戦後、第2次世界大戦前までに隆盛した芸術の様式「アール・デコ」。有機的なモチーフの「アール・ヌーボー」に対して、すっきりとした幾何学的な線とパターン化されたモチーフを装飾化したアール・デコは、フランスで始まりアメリカで大流行し、日本建築にも影響を及ぼしました。幾何学模様は、日本の着物の柄などにも古くから使われ、日本人の美意識にフィットしたのかもしれませんね。そんな「アール・デコ」を体感できる、日本にまだ現存する美しい建築をご紹介します。2017年01月06日更新

カテゴリ:
アート・カルチャー
キーワード:
アート
伝統技法
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アール・デコとは?

「アール・デコ」に触れる館へ。直線とパターンが生み出す美しい幾何学模様
出典:www.flickr.com(@TANAKA Juuyoh (田中十洋))
「アール・デコ」とは、1910年代半ばから1930年代にかけてヨーロッパやアメリカで流行した装飾様式です。線や記号、幾何学的な模様やパターンで構成されたデザインが特徴です。
それまでの、デザインに凝りすぎて大量生産には向かなかった「アール・ヌーボー」に代わって、工業的で合理性を目指しフランスで発祥しました。

「アール・デコ」と「アール・ヌーボー」の違い

アール・ヌーボーやアール・デコって、たまに聞くけど…そういえば何だろう?と思う人もいるはず。
どちらも19世紀末~20世紀前半に起こった芸術の様式の名前で、建築、デザイン、ファッション、絵画に大きな影響を与えました。アール・ヌーボーは、1880年代から1914年の第1次世界大戦までの間に栄え、アール・デコは、第1次世界大戦後、第2次世界大戦前までに隆盛を見ました。

“新芸術”という意味の「アール・ヌーボー」

Photo on [VisualHunt.com](https://visualhunt.com/re4/7b1c07d1)

19世紀末~20世紀初頭の約30年、ヨーロッパでおこった革新的な芸術運動です。「産業革命以降、粗悪になった実用品に芸術性を取り戻そう!」というコンセプトのもと、芸術性が求められる様々な分野の作品に影響を与えてきました。動植物や、昆虫などの有機的なモチーフが特徴です。アール・デコがシンメトリのデザインが多いのに比べ、アール・ヌーボーはアシメトリーのデザインが目立ちます。この時代を象徴する作家としては、建築家のアントニ・ガウディや、ガラス作家のエミール・ガレ、日本でも人気のあるアルフォンス・ミュシャなどが代表的です。
出典:visualhunt.com

Photo on VisualHunt.com

19世紀末~20世紀初頭の約30年、ヨーロッパでおこった革新的な芸術運動です。「産業革命以降、粗悪になった実用品に芸術性を取り戻そう!」というコンセプトのもと、芸術性が求められる様々な分野の作品に影響を与えてきました。動植物や、昆虫などの有機的なモチーフが特徴です。アール・デコがシンメトリのデザインが多いのに比べ、アール・ヌーボーはアシメトリーのデザインが目立ちます。この時代を象徴する作家としては、建築家のアントニ・ガウディや、ガラス作家のエミール・ガレ、日本でも人気のあるアルフォンス・ミュシャなどが代表的です。

現代装飾としての「アール・デコ」

アール・ヌーボーに代わって、1920~30年代に起こった芸術革新運動がアール・デコです。簡潔で合理的、アール・ヌーボーによる華美な装飾を省いた商業デザインの先駆けともいえる様式。原色によるシンメトリーの対比も特徴的です。フランスで発祥したこちらの様式が、世界的に流行するきっかけとなったのは、アメリカにおいてクライスラービルやロックフェラーセンター、エンパイアステートビルにこの様式が使用されたことがきっかけでした。
出典:www.flickr.com(@Spencer Means)

アール・ヌーボーに代わって、1920~30年代に起こった芸術革新運動がアール・デコです。簡潔で合理的、アール・ヌーボーによる華美な装飾を省いた商業デザインの先駆けともいえる様式。原色によるシンメトリーの対比も特徴的です。フランスで発祥したこちらの様式が、世界的に流行するきっかけとなったのは、アメリカにおいてクライスラービルやロックフェラーセンター、エンパイアステートビルにこの様式が使用されたことがきっかけでした。

今も、日本で触れることのできる!「アール・デコ建築」へ

1925年にパリで行われた「装飾美術エキスポ」(通称:アールデコエキスポ)に、日本の建築様式も大きく影響され大正・昭和の戦前期に、日本でのアール・デコ建築は開花しました。
今も残る、「ジャパン・デコ」の世界へタイムスリップしてみてはいかがでしょう?

