
まずは自分の心の中を「ネガティブリスト」でチェック

心の中でモヤモヤとした思いを抱え込んでいませんか。言葉にならない漠然とした状態では、何が問題なのか、自分がそれに対してどう思っているのかが分かりません。まずは心の声を「ネガティブリスト」として書き出して、整理しましょう。感情を「見える化」することで、解決策やとるべき行動、方向性が見えてきます。
ステップ①心の声を書き出す

心の中でモヤモヤとしていることを、言葉で表現して「見える化」します。あなたが抱え込んでいるのは、どんな感情でしょうか。イライラ、怒り、気がかり、焦り、不安、後悔、自己嫌悪などいろいろあるでしょう。
ささいなことでもかまいません。心の声をすべて書き出してしまいましょう。箇条書きにすると整理しやすくなります。
ステップ②取捨選択する

ステップ①で書き出したリストを、取捨選択します。今すぐに対処しなければならないことと、そうでないこととに分けることで、どこから解決していけばいいかが分かるようになります。「何もしない」「断る」など、あえて今は対処しない選択も、ときには必要です。
ステップ③期限とやるべきことを決める

ステップ②の作業で、今すぐに対処したいことが分かりましたね。次は、それぞれの対処法について考えます。いつまでに何をしますか? 誰に何を伝えたいですか? どこで何をすればいいでしょうか。ここまで書き出してしまえば、心の中はずいぶんとスッキリとしているはずです。
イライラがどうしても鎮まらないときは「置き換え思考法」

イライラや怒りをはじめ、劣等感や嫉妬など、ネガティブな感情がどうしても鎮まらないこともありますよね。そんなときは、相手に対する凝り固まったビリーフ(考え)を解きほぐす「置き換え思考法」を試してみて。
感情を左右するのは、事実や出来事そのものよりも、自らの解釈の仕方や捉え方しだいなのです。「書く」ことで客観視できるようになり、ネガティブな感情から抜け出すことができます。
ステップ①あなたのビリーフは何?

相手に対して感じていること、凝り固まった考えは何でしょうか。「○○さんはわたしに~してくれない」「わたしは○○さんの~が許せない」など、いろいろな思いがあるでしょう。あなたを苦しめているビリーフを書き出してみてください。
ステップ②4つの質問

では、そのビリーフについて質問です。
1.そのビリーフは本当でしょうか?
2.そのビリーフが真実であると絶対に言い切れるでしょうか。
3.そのビリーフがあるとき、あなたはどのような反応をしますか。
4.そのビリーフがなければ、あなたはどうなると思いますか?
この4つの質問に応えることで、ビリーフをさまざまな視点から見ることができます。
ステップ③ビリーフの置き換え

次に、ビリーフの置き換えをします。
1.反対に置き換えてみる。「~してくれない」なら、「~してくれる」というように、否定なら肯定に、肯定なら否定に置き換えます。
2.主語を入れ替えてみる。「○○さんはわたしに」を「わたしは○○さんに」と置き換えます。
3.相手を自分に置き換えてみる。「○○さんはわたしに」を「わたしはわたしに」、つまり「わたしは自分自身に」となります。
この置き換えの作業で、これまでとは違った見方や捉え方ができるようになります。
ステップ④その理由は何?

ステップ③で置き換えたビリーフを見て、もっともらしい、あなたが納得できる理由を考えてみてください。
「~してくれない」ことが「絶対」だと思っていたビリーフが、「~してくれる」こともあると気付けるようになります。また、「わたしは自分自身に」のビリーフでは、自分自身の中の矛盾や納得できないことに、深く向き合うきっかけになるかもしれません。
ここまで来れば、当初のネガティブな感情は落ち着いているはずです。
ひとこと言いたいその前に「アサーティブな伝え方」

カッとなってつい言いすぎてしまう、あるいは相手に委縮して何も言えない……。そんな状況は、良好な人間関係が築けているとは言えませんよね。ではどうすれば自分の気持ちをうまく伝えられるのでしょうか。
その解決方法は「アサーティブな伝え方」を準備しておくことです。アサーティブとは、お互いを尊重しながら自分の意見や気持ちを伝えること。面倒かもしれませんが、慣れるまでは書いてシミュレーションするのが賢明です。
ステップ①出来事や状況を分解・分析する

イライラや怒りが募ってひとこと言いたくなっても、行き当たりばったりの発言は慎むことです。まずは出来事や状況を分解して、冷静に分析しましょう。「事実」「気持ち」「相手にどうしてほしいか」「お互いのメリット」の4つに分けて書き出してみます。
この作業で自分自身の理解が深まり、相手にも分かりやすく伝えることができます。
ステップ②相手が受け取りやすい言葉で表現する

ステップ①で書き出した4つの項目を、相手が受け取りやすい言葉で表現します。実際に相手に伝える場面を想像し、自然な言い回しができるといいですね。実際に声に出してみて、トーンや表情がその場にふさわしいかシミュレーションします。
ステップ③クッション言葉を加える

伝えたいことをストレートに伝えるよりも、クッション言葉を合間にはさむと、やわらかな印象に変わります。「心苦しいのですが」「できれば~していただけるとありがたいです」など、相手に配慮した言葉を付け加えましょう。そうすることで、あなたの伝えたいことも受け入れられやすくなります。
イライラや怒りはさらりと手放そう

厄介なイライラや怒りは、誰も傷つけない方法でさらりと手放しましょう。相手を尊重しつつ、自分も大切にできる方法を身につければ、良好な人間関係を築いていくことができます。
まずは自分の気持ちに気付くことです。ノートや手帳を活用して、凝り固まった心を解きほぐしてくださいね。
仕事やプライベートで、人間関係は避けて通れないもの。ちょっとしたことで傷ついたり、不満を抱いたりするのは、何も特別なことではありません。大切なのは、良好な人間関係を維持しつつ、ネガティブな感情を上手に整理することです。
これからご紹介する、イライラや怒りを手放す方法は、「書く」ことがポイントになります。ぜひお手元にノートや手帳をご準備くださいね。