今日食べたご飯の「産地」「銘柄」知っていますか?
お茶碗に盛られた白いご飯は、誰もが思い浮かべる「日常の食卓」の風景の1つです。少しでもおいしいご飯を炊くために土鍋を使ってみたり、水の量や研ぎ方を変えてみたりと、炊き方を工夫している方も多いと思います。
でも、「どう炊くか」ではなく「何を炊くか」にこだわっている人はどれくらいいるでしょうか。
日本のお米の銘柄は、なんと700種類以上!
「お米のおいしさって、銘柄によってそんなに変わるもの?」
そんな疑問を、福井県でお米の開発を行っている町田芳恵さんにぶつけてみました。農業試験場で働いている町田さんは、あの『コシヒカリ』を超える新しい銘柄を生み出すべく、「福井米研究部」という部署で日々研究に励んでいました。
コシヒカリを超える名銘柄『いちほまれ』の誕生
町田さんたちが、去年新しく開発したお米の名前は『いちほまれ』。『コシヒカリ』を超えるお米を作ろうという計画が立ち上がった平成23年から、なんと6年もの歳月を経てようやく出来上がったお米です。
20万の種から選び抜かれた『いちほまれ』
町田さんたちが、最初に「ポストこしひかり」として候補に挙げたお米の品種はなんと20万種。それらをすべて植えてみて、良いものだけを選別していくとのことです。
「最初の1年で、20万から1万2千まで絞り込みました。そこから3年間かけて、候補を100種選抜したんです。
安定した収穫量が見込めるか、病気になりにくいか…様々な試験を行って検証します。コシヒカリは草の背が高く、雨や風が吹くと倒れやすいという欠点があるので、新しいお米はその欠点を克服できるかどうかも大切なポイントでした」
「もっちりしていて、しっかりとした粒感」満場一致のおいしさ
今の「おいしい」の感覚に沿うのはもちろん、開発メンバーの誰もが実際に食べて「おいしい」と思えるお米――それが、満場一致でこの『いちほまれ』だったとのことでした。
「ポストこしひかり」として世に出た『いちほまれ』。いったいどんな味か聞いてみたところ「本当に、すっごくおいしいんですよ!」と町田さんは目を輝かせました。
「やさしい甘さに加えて、粘りも強くて。でも、一番の魅力は粒感ですね。粘りと粒感が両立しているお米ってなかなかないんですよ。一粒一粒がしっかりしていて、お米を食べている!という気持ちになります」
様々なお米を食べ続けた町田さんの舌をも唸らせた『いちほまれ』。6年の歳月が実を結んだとわかる表情でした。
銘柄の数だけ、炊き方がある
炊飯器ソフトウェアの研究開発担当である″ライスレディ″が目指しているのは「まるでかまどで炊いたような、日本人誰もがおいしいと感じるごはん」。毎日3合にもなるお米の炊飯と試食を繰り返し、個性豊かなお米のおいしさを最大限に引き出す炊飯方法を模索している彼女たちは、まさに炊飯のプロと言えます。
『いちほまれ』という最高のお米を、最高の炊飯技術で最高の味に仕上げて食卓へ届けたいという思いから、ライスレディに「『いちほまれ』を一番おいしく炊ける炊飯プログラムを作ってください」と頼んだ農業試験場。その想いに応えたのがライスレディのうちの一人、塚原さんでした。
「浸水時間や熱を加える時間、温度、圧力…すべてが少しずつ変わるだけで、確実に炊き上がりのおいしさが変わります。そこを調整して、銘柄ごとにおいしさと特長を最大限に引き出す炊飯プログラムを作るのが私の使命です」
どんなお米をおいしいと感じるかは時代によって変わるようで、10年前と今年とでは同じ基準で語れないと塚原さんは言います。今の時代に合ったおいしさを引き出すべく、農業試験場からのダメ出しも受けながら何度も試作を繰り返し、ようやく『いちほまれ』専用の炊飯プログラムが完成するまでには2年の月日が経っていました。