東京都庭園美術館(フランス直輸入のアール・デコ様式)

JR山手線「目黒駅」より徒歩7分という立地にありながら、緑あふれる庭園と建物が静かなハーモニーを奏でる東京都庭園美術館。アール・デコ様式で統一された外観と室内。展示された作品と空間の調和も見応えのある美術館として人気です。
出典:

JR山手線「目黒駅」より徒歩7分という立地にありながら、緑あふれる庭園と建物が静かなハーモニーを奏でる東京都庭園美術館。アール・デコ様式で統一された外観と室内。展示された作品と空間の調和も見応えのある美術館として人気です。

1910年代から30年代にかけてヨーロッパを席巻したアール・デコとよばれる装飾様式を、パリ滞在中実際に見聞された朝香宮ご夫妻の意思によって取り入れ、1933(昭和8)年に建てられたものです。当時を代表するフランス人装飾美術家アンリ・ラパンに、玄関、大客室、大食堂、書斎などの主要部分の内装を依頼し、ルネ・ラリックもこれに参加しています。また、基本設計および内装は、宮内省内匠寮の建築家・権藤要吉が担当しています。朝香宮邸は、言わば和洋の想いが融合した建築なのです。
出典:東京都庭園美術館|TOKYO METROPOLITAN TEIEN ART MUSEUM|館長からのごあいさつ
正面玄関から、心を奪われる作り…。細かい天然石で制作された床モザイクのデザインは、宮内省内匠寮技手の大賀隆が手がけた物です。
出典:

正面玄関から、心を奪われる作り…。細かい天然石で制作された床モザイクのデザインは、宮内省内匠寮技手の大賀隆が手がけた物です。

玄関のガラスレリーフ扉は、フランスのガラス工芸家ルネ・ラリックの作品。玄関扉とは思えないほどの贅沢で繊細な作りです。
出典:

玄関のガラスレリーフ扉は、フランスのガラス工芸家ルネ・ラリックの作品。玄関扉とは思えないほどの贅沢で繊細な作りです。

大客室には、同じくルネ・ラリック作のシャンデリアが。
また、奥に見えるのはフランスのデザイナーであるアンリ・ラパン作の香水塔です。朝香宮邸時代には、上部の照明部分に香水を施し、照明の熱で香りを漂わせたといわれています。
幾何学的にデザインされた花が主なモチーフとなって、細部にまでわたる細かなレリーフとシンメトリーのデザインが本当に美しい空間です。
出典:

大客室には、同じくルネ・ラリック作のシャンデリアが。
また、奥に見えるのはフランスのデザイナーであるアンリ・ラパン作の香水塔です。朝香宮邸時代には、上部の照明部分に香水を施し、照明の熱で香りを漂わせたといわれています。
幾何学的にデザインされた花が主なモチーフとなって、細部にまでわたる細かなレリーフとシンメトリーのデザインが本当に美しい空間です。

戦後この建物が首相官邸として使われた時には、吉田茂首相の執務室だったというお部屋。威厳がある中に、どこか軽やかさも感じます。
出典:www.flickr.com(@na0905)

戦後この建物が首相官邸として使われた時には、吉田茂首相の執務室だったというお部屋。威厳がある中に、どこか軽やかさも感じます。

黒と白の大理石が市松模様に敷かれたご夫妻専用のベランダ。ここからは芝庭や日本庭園が一望でき、窓からはたっぷりの日ざしが降り注ぐ空間です。
出典:www.flickr.com(@na0905)

黒と白の大理石が市松模様に敷かれたご夫妻専用のベランダ。ここからは芝庭や日本庭園が一望でき、窓からはたっぷりの日ざしが降り注ぐ空間です。

壁紙や装飾などの一つ一つをとっても、本当に細部に渡るまで贅を尽くしきった空間となっています。この建物が、1930年代に建てられていたかと思うと、当時の職人の技術の高さに驚くばかりです。
出典:www.flickr.com(@mxmstryo)

壁紙や装飾などの一つ一つをとっても、本当に細部に渡るまで贅を尽くしきった空間となっています。この建物が、1930年代に建てられていたかと思うと、当時の職人の技術の高さに驚くばかりです。

自由学園明日館(ライト式アール・デコ)

