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こんな暮らしも、できるんだ。都会ではじめる「スローライフ」のすすめ

こんな暮らしも、できるんだ。都会ではじめる「スローライフ」のすすめ

ここ数年よく謳われている、「スローライフ」という暮らしかたに憧れている方も多いのではないでしょうか。実は、都会でも農業を体験したり、獲れたばかりの新鮮な野菜を手にしたりできる、スローライフと同じような喜びを感じられる仕組みがあります。そんな、わたしたちの暮らしを豊かにしてくれる『都市農業』についてご紹介します。2018年10月22日作成

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ライフスタイル
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都会では「スローライフ」を楽しめない?

こんな暮らしも、できるんだ。都会ではじめる「スローライフ」のすすめ
スピードや効率重視の現代社会に暮らしているうちに、「本当の幸せとはなにか」――ふと疑問に思い、気付いたこと。その答えが、今、注目されている『スローライフ』と呼ばれる暮らしかたにあるのではないでしょうか。

この言葉を耳にすると、多くの方が自然豊かな田舎の風景をイメージすると思います。しかし、ビルや住宅が立ち並ぶ都会でも、手軽に「スローライフ」を味わえることを知っていますか?

心の“鮮度”を上げられる場所が、意外と近くにあった!

こんな暮らしも、できるんだ。都会ではじめる「スローライフ」のすすめ
自らの手で育てた食物をいただく。そんな“農のある暮らし”はまさにスローライフと呼べるもの。ふだん、あまり気がつかないかも知れませんが、実は都市部と呼ばれるエリアにも農地がたくさんあるのだとか。

そして、そこで行われる『都市農業』では、収穫祭や農業体験など一般人でも参加できるイベントを通して、わたしたちの暮らしにスローライフの喜びを感じさせてくれるようです。

今回、あるファミリーに協力してもらい、“都会で楽しむスローライフ”を実際に体験してもらいました。

「土に触れるって、こんなにも心地良いんだ」

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9月下旬、東京23区内にある農地を訪れたのは、フォトグラファーの松木宏祐さんご一家。松木さんは、キナリノでもファッション記事やインタビュー取材などの撮影を手がけてくれています。

この日は、一般の方でも参加することができる体験イベントが開かれ、『江戸東京野菜』の種まき体験が行われました。都心に暮らし、忙しい日々を送る松木さんにとって初めての農業体験。慣れない農具を手に、思うようにコントロールできず苦戦しながら土を耕し整える作業は、意外にも「心地良い」と感じたそう。自然と対話しながら、ひとつの作業を無心になって行うことが、リフレッシュに繋がっているのかも知れません。

素朴だけど、貴重な体験に

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都会で生まれた子どもたちにとって、土を掘ったり平らにならしたり、そして種をまいたりすることは滅多に体験できることではありません。もうすぐ2歳を迎える松木さんのお子さんも、もちろん初めてのこと。いつもの公園の砂遊びとは違う楽しさがあったのか、好奇心たっぷりに一つひとつの作業をお手伝いしていました。
各地で行われている農業体験は小さなお子様も一緒に参加できるので、家族の思い出作りにもなりそうです。
こんな暮らしも、できるんだ。都会ではじめる「スローライフ」のすすめ
子どもだけでなく、大人たちにとっても「農」に触れる体験は貴重。野菜づくりを始めるには、まず畝(うね)と呼ばれる土を盛り上げた土台づくりから――農作業はふだんの暮らしでは知り得ないようなことだらけです。なかには「なるほど……」と、その知恵に感心することも。
そして、水をたっぷり入れたジョウロの重さや、種を一粒ずつまくことの難しさなどに気付き、自分たちの暮らしが、いかに自然と遠ざかっているのかを実感することもあるはず。

楽しみながら「食育」にもなる

たくさんなっている実から、よく育っているものを選んで収穫。嬉しいお土産つきの体験イベントでした。

たくさんなっている実から、よく育っているものを選んで収穫。嬉しいお土産つきの体験イベントでした。

種まき作業のあとには、同じ農地に育っている「秋なす」の収穫体験も行われました。スーパーで見かける野菜のルーツを目の当たりにすることで、食物に対する“ありがたみ”の意識が変わる――子どもたちのリアルな『食育』に繋がる機会が、すぐ身近な都市農地にあります。

