風情ある言葉で季節を感じる*「冬」を表す素敵な言葉12選

風情ある言葉で季節を感じる*「冬」を表す素敵な言葉12選

日本には古くから使われていた美しい言葉が多く存在します。昔から伝わる日本語は「大和言葉」と呼ばれ、その情緒あふれる言葉からは、昔の人々の暮らしぶりや思いを感じ取ることができます。大和言葉から今回ご紹介するのは、四季のある日本ならではの、四季折々の風情を表す美しい言葉たちです。その中から、春夏秋冬の最後である「冬」を表現した風情ある言葉と、冬にまつわることわざをご紹介します。 2021年11月27日作成

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風情ある言葉で「冬」を感じてみませんか?

風情ある言葉で季節を感じる*「冬」を表す素敵な言葉12選
出典:unsplash.com
日本には美しい言葉がたくさんあり、とくに四季の風情を表現した言葉は情緒に溢れ、その季節ならではの個性が感じられます。また、昔から伝わる日本語を「大和言葉」や「古語」と言い、その言葉の特徴から、昔の人々の暮らしぶりが想像できます。風情ある美しい日本語で「冬」を感じてみませんか?

目次

「冬の寒さ」を表現した素敵な言葉

彩り豊かに紅葉した木々がだんだんと裸になっていく冬。日暮れまでの時間が短く、あっという間に長い夜がやってきます。暖房など文明の利器がない時代は、きっと暖かい春を心待ちにしながら冬を過ごしたのでしょう。ここでは、冬の厳しい寒さを表現した素敵な言葉を5つご紹介します。

1.冬将軍(ふゆしょうぐん)

「冬将軍」は、冬の厳しい寒さを擬人法で表した言葉です。

「今年も冬将軍が到来しました」というように、冬の寒い時期には天気予報でよく使われていますね。語源は、直訳すると「霜将軍」を意味する英語です。モスクワに攻め込んだナポレオンが、冬の厳しい寒さと雪で敗北し、イギリスの新聞記者が敗北の原因を「霜将軍」を表現したことが由来だといわれています。

2.霜の声(しものこえ)

風情ある言葉で季節を感じる*「冬」を表す素敵な言葉12選
出典:stocksnap.io
「霜の声」は、霜が降りた夜の、しんしんとした様子を表した言葉です。

霜とは、空気中の水蒸気が、冷えた地面や植物などに触れてできる氷の結晶。霜が降りるのは、気温が3度以下のときが多いとされています。気温は地上1.5メートルの高さで観測されるため、地面との気温差ができ、霜が見られる地面や植物がある場所の気温は氷点下になるのだそうです。

3.月冴ゆる(つきさゆる)

「月冴ゆる」は、寒さの厳しい冬の夜、澄みきって見える月を表現した言葉です。

寒い日は空気が澄んでいて、空に浮かぶ月や星が、普段よりもくっきりと引き締まって見えるもの。凍てつくような寒さの中、ふと空を見上げたときに、吸い込まれるような美しい月の光に魅了された情景が浮かびます。厳しい寒さを美しい感性で表現した言葉ですね。

4.冬暁(ふゆあかつき)

「冬暁」は、冬の夜明け、夜の寒さが残っている様子を表した言葉です。

「暁」は、夜明けや明け方の、朝早い時間帯を意味します。朝は、一日の中でも寒さが際立つ時間帯。夜明けが遅い冬の朝、寒さで冴え光る朝日の美しさや、冬の長い夜の間に冷え切った空気が朝の澄んだ空に変わり、寒さで身が引き締まる情景が浮かびます。

5.三寒四温(さんかんしおん)

「三寒四温」は、寒い日が3日続いた後に4日暖かい日が続き、また寒さが戻るといった約7日間の寒暖の周期を表した言葉です。

交互に繰り返される寒暖の日々で、春が待ち遠しい様子が伝わってきます。もとは、中国東北部や朝鮮半島北部で使われていて、その後日本に伝わったとされています。日本では近年、春先に使われることが多く、また、秋から冬への移行の時期にも用いられているのだそうです。

「冬の風景」を表現した美しい言葉

風情ある言葉で季節を感じる*「冬」を表す素敵な言葉12選
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「冬」といえば、どんな風景を想像しますか?クリスマスや年越しの、賑やかでカラフルな冬。真っ白な雪が一面に広がる幻想的な世界。寒さの中でこそ際立って見える美しい自然。それぞれの時代に、それぞれの冬の美しさがあったのではないでしょうか。ここでは、冬の風景を表現した美しい言葉を5つご紹介します。