「『いちほまれ』には町田さんをはじめ、福井県のみなさんのこだわりと想いがギュッと入っています。その分求められる理想が高く、期待に応えられるものを作るのはとても大変でしたが…最後、文句なしのOKを出してもらえたときは本当に嬉しかったですね」と塚原さんは満足そうに息をつきました。
お米それぞれの”個性”と”おいしさ”を引き出す炊飯器
ふわっとした食感を出したいお米なのか、『いちほまれ』のように粘りがありつつ粒感を際立たせたいのか…お米の特性を理解し、それぞれ少しずつ圧力の強さや加熱温度・時間を調整してくれる炊飯プログラム。
炊飯時は、メニューの中から銘柄の名前を選ぶだけでOKです。朝寝ぼけていても夜疲れていても、いつでも自動でお米のおいしさを引き出し炊き上げてくれます。
「かまど炊き」に限りなく近い「おどり炊き」
この炊き方により、お米をムラなく芯まで加熱し、甘みともちもち感をぐっと引き出しながら大きくふっくらと炊きあげることができます。
いつでも炊きたてのおいしさが味わえる
夕方にまとめて炊いておいて、忙しい朝はよそうだけ。そんなときでも「W おどり炊き」なら、変わらないおいしさを届けてくれるはずです。
「お米×おかず」のおいしいコンビをご紹介
お米の魅力をより引き立てるおかずと一緒に食べれば、いつものご飯がもっと美味しく楽しめるはず。
最後に「W おどり炊き」で炊いた4つの銘柄のお米をピックアップして、それぞれに合う料理をご紹介します。それぞれのお米が持つ良さを思いきり活かせる料理を考えてくれたのはひよこ食堂の店主、ひよこさんです。
『いちほまれ』(福井県)×大葉が香る肉味噌おにぎり
もちもちとさせつつ、しっかりした粒感も出したい『いちほまれ』は、柔らかくなりすぎないように炊飯中の加熱温度が低め。お米は高い圧力を加えるとねばりが出やすくなるため、圧力も低めに設定されています。
おすすめのメニューは、柔らかく握ったおにぎりです。一口噛めば口の中でお米がふわりとほどけて、やさしい甘さが広がります。甘辛い肉味噌と、さわやかな大葉がアクセントに。
『金色の風』(岩手県)×鶏肉と車麩のすき煮
豊かな甘みのあるお米である『金色の風』。特徴であるふわっとした食感を最大限引き出すために、水を吸わせる行程を長めにとっているのが「W おどり炊き」プログラムのポイントだとか。
このお米には、甘みが負けない、しっかりとした味付けの煮物がぴったりです。おすすめは「鶏肉と車麩のすき煮」。やわらかい鶏肉と太いねぎ、煮汁がよくしみ込んだ車麩が炊きたてのご飯によく合います。
『だて正夢』(宮城県)×ほうれん草とえのきのおひたし
今回紹介した中では一番個性的な『だて正夢』は、ダントツのもちもち感が魅力。もちもち感を最大限引き出すため、「W おどり炊き」では圧力が強めにかけられています。
噛めば噛むほど甘みが増すので、お米そのものの味を楽しめるような副菜と相性が良いです。出汁・みりん・醤油・塩で味付けた、やさしい味わいのおひたしとぜひ合わせてみては?
『新之助』(新潟県)×鮭と秋野菜のけんちん汁
粒が大きい『新之助』。クセがなく、いくらでも食べられそうな軽さがありつつも、ギュッと詰まった旨味を感じます。「W おどり炊き」では雑味を極力出さないよう、水を吸わせる時間を短くするなど細かいバランスが加えられているそう。
一粒一粒が大きくしっかりとしているので、汁物と一緒に食べても食感が悪くなりません。
合わせるご飯のおすすめは、同じ新潟県産の鮭を使った秋野菜たっぷりのけんちん汁です。
(左:町田さん 右:塚原さん)