必要のないモノを「持ち続ける」ことは、ストレスフルで窮屈な暮らしを送り続けるということです。モノを買うことで得られる満足感を心の拠り所としているため、浪費や消費のスパイラルから抜け出せません。捨てられない、片付けられない、やめられない、そんな自分に嫌悪感を抱き続けるのです。

本当に必要なモノしか持たないため、モノを管理するストレスがありません。時間や空間にゆとりがあり、心にも余裕が生まれます。物欲や執着心から解放され、モノに支配されない暮らしができるのです。無駄遣いすることがないため、心を豊かにすることに時間やお金を使え、幸せを感じられるようになります。

モノを「持たない」ことで、今までモノに費やしていた時間や生活空間に“余白”が生まれます。身のまわりがスッキリ整うため、思考もクリアになり、自分にとって何が大切なのかが分かるようになるのです。

モノを買う、手に入れる、所有することに重きを置くのは、“足し算”の考え方です。そうすると、必要のないモノ、無駄なモノ、ストレスを感じることが際限なく増えていきます。「持たない」ことは、そういったガラクタやノイズとなる物事を“引き算”していくことなのです。

「持たない」ミニマムライフは、モノで部屋が圧迫されることもありませんし、探し物や片付けに追われる時間もありません。無駄遣いをしなくなりますので、お金も手元に残ります。そうして生まれた空間や時間の“余白”には、正しくお金を使って、心が潤うことで満たせるようになるのです。

自分に必要なモノ、コトが何なのかが分かれば、自分の幸せに対する“感度”が高くなります。何を選べば人生を豊かにするか、自分を成長させられるか、心穏やかにすごせるかが見えるようになるのです。今までやめられなかった悪習、害になると分かっていても選んでしまっていた悪癖から抜け出せるようになります。

自分にとって大切なこと、必要なこと、幸せになる選択が分かるようになると、多くを求めなくなります。「足るを知る者は富む」というように、今あるもので満たされていると感じられるようになるのです。多くを求めなくとも満足感が得られることは、心豊かに生きられること。それがこの上ない、「持たない」贅沢なのです。

今、生活で困っていることがない場合、必要なモノはある程度揃っているはずです。欲しいと思っているモノと向き合い、“なくても困らない”かどうかを一考してみましょう。

モノを買うことで満足感を得ていませんか？ 買った後はそのモノを管理する日々が待っています。モノを充実させるのではなく、心そのものを充実させることに目を向けませんか。

モノを増やすのは簡単ですが、減らすのはそれ以上にエネルギーがいるものです。ひとつ増やしたら、その分減らさなければ、あっという間にモノに埋もれてしまいます。