「そういえば子供のころ、折り紙で七夕飾りを作ったな…」。きっとみなさんも、一度は作ったことがある七夕飾り。昔から続く風習を今一度おさらいして、今年はおうちで7月7日を楽しみませんか?小さくっても季節感あふれる七夕飾りがおうちにあるだけで、お部屋の雰囲気も気分も明るくなりますよ♪
緑:吹き流し、黄色:網飾り、青:貝飾り、オレンジ:ちょうちん、ピンク:輪つづり
よく見る七夕飾りですが、果たしてこれらの意味や由来って?
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古来日本では、旧暦の7月7日の節句に、若い女性が機を織り、それを神棚に捧げて五穀豊穣を願う「棚機(たなばた)」と言う行事がありました。奈良時代に中国の乞巧奠(きこうでん)という機織りや裁縫、書道などの上達を祈る行事が伝わると、それらが合わさるようになりました。
やがて室町時代になると、織姫と彦星の物語も広く伝わるようになりました。そして江戸時代の旧暦の7月7日には、五色の短冊や吹き流しを飾り、星に願い事をする七夕の行事が庶民の間でも行われるようになりました。
名前も棚機にちなんで七夕(たなばた)と読むようになり今に至ります。こうして広く親しまれるようになった七夕の行事。飾りに使われている形にもそれぞれ意味があります。
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昔の七夕の行事では、五色の糸を飾っていましたが、江戸時代に「青・赤・黄・ 白・黒(紫)」の五色の短冊が使われるようになり、それらの短冊に願い事を書いて飾るようになりました。
スーパーなどで飾られている短冊には「〇〇が欲しい」や「宝くじが当たりますように」など、様々な願い事が書かれているのを見ます。しかしもともと七夕は機織りや、裁縫、書道などの上達を願う行事でした。なので、物が欲しいという願い事よりも、手習い事などの上達を願う方が良いと言われています。
七夕まつりなどでおなじみの、風船やくす玉に色とりどりの紙などを貼り付けた華やかな「吹き流し」。古来の七夕の行事で五色の糸を針に通し、お供えしていたものを、今では五色の紙に置き換えており、裁縫が上達するよう、願いが込められた飾りです。
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魚を捕る漁業の網(あみ)を表している細かな切れ目が美しい「網飾り(投網・天の川)」は、魚がたくさん捕れるようにと大漁を祈願しています。
昔から長寿の象徴とされていた鶴。七夕の飾りとしても折り紙で折った鶴は、長寿や家内安全を願う飾りです。
お祭りなどでは千羽鶴にして飾られることもあります。
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画像左から「投網」「くずかご」「巾着」「紙衣」。七夕飾りを作るときに出た紙くずを入れて飾ることもある「くずかご」は、清潔、倹約、そして整理整頓の心を育む意味があるので、おうち時間に家をすっきりさせたい方は、くずかごを飾ってみてはいかがでしょうか。
折り紙で作った人形や着物の形の飾りの「紙衣」。裁縫の上達を願うほか、人形に病気や災いなどの身代わりになってもらう意味もあります。
折り紙を巾着、または財布の形に折って飾り、金運の上昇や貯蓄などを願います。折り紙でなく、本物の財布を下げることもあります。
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一見難しそうに見える折り紙の飾りも、折り方や切り込みの仕方で意外と簡単に作れるものもあります。親子で簡単に作れるものから、大人向けのシンプルな飾りまで、ここからはおしゃれな七夕飾りの作り方をご紹介します。