農作業を通して生まれる「地域との交流」

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都会では、隣近所や地域の住民との関わりが希薄で、煩わしさはないものの、どこか寂しさもあるのでは。ところが、ともに農業体験をしていると、見ず知らずのひととも自然にコミュニケーションが生まれます。同じ地域に住む参加者が多く、少人数でアットホームな雰囲気だからでしょうか。複数回行われる体験イベントであれば、「また収穫のときに……」なんて挨拶も交わしたり。程よい距離感の、家族ぐるみのお付き合いも生まれるかもしれませんね。

農業体験だけじゃない「スローライフ」の味わいかた

都市農業を通して、わたしたちがスローライフの喜びを感じられるのは農業体験だけではありません。もっと、ふだんの暮らしに近いところでも味わうことができます。

新鮮でお買い得な「直売所」

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農業体験の帰り道、松木さん一家が立ち寄ったのは世田谷・二子玉川にある『ファーマーズマーケット二子玉川』。ここでは、世田谷区内の農地で獲れた野菜や果物が販売されています。驚くのは、その新鮮さ。輸送に時間が掛からないからこそ叶うことです。
そして、もうひとつ嬉しいことは“作り手の顔が見える”ような親しみやすさ。値段の書かれたPOPには、どこの農家が作ったものか明記されていて、馴染みのある地名に安心感をおぼえます。都市農業は地域の人々の食生活を支える役割も、しっかりあるんですね。

自分たちの住む、すぐ近くで育てられた作物だと思うと愛着が湧いて手に取りたくなる――その想いが、都会で頑張る農家さんたちを応援することにも繋がる。「直売所」は、都市農業とわたしたちの、そんな良い関係性を築いてくれる場所ではないでしょうか。
ファーマーズマーケット二子玉川 >>
インスタグラムに投稿された、直売所で買ったさまざまな野菜を使って作られた、松木家の夕食。農業体験で収穫した秋なすも並んでいます。丁寧に調理された和食の献立がとても美味しそう。都会育ちの野菜は、どんな味わいなのでしょうか。
出典:www.instagram.com(@matsukikousuke)

インスタグラムに投稿された、直売所で買ったさまざまな野菜を使って作られた、松木家の夕食。農業体験で収穫した秋なすも並んでいます。丁寧に調理された和食の献立がとても美味しそう。都会育ちの野菜は、どんな味わいなのでしょうか。

野菜づくりを体験して、直売所で獲れたばかりの野菜を買う。そんな暮らしは食生活にも良い影響を与えてくれそうです。スーパーに行けば手軽に手に入る食材とは、きっとひと味違って感じられるはず。

知って良かった。「都市の農地」の魅力は他にも

スローライフの喜びを感じられるだけでなく、都市にある農地は他にも、わたしたちの暮らしに役立っています。たとえば、防災時の避難場所として提供されたり、町並みを自然で潤してくれたり。「都市農業」は、いろんな視点から物事を見ることの大切さを改めて教えてくれます。
都市農業の6つの役割とは >>

自分に合ったスタイルで、豊かな暮らしを送ろう

こんな暮らしも、できるんだ。都会ではじめる「スローライフ」のすすめ
今、都市にある農地は、もともと「開発されるべき土地」とされていたところ。それが、都市に住む人々の志向の変化に伴い、その価値が見直され、「あるべきもの」と位置づけが変わったそうです。わたしたちは、そのことに感謝すると同時に、守らなくてはいけない立場かも知れません。

都会の暮らしを捨てる必要なんてない。すぐ身近な場所で、手軽に楽しめる「スローライフ」からはじめてみませんか?
考えてみよう。都市農業の多面的機能。
ビルや住宅に囲まれて、まちなかに残された畑や水田、果樹園などの農地― どんな働きがあるのか考えたことはありますか。実は、都市農業は、農産物の生産以外にも、私たちの暮らしを豊かにしてくれるたくさんの機能をもっているのです。