「幸福な人」ってどんな人?幸福度の研究から見る"ハッピーな人が大切にしていること"

「幸福な人」ってどんな人?幸福度の研究から見る"ハッピーな人が大切にしていること"

「幸せそうな人」というと、どんな人物像が思い浮かびますか?何らかの「幸福の条件」をすべて叶えた人でしょうか?それとも……? 世界中の社会学・心理学・哲学などのさまざまな分野で行われている「幸福度の研究」を踏まえて、どのような条件が幸福度に影響し、特にどんなことを大切にすれば「ハッピーでいること」につながるのかについてまとめてみました。2019年11月13日作成

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ハッピーな人って、どんな人?

Photo by Miguel Constantin Montes on Unsplash
出典:unsplash.com

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「幸せな人」って、どんな人だと思いますか?

“幸せの価値は人それぞれ”というものの、何か「幸福の条件」というようなものがあって、それを満たせば幸せになれるのでしょうか?それとも……。

何を頑張ればハッピーに近づけるのか、世界中で行われている「幸福度」に関する研究から、わかったことをまとめてみました。

「幸福の条件」が整えばハッピーになる?

たとえば「所得」

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誰だってお金の心配はしたくないですよね。
「もっとお金があったら、もっと幸せな生活が送れるのにな……」とため息をつくこともあるかもしれません。

「生活に不安がある」状態では、お金があれば「不安から解放される」ので、所得が増えれば増えるほど幸福度が上がると言われています。
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出典:unsplash.com

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ただ、生活に不安を感じない状態になってからは、所得の上昇と幸福度は比例して上がらなくなります。

所得は幸福度と関わりがあるものの、所得で得られる幸福度はどこかで頭打ちになることがわかります。
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出典:unsplash.com

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「もういっそのこと、宝くじにでも当たらないかなー」なんて思ったことはありませんか?

しかし、1978年の米国の研究によると、宝くじに当たった人の「当たった6か月後」の幸福度は、なんと、「当たる前」よりも少し下がっていたのだそう……。

ハッピーになるためには、宝くじを買うよりも、別のことをした方がいいようです。

先進国の悩み「幸福のパラドックス」

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出典:unsplash.com

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「幸福のパラドックス」ってなに?

一人当たりのGDPが上がっても個人の幸福度が上がらないことを「幸福のパラドックス」といいます。

1970年代に発展を遂げた先進国で見られる現象で、日本も同じく「幸福のパラドックス」を抱えています。
豊かでよりよい生活を送れるようになっているのに、それでも幸福度が上がらないとしたら、何が原因なのでしょうか。

「ハッピーでいること」には、どんなことが関係しているのでしょうか?

ハッピーに影響をもたらす3つのこと

1.遺伝

2012年『Journal of Neuroscience』誌は、「5-HTTLPR遺伝子(セロトニントランスポーター遺伝子)」という遺伝子が「生活満足度」に深くかかわっていると発表しました。

また、ミネソタツインレジストリにおける2000以上の双子を対象にした研究から、「人生の満足度」の50%は「遺伝」に起因していることがわかっています。
Photo by Glen Carrie on Unsplash
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何はなくとも毎日ハッピーな気分でいられる人は、きっと遺伝子でラッキーな当たりくじを引き当てた人のようです。

「常に思い悩みがちだ」という人も、50%は遺伝のせいだと思えば、そんな自分を責めることもなくなります。それに、不安や心配によって用意周到に準備してから行動することで、生存競争を生き抜いてきた遺伝子の持ち主でもあるはずです。

2.大きなライフイベント

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「進学」「就職」「結婚」などのライフイベントは、幸せになるためのわかりやすい目標として掲げられることも多く、日本の内閣府による幸福度の研究でも「学歴」「雇用」などが指標案の中に入っています。

人の幸せに大きく関わってくるライフイベント。しかし同時に、ライフイベントで上がった幸福度は永続しない、ということも言われています。
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1つのゴールに達すると、目標はまた次のゴールへ移っていきます。

「あの学校に入れたら」「あの人と結婚しさえすれば」「あの家が買えさえすれば」……と、きりがありません。

夢を叶えるために頑張ることはすばらしいことです。ただ、ライフイベントの達成は「目標」であっても「目的」ではないので、あまりにこだわったり、とらわれ過ぎたりはしない方がいいようです。

3.自分で選択して決定すること

Photo by Ria Alfana on Unsplash
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神戸大学による2万人を対象とした研究によれば、「健康」や「人間関係」についで幸福度にとって重要なのは「自己決定」なのだそう。

「進学先」「初めての就職先」といった「進路の選択」を自分で行うことにより、自尊心や誇り・責任感を持ちやすくなり、幸福度が高くなると考えられています。
Photo by Jon Tyson on Unsplash
出典:unsplash.com

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「どの道を選んでも貴方を支えるよ」と言ってくれる家族の存在も、幸福度に寄与しているのかもしれませんね。