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短冊を落ち着いた色合いのシックな和紙風の紙にするだけでも素敵。さらにくるっと巻いてアクセントをつければグッと大人の雰囲気になりインテリアのアクセントにもなります。
これまで短冊は、色紙をカットして穴をあけて紐を通していただけという方、短冊もおしゃれな飾りにしてみませんか?星や笹の葉など、可愛らしい短冊は気分もより盛り上がります。
折り紙をカットして裏紙が見えるよう少し折り、パンチで穴をあけるだけの、簡単なのに見栄えがするシンプルでクールな短冊。単色だと暗くなりがちな色でもこの作り方ならシックな大人の短冊に変身します。
折り紙一枚で織姫と彦星がついたキュートな短冊に。折り紙を細かく切り分けたりする手間がかかりますが、意外と折るのは簡単で、コツを掴めばあっという間に可愛らしい短冊に。2色使って織姫と彦星を違うカラーにすればより見栄えがしそう。
定規とカッターで絵柄を一部残してくり抜いて作るおしゃれな短冊。絵柄は星以外にもいろいろと工夫できるので、親子でくり抜く絵柄を考えるのも楽しそう。
可愛らしいくす玉つきの短冊。大人の七夕飾りならこれだけでシンプルで魅力的な飾りになりそう。くす玉は下に5色の紙テープをつければ吹き流しにも使えて便利。
七夕飾りが華やかになる、吹き流し。くす玉や五色の紙がなくても、折り紙を組み合わせるだけでOK!とくにくす玉の部分の作り方は簡単なのに、仕上がりがシンプルでキュートに。子供と一緒に色々な折り紙を組み合わせて楽しく作れます。
大人の七夕飾りとして活躍してくれるハイセンスなくす玉吹き流し。くす玉の部分は折り紙を花の形にカットして折ったものを組み合わせて作っているので、手間は多少かかりますが、作業は同じ工程を繰り返すので意外と簡単におしゃれなインテリアにもなる飾りを作ることができます。
同じく大人おしゃれに仕上がる星の吹き流し。星の部分が複雑そうですが、裏と表を工夫して作られています。裏が白の折り紙も上品に仕上がりますが、裏に違うカラーが印刷されている折り紙を使うとより、カラフルで華やかに仕上がり、色の組み合わせを考えるのも楽しそう。
まるで芸術作品のような吹き流し。折り紙2枚で作るので、色の組み合わせを工夫すればさらにアート感が高まります。風にくるくる揺れる様子も涼しげで素敵なので窓辺に吊るしても良いかも。
筒状ではなくクロスした形状がクールな吹き流し。シンプルな形状なので柄付きの紙を使うとより素敵になり、和洋それぞれのお部屋の雰囲気にあわせて紙を選ぶのも楽しみの一つに。
細かな切込みが、一見大変そうに見える網飾りですが、実は三角に折っていき、ハサミで切り込みを何か所か入れるだけで仕上がります。広げる瞬間が楽しいので親子で賑やかに作るのもおすすめです。
こちらは四角く折ってカットする天の川。さらに折り紙で星を作ればおうちの中に、キュートな天の川が。小さい星をたくさんつけたり、上記で紹介した星の吹き流しを吊るしても素敵です。大きく丈夫な紙で作れば笹の代わりに、天井飾りとしても、おしゃれに使えます。
折り紙一枚で作る丸くて可愛い網飾り。折り紙の大きさにあわせた丸い器で円を描き、あとは折りたたんで切り込みを入れ、一部をのり付けして広げれば可愛らしい丸い網飾りの完成です。中に入れるものを工夫すればよりオリジナル感を演出できます。
こちらも網飾りと同じく、三角形に折っていき、ハサミで切り込みを入れて広げたら、中に工作で出た紙の切れ端などの紙くずを入れて四隅をのりで止めるだけ。飾り作りの最後に作れば、テーブルの上もすっきりします。
こちらも折り紙を半分に折ってハサミで切り込みを入れて作ります。網飾りに比べて簡単に作れるので切り込み初心者さんや子供と一緒に作る場合はまずはちょうちんで切り込みの練習をするのも良いかも。
ちょうちん作りに慣れたら、折り紙2枚を使って大人のハイセンスなちょうちんを作ってみてはいかがでしょうか。火袋部分と中の紙の組み合わせを工夫すればお部屋の雰囲気に似合うスタイリッシュなちょうちんを作ることができます。