JR池袋駅メトロポリタン口より徒歩5分の立地にある自由学園明日館。大正時代に建てられ、戦前から使われていた元女学校です。現在は、見学だけも可能ですが、建物のお部屋をかりてコンサートや、パーティ、食事会、結婚式などのイベントも開催出来ます。
出典:

JR池袋駅メトロポリタン口より徒歩5分の立地にある自由学園明日館。大正時代に建てられ、戦前から使われていた元女学校です。現在は、見学だけも可能ですが、建物のお部屋をかりてコンサートや、パーティ、食事会、結婚式などのイベントも開催出来ます。

自由学園明日館(みょうにちかん)は、1921年(大正10)、羽仁吉一、もと子夫妻が創立した自由学園の校舎として、アメリカが生んだ巨匠フランク・ロイド・ライトの設計により建設されました。
(中略)
1934年(昭和9)に自由学園が南沢(東久留米市)に移転してからは、明日館は主として卒業生の事業活動に利用されてきました。その後、明日館の歴史的、芸術的価値が評価され、1997年(平成9)5月、国の重要文化財指定を受けました。
出典: 明日館ホームページ [建物・明日館とは]
クリスチャンで女性思想家、日本で初めての女性新聞記者でもあったもと子とジャーナリストであった夫・羽仁吉一は、キリスト教の精神に基づいた理想教育を実践しようとここに学校を作り、自分たちの教育理念にふさわしい人格を育てようとしました。
出典:

クリスチャンで女性思想家、日本で初めての女性新聞記者でもあったもと子とジャーナリストであった夫・羽仁吉一は、キリスト教の精神に基づいた理想教育を実践しようとここに学校を作り、自分たちの教育理念にふさわしい人格を育てようとしました。

教育方針は、毎日の生活を生徒自身が責任を持って行う自労自治の精神に基づき、学生の多くが学園内の寮で生活し、校内の維持管理や給食調理も生徒自身が行うなど、文部科学省のカリキュラムにとらわれない独自の教育方法を採用した特徴ある学校でした。
出典:『フランク・ロイド・ライトの遺構 自由学園 明日館』 [池袋]のブログ・旅行記 by ぬいぬいさん
こちらは、自由学園の生徒たちが集った食堂です。自然光を巧みに取り込み、幾何学的な装飾と流れるような空間構成が特徴の様式美が、至る所に見受けられます。
出典:

こちらは、自由学園の生徒たちが集った食堂です。自然光を巧みに取り込み、幾何学的な装飾と流れるような空間構成が特徴の様式美が、至る所に見受けられます。

女学校当時は、毎朝の礼拝が行われていたホール。自由学園明日館を象徴する、美しいシンメトリーにデザインされた窓はとてもフォトジェニックです。
出典:

女学校当時は、毎朝の礼拝が行われていたホール。自由学園明日館を象徴する、美しいシンメトリーにデザインされた窓はとてもフォトジェニックです。

日本に残るフランク・ロイド・ライト建築の数少ない貴重な建物です。
休館日や結婚式などで見学不可能な日もあるので、公式HPの見学カレンダーを確認してから行くのをおすすめします。
入館料は400円。喫茶券付きの600円もありますよ♪直線が作り出すアール・デコ様式の美しい世界に存分に浸ることが出来ます。
出典:

日本に残るフランク・ロイド・ライト建築の数少ない貴重な建物です。
休館日や結婚式などで見学不可能な日もあるので、公式HPの見学カレンダーを確認してから行くのをおすすめします。
入館料は400円。喫茶券付きの600円もありますよ♪直線が作り出すアール・デコ様式の美しい世界に存分に浸ることが出来ます。

ライオン銀座七丁目店(ライト式アール・デコ)

地下鉄銀座線銀座駅から徒歩3分。JR有楽町駅から徒歩7分。 
1934(昭和9)年、サッポロビールの前身、大日本麦酒株式会社の本社社屋として、菅原栄蔵の設計により建てられた銀座ライオンビル。1階にある「ビヤホール ライオン 銀座七丁目店」は、現存する最古のビヤホールです。国内産のガラスモザイクで描かれたとされる、豊穣と収穫をモチーフにしたホール前方の大壁画は圧巻の一言。古き良き昭和を伝えるホールは、趣深いインテリアも含め訪れたい建築のひとつです。
出典:

