お中元、お歳暮など贈答品を直接お持ちする機会も減ってしまいましたが、大切なものを大切な方にお届けする際には必ず風呂敷を使ったものです。
丁寧に包み、きれいに結ぶその手間に相手の方の喜ぶ顔を思い浮かべながら…。

あらたまった贈り物の際には、結び目を作らない「平包み」にします。
包むものを対角線方向に置き、柄の見え方を考えて包みます。

一般的な贈り物には、結び目を作る「お使い包み」をします。
リバーシブルの風呂敷を使うと裏の色も見えて、華やかですね。

基本的にはお渡しする前にほどいて品物だけをお渡しするものですが、最近ではラッピングとして風呂敷を使うケースも増えています。このような場合は、包んだままお渡ししてもOK。

包むものによって自由自在に包める風呂敷、エコでもありおしゃれでもあり。
包み方をマスターして、デキる大人の女性を目指しましょう。

近年風呂敷の良さが見直され、専門店も増えています。
バッグをあれこれ選ぶのも良いですが、上等な風呂敷を一枚持っていると幅広く使えて便利。大人としての格も上がるというものです。
使い慣れたら好みの色や柄を選んでみてください。派手かな？というような色も大胆な柄も、風呂敷ならコーディネートに取り入れやすいですよ。

慶事と弔事の水引の色の違いはご存知でしょう。

慶事では紅白、金銀の水引を、弔事には黒白、双銀の水引を使います。
関西の一部では弔事に黄白の水引が使われることがあります。

結び方は、結び切り・花結び（蝶結び）・あわじ結びの三種が基本です。
また、それぞれの結び方におめでたい意味が込められており、モチーフとしても用いられます。
（こちらの箸置きは左から、願いが叶う「二重叶結び」
幸せが長く続く「亀結び」
悪いものを払う「梅結び」
結婚など一度きりで繰り返さない「結び止め」
絶対に離れない「淡路結び」）

「贈る」気持ちを大切にすれば、型にはまらなくてもよいのです。　
ラッピングを考えるような感覚で、飾り水引を取り入れましょう。

あわじ結びをもとにしたバレッタ。和洋どちらの装いにも使える上品で可愛らしいヘアアクセサリーになりました。

水引玉とパールの組み合わせが上品なピアス。お呼ばれから普段使いまでいろんなシーンで活躍しそうです。

不老長寿とお祝いの縁起物である昆布。おせち料理に欠かせませんね。巻物に通じることから、学問成就の意味も込められているそうですよ。

こちらもおせち料理に欠かせない「伊達巻」。「巻く」ことで祝いの気持ちや願いを込める一品です。
福を巻いて、みんなで切り分けて食べるということにも意味があるのかもしれませんね。

土台を固めて堅実に暮らせるようにという意味を持つごぼう。相性の良い鶏肉で巻いて華やかな一品に仕上げています。

紅白のナムルを具材にして海苔の代わりにお肉で巻いた肉巻き寿司。見た目に華やかながら、ボリュームもしっかりある嬉しい一品てすね。

日本人が古くから大切にしてきた「包む」「結ぶ」という所作には「あなたのことを大切に思っています」というメッセージが込められているのです。

水引の色や結び方など基本的な決まりごとはありますが、大切なのは相手を大切にする気持ちです。それはきっと現代の私たちも同じはず。人と人の絆を「結ぶ」形、固く考えすぎず気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。