孤独を辛く感じるのは、太古から受け継がれてきた本能です。仲間とはぐれてしまうことが、命の危機に直結していた時代では、生きていくのに欠かせない能力でした。わたしたちが暮らす現代は、命の危険もなく何不自由なく生活できるため、必要以上に孤独であることを辛く感じる必要はないのです。

大勢で群れていれば、ひとまず安心できる一面もあるのは確かです。ただ、仲間外れにされないために自分を偽り続けていると、本当の自分を見失ってしまうことになりかねません。本当の自分を取り戻すには、ひとりになる時間も必要なのです。

孤独とは“個”を大切にすることです。自分のやりたいこと、考えたいこと、心や体を癒し、自分を大切にする時間でもあります。それぞれが“個”に戻ることで、家族や友人、パートナーと、お互いの“個”を尊重できるようになるのです。

ひとりでいると、誰かに気を遣ったり、予定を合わせたりする必要がありません。やりたいことや考えたいことを後回しにせず、自分の思うように時間を使うことができます。それはすなわち、限られた人生の時間を有意義にすごせるということです。

さみしいから誰かとつながろうとするのは、自分で自分を満たすことができないためです。何をすれば心地いいか、何を選べば満足か、何を大切にすれば心が満たされるか。ひとりでいるからこそ、まわりに影響されずに、自分で自分を満たすことができるようになるのです。

誰かといっしょにいるとき、嫌われないように、よく思われるようにと、意識は常に外側に向いています。そんな状態では、内面を磨くどころか、自分と向き合うことも困難です。
ひとりでいれば、他人に影響されたり、制約を受けたりすることもなく、自分自身に意識を注ぐことができます。つまり、自分の考え方や行動、価値観などを見つめ直し、内面を磨く時間にすることができるのです。

疲れたな、やる気が出ないなと感じたときは、心も体もリラックスできる時間を。誰にも邪魔されない、ひとりの心地よさを感じるのです。

自分のやりたいように時間を使えるのは、孤独の特権です。食べたいもの、見たいもの、行ってみたい場所、誰にも気兼ねなく思う存分やってみませんか。

ひとりでいることは、何するのも自由ということです。誰かの予定に合わせることもないし、うまくいかなかったとしても、誰にも迷惑をかけることもありません。孤独を味方に、新しいことにチャレンジするのも素敵です。

自分自身を静かに見つめ直す、貴重な時間。ひとりなら誰にも気兼ねなく、たっぷりととれます。まわりに影響されることもないため、無意識に感じていたこと、本当に望んでいることを知ることができるのです。