ただ、色々な事情で進路の選択を許されない場合もありますし、「進路を決定する」機会そのものも、しょっちゅうあるわけではありません。

日々の生活の中でハッピーに過ごすためには、どうすればいいのでしょうか?
ハーバードケネディスクールの教員でもある社会科学者アーサー・C・ブルックスは、4つの「幸福のポートフォリオ」を提唱しています。

遺伝はどうしようもないし、ライフイベントは自分だけでは起こせませんが、このポートフォリオは「自分でコントロールできること」の中で、「日々これに注力すればハッピーに近づける」というものに絞られています。ではさっそく見ていきましょう。

具体的には何に注力すればいい?4つの「幸福のポートフォリオ」

1.周りの人と信頼関係を築く

Photo by Amy Hirschi on Unsplash
出典:unsplash.com

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周りの人との人間関係がうまくいっている時は、特に「すごくラッキー」なことが起きていなくとも、日々安定した幸福感がありますよね。

「遅刻をしない」「約束を守る」「ついきつい態度や言葉を使ってしまったら、ちゃんとフォローする」「相手の気持ちを想像してから話す」など、周囲との信頼関係を築くことに心を配ってみて。

2.家族との関係を大切にする

Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash
出典:unsplash.com

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一番身近な相談相手であり、頼れる仲間ともなるのが「家族」。ふだんから家族と仲が良い人は、親しみ深く温かな雰囲気を自然とまとっていると思いませんか?幸せそうなだけではなく、素敵ですよね。

身近な家族ほど、ついぞんざいに扱ってしまいがちですが、「軽い気持ちで傷つけない」「家族が困っていそうな時は気遣い、助ける」など、小さな配慮を日々大切にしたいところです。
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ただし、もし今の家族が貴方の自尊心や身体を常に傷つけるなどして、貴方の選択を尊重しないなら、この限りではありません。

関係を大切にするよりも、適度な距離を置いたほうがいいケースもあります。

3.コミュニティに参加する

Photo by You X Ventures on Unsplash
出典:unsplash.com

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「コミュニティに参加する」ことでも幸福度が上がるそう。

地域のボランティアや趣味のサークル、同じ悩みを抱えた人のグループなど、「地域でのつながりを感じられる、または支え合えるコミュニティが複数ある」ということが、人を幸福にするのかもしれません。

4.仕事をする

Photo by Alesia Kazantceva on Unsplash
出典:unsplash.com

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仕事を通じて「他の人や自分にとって価値のある何かを創り出している」と感じることも、幸福感につながります。

「自分が何かの役に立っている」という感覚……つまり「自己有用感」が高まるので、結果的に幸福度が上がるのかもしれません。

こういった信念をもっている人は「学歴」や「収入の多寡」とは無関係に、幸福度が高くなるそう。
Photo by Sarah Dorweiler on Unsplash
出典:unsplash.com

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また、日本の内閣府の幸福度に関する調査では、この「自己有用感」の高さを調べてみたところ、「仕事を持っている人」の「自己有用感」は特に高いことがわかりました。

今仕事をしていなくて「ハッピーでない」と思っているなら、仕事をしてみるのもいいかもしれません。お金を稼ぐことで手に入る心の自由もあります。

ただし、病気などで「仕事をしたくてもできない」状況にある人は、「休んでいるのが仕事」です。

もう1つある!「幸福度を上げる方法」って?

「今ここ」に集中すること

Photo by Lesly Juarez on Unsplash
出典:unsplash.com

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幸福度の研究でわかったことのの中には、「目の前のことに集中している時、人の幸福度は大幅に高くなるが、気が散ると低くなる」というものがあります。

これはハーバード大学の心理学者マット・キリングワースが開発したアプリを通じ、80か国の1万5千人から集めたデータからわかったことなのだそう。
Photo by Motoki Tonn on Unsplash
出典:unsplash.com

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目の前の事から現実逃避して遊んでいても、後ろめたくて楽しめない……。身に覚えがある人も多いのでは?しかしこのような罪悪感がない状態でも、気が散ると幸福度は下がってしまうそうなのです。

「時間制限を設けて目の前のことに集中する」「日常生活に1日5分の瞑想を取り入れる」など、「今ここ」に集中する習慣をつけることで、日々の幸福度を上げることができるかもしれません。

目の前の小さなことからハッピーライフは始まる♪

周囲の人との信頼関係を築き、家族との関係を大切にし、地域に根づいたコミュニティに参加し、仕事にやりがいを感じている……そんな「ハッピーな人」の人物像が浮かんできました。

目の前の1人の人を大切にすることから「ハッピーでいること」は始まるのかもしれません。

手の届くところから少しずつ、さっそく今日から、始めてみませんか?
※この記事はこちらを参照して書かせていただきました。
満足度・生活の質を表す指標群(ダッシュボード) - 内閣府
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幸福度研究について Q1.幸福度研究とは何か? Q2.幸福を測ってどうするのか? Q3.過去の指標化の作業とはどこが違うのか? Q4.研究をどう進めていくのか? Q1.幸福度研究とは何か? (主観的幸福(...)
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「新成長戦略」(平成22年6月18日閣議決定)に盛り込まれた新しい成長及び幸福度に関する調査研究を推進するため、有識者からなる「幸福度に関する研究会」を開催する。

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