知っていますか? あなたの心に効く"色のチカラ"
あなたはどの椅子に座りますか?

ちょっと緊張しているあなたは、自分の心が落ち着くような色の椅子を、選ぶのではないでしょうか。
「心に働きかける色」を重視して、色選びをしてみませんか
しかし上でご紹介したように、無意識のうちに「色のチカラを自分に引き寄せる」ような、色選びをしていることもあるんですね。
今回は心に働きかける"色のチカラ"を、自分の味方につける為の特別講座。
今回は、カラーコンサルタントとして活躍中の信海茉美先生にお話を伺いながら、「色彩心理」とその活用方法についてご紹介していきます*
この記事の監修者

はじめに:「色彩心理」を理解するために、知っておきたいこと
色彩心理とは
その視覚情報に必ずと言っていいほど付随している「色」を目にすることで、心拍数が上下したり、ホルモンが分泌されたり…さらには、気分が明るくなったりリラックスしたり…という作用にもつながるのだとか。これを研究しているものが、「色彩心理」です。
基本的に「色の三属性」を理解できれば、色をつかいこなせる
色の三属性である「色相」「明度」「彩度」についてご紹介しましょう。
①色相(しきそう)
②明度(めいど)

画像/左側の黒に近い色ほど明度が低い(暗い)。右側の白に近い色ほど明度が高い(明るい)
③彩度(さいど)

画像/左側が高彩度。右側にいくほど彩度が低い。
色彩心理は、パーソナルカラーとどう違う?
特にその色が自分をより魅力的に見せてくれるかどうかの“顔映り”(客観)が重視されます。

例えば心惹かれる色の心理効果を知ることで、今の自分の心の状態を把握できたり。また、処方箋のように、色を用いて自分自身の気持ち・行動をコントロールする術を身につけることができたり。“自分の内なる声 ”(主観)に重きを置いた色の選び方ができるようになります。
色彩心理に学ぶ、《色のチカラ》を暮らしに取り入れる方法
・基礎編|色が与える心理効果を知ろう
実際のところ、色の印象は明度や彩度の度合い、自分の過去の経験等によっても変化するものなので、代表例として参考にしていただけたら幸いです。
赤:エネルギッシュ、積極性

「熱さ」、「強さ」、「情熱」、「明るさ」、「興奮」など、強いエネルギーを感じさせる色。
また、目にするとアドレナリンが分泌されやすく、また血圧も上昇しやすくなるといった研究報告も。体が動きやすく、フットワークが軽くなる色とも言えます。
ちなみに、血流がよくなることも期待できるので、冷え性の方や、目覚めが悪いという悩みにも効果的です。』
ピンク:愛情、優しさ

「母性本能」を刺激し、愛情の受け渡しをスムーズにする色。恋愛中や幸せな時、逆に愛情を欲しているときに、ピンクに惹かれがちになる場合もあるそうです。リラックス効果もあり、体を弛緩させるカラーです。
黄:明るさ、論理的

脳が活性化され、理解力・記憶力・判断力・想像力が高まる色。「注意」「立入禁止」などの看板も、この作用を利用して黄色が用いられています。
頭の回転が速くなり、さらには心の不安も軽減してくれる効果も期待できるそう。多少人と話すことへの苦手意識がある場合は、黄色のものを見詰めれば、スムーズに会話ができるかもしれません*
オレンジ:ポジティブ、仲間との調和

赤と黄色を混ぜた「オレンジ」は、色彩心理の面でも、それぞれの色相の特徴を持ち合わせた色になります。明るく積極的、さらには社交性にも紐づく色なので、家族や仲間との会話を盛り上げたいときに取り入れてもよさそうです。
ブラウン:落ち着き、安定

ブラウン(茶色)は、ぬくもりと落ち着きを持ち合わせ、心身を安定させてくれると言われています。落ち着いた行動をとりたいときにおすすめです。伝統を大切にする気持ちや、保守性にも紐づいている色です。
緑:バランス