折り紙3枚+トイレットペーパーの芯で作るしっかりと立つちょうちん。持ち手もついているので、ガーランド風に吊るしてもキュート。七夕飾りを作る頃にトイレットペーパーの芯を捨てないようにキープしておくと良いかも。
ちょうちんの応用編として貝殻を作ってみてはいかがでしょうか。折ってハサミで切り込みを入れるまで作り方は同じで、最後にのりで止める部分を変えるだけで、おしゃれな貝かざりの完成です。
折って切り込みを入れたあと、中心になる部分をとめて作るスタイリッシュな貝飾り。つなげて貝つづりにすれば、お部屋全体がさわやかな雰囲気に包まれそう。クールな夏のオブジェとしても活躍してくれます。
七夕の飾りにあると可愛い紙衣。違う柄の折り紙を使って半襟が少し見えるように作るので仕上がりも魅力的。帯や半襟の組み合わせを考えるのも楽しみの一つです。
とってもキュートな浴衣風折り紙。浴衣でお出かけする機会が減ってしまったこの頃。おうちで柄付きの紙で組み合わせを工夫して親子で楽しく工作すれば夏の良い思い出づくりにもなります。
折り紙で作った巾着に、紙テープで周囲のタックを作って合わせる可愛らしい巾着。曲線部分の両面テープの貼り方などキレイに作るコツも紹介されているので参考にしながら作ると初めてでも可愛い巾着飾りを仕上げることができます。
シンプルながら可愛らしい星飾り。2色使っているように見えますが裏と表を利用し、うまく工夫されています。裏表違うカラーの折り紙で作ればよりカラフルな飾りになりそう。
カラフルな星が魅力的な星かざり。難しそうに見えますが降り方も簡単で、しっかりと折り目を付ければキレイな星の形を手軽に作れます。様々な色で作って糸でつなげて吊るしたり、ガーランド風に飾るのも素敵。
立体で可愛らしい流れ星の飾り。折り紙一枚で可愛く作ることができるので、覚えておくとクリスマスの飾り付けにも応用できて便利です。
一つのリースを作るのに単色4枚、柄4枚必要ですが、4分の1にカットして作るのでそれほど多くの紙を使わずに作れます。折って組み合わせる手順を覚えればあとは同じ作業の繰り返しなので、家族で楽しく作業するのも良いかも。
笹が手に入らない場合、笹の折り紙を飾るだけでも気分が盛り上がります。途中までは鶴の折り方と一緒なので鶴と一緒に作って飾るのもおしゃれで和の空間の演出にも使えそう。
赤と緑の組み合わせがおいしそうなスイカの飾り。タネの部分はマジックを使って描くので、ハサミをうまく使えない子供でも楽しく仕上げることができます。
赤と緑の両面折り紙を使って作る三角にカットされたキュートなスイカ。こちらもタネはマジックで描きます。両面印刷の折り紙がない場合でも、赤い折り紙を使って作り、緑のペンで色を塗れば同じように仕上がるので、色塗りとタネ塗りはお子様の担当で一緒に作るのはいかがでしょうか。
七夕と言えば織姫と彦星。単色のカラー折り紙で作るのもシンプルで素敵ですが、柄付きの折り紙で作ればより着物らしさが出て魅力的に。
とっても簡単でシンプルながら、紙の柄を工夫するだけで見栄えのする織姫と彦星の折り紙。顔を描かずに大人の飾り付けとしてオブジェ風に吊るしても素敵です。
紙コップに折り紙を貼りペンで顔や模様を描いて作る、簡単で見た目も可愛い織姫と彦星の手作り人形。髪の毛の部分は黒のモールを使って作るので立体的で吊るして飾ってもそのまま棚に置いても絵になります。
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いつもはショッピングモールやプラネタリウムなどで短冊に願いを書いているという方、今年はおうちで七夕飾りを手作りしてみてはいかがでしょうか。心を込めて作った七夕飾りに願いを書いた短冊を吊るせばより願いが叶いやすくなるかも。
緑:吹き流し、黄色:網飾り、青:貝飾り、オレンジ:ちょうちん、ピンク:輪つづり