地下鉄銀座線銀座駅から徒歩3分。JR有楽町駅から徒歩7分。
1934(昭和9)年、サッポロビールの前身、大日本麦酒株式会社の本社社屋として、菅原栄蔵の設計により建てられた銀座ライオンビル。1階にある「ビヤホール ライオン 銀座七丁目店」は、現存する最古のビヤホールです。国内産のガラスモザイクで描かれたとされる、豊穣と収穫をモチーフにしたホール前方の大壁画は圧巻の一言。古き良き昭和を伝えるホールは、趣深いインテリアも含め訪れたい建築のひとつです。

壁画とバーカウンター、今も昔も良い雰囲気で美味しいビールが飲みたくなりますね♪
出典:

壁画とバーカウンター、今も昔も良い雰囲気で美味しいビールが飲みたくなりますね♪

柱にぶらさがったぶどう電球は“豊穣”を意味し、天井にぶら下がった水玉電球の模様は“ビールの泡”をイメージしているのだとか。そんな豆知識を知っておくと、訪れたときにも面白そうです。
出典:

柱にぶらさがったぶどう電球は“豊穣”を意味し、天井にぶら下がった水玉電球の模様は“ビールの泡”をイメージしているのだとか。そんな豆知識を知っておくと、訪れたときにも面白そうです。

グリーンと赤のタイルの組み合わせが、何とも言えないレトロ感を醸しだしています。柱上部のデコラティブなデザインも、目を引きますが天井に向かって槍状に広がるようにそびえ立つ柱は“麦の穂”をイメージしているそうです。
出典:

グリーンと赤のタイルの組み合わせが、何とも言えないレトロ感を醸しだしています。柱上部のデコラティブなデザインも、目を引きますが天井に向かって槍状に広がるようにそびえ立つ柱は“麦の穂”をイメージしているそうです。

東京国立博物館本館(和風アール・デコ)

JR上野駅公園口、または鶯谷駅南口から徒歩10分。
昭和13年(1938)、東京国立博物館本館は、昭和天皇の即位を記念して開館。コンクリート建築に瓦屋根をのせ、東洋風を強く打ち出し「帝冠様式」の代表的建築とされ、平成13年(2001)に重要文化財に指定されました。本館では、日本の美術、工芸、歴史資料などが展示されています。
出典:

JR上野駅公園口、または鶯谷駅南口から徒歩10分。
昭和13年(1938)、東京国立博物館本館は、昭和天皇の即位を記念して開館。コンクリート建築に瓦屋根をのせ、東洋風を強く打ち出し「帝冠様式」の代表的建築とされ、平成13年(2001)に重要文化財に指定されました。本館では、日本の美術、工芸、歴史資料などが展示されています。

本館の1階から2階へ上がる大階段。入ってすぐ、エントランスホールから目前に広がる豪華な大理石貼りの階段は、存在感たっぷりです。
出典:

本館の1階から2階へ上がる大階段。入ってすぐ、エントランスホールから目前に広がる豪華な大理石貼りの階段は、存在感たっぷりです。

重厚な作りの階段を登り始めると、シンメトリーにガラス窓とライトが現れます。
出典:

重厚な作りの階段を登り始めると、シンメトリーにガラス窓とライトが現れます。

繊細な細工が施され、美しい…の一言。
出典:

繊細な細工が施され、美しい…の一言。

細部の装飾に至るまで繊細にデザインされ、品の良いクラシカルな雰囲気が魅力です。
出典:

細部の装飾に至るまで繊細にデザインされ、品の良いクラシカルな雰囲気が魅力です。

身近な「アール・デコ建築」を訪れてみませんか?

パリで始まりアメリカで栄え、日本にも影響を与えた「アール・デコ」様式。
レトロでモダンな雰囲気の佇まいで、今の時代にも新鮮ささえ感じるデザインが何とも美しいですよね。
今回紹介した建物は、すべて山手線の駅から徒歩圏内。ちょっとした休日のお出掛けに、今も国内に現存する、日本の古き良きデザインが光る館へ出かけてみてはいかがでしょうか。
出典:

パリで始まりアメリカで栄え、日本にも影響を与えた「アール・デコ」様式。
レトロでモダンな雰囲気の佇まいで、今の時代にも新鮮ささえ感じるデザインが何とも美しいですよね。
今回紹介した建物は、すべて山手線の駅から徒歩圏内。ちょっとした休日のお出掛けに、今も国内に現存する、日本の古き良きデザインが光る館へ出かけてみてはいかがでしょうか。

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