心身のコンディションをニュートラルに戻し、穏やかにしてくれる色。心と体、人とのバランス感覚も、整えやすくなると言われています。
青:鎮静、集中

心身の興奮を鎮めてくれる青。感情的にならず、冷静に物事を判断できるようにしてくれる色。また、集中力が長時間継続しやすくなり、時間を短く感じさせれくれる効果もあります。単純作業、頭を使う作業どちらにもオススメです。
紫:高貴、精神的な疲れを癒す

紫は青と赤の要素をもつ色のため、テンションを程よく高めつつ、精神的な疲れを取ってくれる作用が期待できます。リラックス効果も高く、内側から体を元気にしたいときに活用したいカラーです。
白:緊張感、素直

清潔、純粋なイメージの白は、ネガティブな感情を消してくれるので、心を素直にする効果が期待できます。シャキッと、緊張感をキープしやすいカラーです。
黒:シェルター、自信
・実践編|いつもの暮らしで色を味方に。効果的な取り入れ方
お花に

「季節感」や「見栄え」を重視して買うことが多いお花ですが、実は色彩心理的にはとてもオススメできるアイテム。自分が心惹かれる色や、「こうありたい」という気持ちで選んだお花は、その時の心理状態に最もフィットしているのです。
買ったお花が朽ちて役目を終えるころ、あなたの心もひと段落ついていることでしょう。そしてまた、色の効果をしったうえで一輪をお花買う、というのを日常にすれば、常に“今この時”の気持ちをサポートしてくれるカラーを身近に置くことができますよ。』
下着に
ネイルに
小物に

手帳やスマホケース、文房具、ハンカチなど…人からの評価を気にせず、自分の趣味で選びやすいバッグの中身やデスク周りの小物は、色彩心理を取り入れやすいアイテム群。
ついつい「無難」「飽きの来ない」色を念頭に選びがちですが、その概念を取っ払って、改めて自分の心に素直に選んでみてはいかがでしょう?
他にこんな方法も…!

<先生にもっと訊いてみたい!>Q&A
Q1:「好きな色」と「こうありたい色」、どちらを優先すべき?
Q2:普段あまり馴染みがない色を取り入れたい場合、いい方法は?

色みが似ていると効果も似ているので、自分が「これなら落ち着く」と思える度合いの色を選べばOKです。
たとえば、「ビビッドカラー」だと落ち着かないなら「くすみカラー」を選ぶなど、少しトーンを変えれば、選択肢を広げやすいのではないでしょうか。
Q3:似合うとされたパーソナルカラーがやっぱり安心。その中でもベーシックな色をついつい選びがちに…

「似合う色」と「色彩心理」との使い分けは、「人から見た外見が大事な場面」かどうかが大きなポイント。
洋服選びは他人の目を意識してしまうのものですが、「部屋着」や「気心知れた友人と会うときの服」など、気張って外見力に頼らなくてもいい場面では、色彩心理を重視してみるといいですよ。
Q4.色彩心理を、空間づくりに活かすには?

色相は広面積のものほど影響がより強く出やすいですが、そこに差し色を加えて、その色相の効果を追加することもできます。
例えば、ワークスぺースには、緊張感をキープする「白」+集中力を高める「青」を基調に。ポイントに「黄」をプラスすることで脳を活性化してもいいですね。このように、複数の色相や量を工夫して組み合わせると相乗効果が期待できます。
住まいがブラウンを基調としていると心は落ち着きますが、なんとなく家族の会話が少なく感じているなら、お花やクッションカバーなどで、みんなでワイワイ盛り上がれるオレンジや、会話上手になれる黄色をプラスしてみるという方法も。
特にインテリアの場合は天井や壁、床、また大型家具などのカラーを簡単に変えるのは難しいですが、色彩心理の観点で自分がほしい要素を差し色として、ファブリックや絵、ラグなど比較的手軽なアイテムのレベルを使って取り入れるのはとても有効な方法ですよ!
最後に

なんとなく感覚で選ぶのもいいですが、その効果や個性を知ると、見える世界やモノの選び方がガラリと変わるはず。
まずは今回ご紹介した内容が、あなたの心や暮らしをもっとイキイキと彩るヒントになると嬉しいです。
今回監修いただいた信海先生のサロンでは、オンライン講座等も開講中。最新情報はブログやInstagramにて…。
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