1.冬化粧(ふゆげしょう)

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「冬化粧」とは、雪が降り積もり、まるで化粧をしたかのように辺り一面が真っ白になった、冬らしい風景を表現した言葉です。

雪が降り続く冬の日々、遠くに見える野山も、裸になった草木も、家々の屋根でさえ真っ白に染まった幻想的な風景が目に浮かびます。冬の風景をお化粧をした色白美人に例えた素敵な言葉です。

2.冬紅葉(ふゆもみじ)

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「冬紅葉」は、秋の象徴「紅葉」が入った言葉ですが、冬の季語です。冬になってもまだ散り残っている紅葉を表す言葉です。

冬の寒さでより一層深みの増した紅色の葉。寒々しい木枯らしに吹かれてもなお、散らずに残った紅葉は数少なく、裸の木々や雪降る冬の風景の中に溶け込む紅葉の葉は、きっと儚げで印象的に映るでしょう。四季それぞれの風情を慈しむ、日本人の情緒から生まれた美しい言葉ですね。

3.六花(ろっか)

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「六花」は雪の別名で、雪の結晶が六角形をしていることが由来とされています。読み方は「りっか」のほか、「ろっか・むつのはな」など諸説あるのだそう。

雪の美しい結晶を「花」に例えた素敵な日本語です。このように、雪を表現した美しい言葉は、ほかにも多くあるのです。例えば、「細雪(ささめゆき)」は、粒の細かい雪を、「花弁雪(はなびらゆき)」は、花びらのような大きな雪を表現しています。

4.不香の花(ふきょうのはな)

風情ある言葉で季節を感じる*「冬」を表す素敵な言葉12選
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「不香の花」も、雪の美しさを花に例えた冬の言葉で、雪を香りのない花に例えています。

裸の木々に真っ白な雪が降り積もり、まるで花のように見えることから生まれたとされています。草木や花が咲かない冬に見られる、香りのない真っ白な花。彩りがなく、どこか寂しく感じられる冬の風景を、ロマンティックな世界へと変えてくれますね。

5.雪明かり(雪明かり)

「雪明かり」とは、積もった雪が反射して、夜も周囲が薄明るく見えることを表した冬の季語です。

しんしんと降り続く雪が辺り一面を真っ白に染め、暗い夜の闇をも薄っすらと明るく見える様子を表しています。人工的な光にはない、雪ならではの柔らかくて淡い、優しい明かり。そんな情景が浮かぶ、美しい言葉です。

冬にまつわることわざ

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冬は美しい風情だけでなく、冬の厳しい寒さや長い夜などのイメージから「陰」の要素も感じられます。そんな冬のイメージを例えにした「ことわざ」が日本には多くあるのだそうです。ここでは、冬にまつわることわざを2つご紹介します。

冬来たりなば春遠からじ(ふゆきたりなばはるとおからじ)

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例え、いま寒さの厳しい冬のような状況にあっても、いずれは暖かくて穏やかな春が訪れることを例えたことわざです。イギリスの詩人が歌った言葉を和訳したといわれています。
今は不運な状況でも、いずれは幸せが巡ってくると信じられれば、どんな状況にでも希望が持てますよね。明るい未来を信じて耐え忍び、乗り越える勇気を与えてくれることわざですね。

雪は豊年の瑞(ゆきはほうねんのしるし)

雪がたくさん降るのは、豊作に恵まれる前触れだということを表したことわざです。「瑞」は、前兆や前触れを意味します。

由来は、『万葉集・三九二五』に書かれた「新しき年の初めに豊の年しるすとならし雪のふれるは」で、雪が多い年は水不足になる心配がなく、害虫被害も少ないことから、農作物がよく育つといわれているのだそうです。類義語として、「大雪は豊作の兆し」「雪は五穀の精」などがあります。

素敵な言葉で、さまざまな冬を感じてみましょう

風情ある言葉で季節を感じる*「冬」を表す素敵な言葉12選
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昔から伝わる美しい日本語「大和言葉」。その情緒あふれる言葉からは、昔の人々の暮らしぶりや思いを感じ取ることができます。今回は、その中から「冬」を表現した風情ある言葉と、冬にまつわることわざ選をご紹介しました。

昔の人々にとって冬は、日照時間が短く暗闇が長い季節。農作物も育たず、凍てつく寒さに耐えながら春を待ちわびたのかもしれません。冬の厳しい寒さや、冬だからこそ味わえる美しい風景。冬が持つさまざまな顔を、素敵な言葉で感じてみてはいかがでしょうか?

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