『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「花ごよみ」
【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる 「花ごよみ」vol.6-オンシジウム・シャーリーベイビのカバー画像

『霽れと褻』代表・田中さんに教わる 「花ごよみ」vol.6-オンシジウム・シャーリーベイビー

協力:霽れと褻 文:キナリノ編集部

気温、風、街行く人々の装い…。みなさんは、季節の移り変わりをどんなときに感じますか?「花ごよみ」とは、季節の移ろいを花によって表現した暦のこと。連載第6回目は、秋らしいシックなボルドー色が美しい「オンシジウム・シャーリーベイビー」というお花のストーリー。秋から初冬にかけて最も美しいその花は、その場をバニラのような甘い香りで包み込む、ゆったりと流れるリラックスタイムにぴったりのお花です。

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2017年11月10日作成
【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる 「花ごよみ」vol.6-オンシジウム・シャーリーベイビー
都心では、昨年よりも10日早い木枯らし一号が吹き、朝晩の冷え込みがいっそう厳しい季節になりました。
日だまりが恋しいこんな日には、お家にこもってホットドリンク片手にリラックスタイムを過ごしたい。

テーブルに飾ったお花がカーテンから漏れる日差しに照らされて、部屋中に甘いバニラの香りが漂う休日――なんだか幸せの1ページをめくっているような豊かな時間。

今回は、そんな花のある暮らしにふさわしい「オンシジウム・シャーリーベイビー」という蝶のような姿がかわいいお花のお話です。

甘い香りと小ぶりな花姿。お部屋になじむ“ランの仲間”

【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる 「花ごよみ」vol.6-オンシジウム・シャーリーベイビー
ボルドーのシックな花色とまるでバニラのような甘い香りが特徴の花。流れるようなアーチを描いてしだれる姿は、まさに芸術的です。
今回ご紹介する「オンシジウム・シャーリーベイビー」は、ランの仲間。「蘭(ラン)」と聞くと、一般的にはお店の開店祝いや冠婚葬祭で使われる胡蝶蘭のような、そんな敷居の高いイメージでした。

でも、きっとこの花をきっかけに「ランってこんなに飾りやすいんだ」って、あなたのそのイメージも変わるはず!
小さな蝶がたくさん舞い飛んでいるかのようなこの可憐な花は、お部屋にもよく馴染み「ラン」をもっと身近な存在にしてくれるはずです。

まるで女性が踊っているよう。別名を「ダンシングバレリーナ」

【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる 「花ごよみ」vol.6-オンシジウム・シャーリーベイビー
波打った小さなボルドーの花弁が、まるでドレスを着たバレリーナのように。英名では「Dancing lady orchid(踊る女性のラン)」といい、その様子から「一緒に踊って」という花言葉も生まれたそうです。

なにより特徴的なのが、その花の形。一見、意味もなく不思議な形をしているよう……ですが、それは単なる装飾ではなく、進化の過程で身につけてきたものでした。
ランは“最も進化した植物”
【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる 「花ごよみ」vol.6-オンシジウム・シャーリーベイビー
ラン科の植物は、南極を除く全ての大陸の熱帯から亜寒帯に自生し、その数約1万5千種以上といわれています。被子植物の中では一番多く、その中の約400種がオンシジウム科に分類され、今回ご紹介する「オンシジウム・シャーリーベイビー」もその中のひとつです。

ラン科がこれだけ多く存在しているのは、他の植物との生存競争に勝つための生態を身につけてきたから。通常、受粉に必要な要素を雄しべ・雌しべと分けずにひとつに集約させていること。昆虫にアピールし、花粉の移動を促すために特徴的な花姿をしていること。どれも、生きていくための進化の過程だったのです。

オンシジウムと向き合って30年。思いやりのある農家さんの仕事

オンシジューム研究会のみなさん(右から2番目が望月計正(もちづき かずまさ)さん)

オンシジューム研究会のみなさん(右から2番目が望月計正(もちづき かずまさ)さん)

【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる 「花ごよみ」vol.6-オンシジウム・シャーリーベイビー
みかんの生産地でも有名な静岡県静岡市。今回、ハレとケ定期便で届いたオンシジウムは、ここ静岡市にあるJAしみずのオンシジューム研究会のみなさんによって栽培されています。

気温が落ち着く今くらいの季節には、ハウスの中がバニラの香りで充満し、道行く人々にも「良い匂いだね」と声をかけられるそうで、約30年間オンシジウムの栽培にたずさわる望月さんの顔もどこか誇らしげ。
1本のキレイな花を咲かせるために
【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる 「花ごよみ」vol.6-オンシジウム・シャーリーベイビー
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栽培について「特別なことをしているわけではない」と、おっしゃる謙虚な望月さんは、ここ数年になってようやく自分の納得のいく花が作れるようになってきたとか。
オンシジウムが好む環境を作り、特別なことをするよりも思いやりを持って花に接すること。日々の繰り返しの中で見落としがちになってしまう、当たり前のことに真摯に向き合うこと。そこに、花農家さんの丁寧な仕事が垣間見れたような気がします。
「花を飾るといいですよ、 やっぱり」
【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる 「花ごよみ」vol.6-オンシジウム・シャーリーベイビー
最近では、輸入もののオンシジウムも多く見かけるようになりましたが、色の美しさが国産オンシジウムの強み。また、輸送時間が短い分、新鮮な状態で市場に届けられるため花持ちも国産の方が良いそうです。
国産の花の魅力をもっと伝えたい、花を飾ることの良さをもっと多くの人に知ってもらいたい。望月さんは“輸入には負けない花”を作るために日々、オンシジウムと向き合っています。

「花を飾るといいですよ、やっぱり」
「あるのと無いのでは全然違うんですよね」――花作りに人生を捧げてきた望月さんも花のある暮らしに魅了されている一人です。

『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「オンシジウム・シャーリーベイビー」の愛で方

穏やかな色合いと香りが魅力の「オンシジウム・シャーリーベイビー」のお家での楽しみ方について、『霽れと褻(はれとけ)』代表・田中さんに教えていただきました。
株式会社BOTANIC代表・田中 彰さん。1983年、高知市出身。神戸大学経済学部卒業後、AGC旭硝子株式会社に勤務。東京・南青山の花屋での修行を経て、BOTANICをスタート。2013年7月、東京・中目黒に花屋「ex. flower shop & laboratory」をオープン。

株式会社BOTANIC代表・田中 彰さん。1983年、高知市出身。神戸大学経済学部卒業後、AGC旭硝子株式会社に勤務。東京・南青山の花屋での修行を経て、BOTANICをスタート。2013年7月、東京・中目黒に花屋「ex. flower shop & laboratory」をオープン。

Q:飾るのが難しそう。花瓶の選び方って?

【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる 「花ごよみ」vol.6-オンシジウム・シャーリーベイビー
しだれた姿が美しいけれど、長く柔らかな茎はうまく飾るのが難しそう。花瓶はどんなものを選ぶのが理想的…?
用意したのは、水を3分の2くらいまで張った口径が狭い花瓶と広いもの。口が広くなればなるほど、横方向にせり出すようにダイナミックに活けることができるそうですが、口径が狭い花瓶の方が花が支えられて飾りやすいそうです。

しだれた姿が美しいけれど、長く柔らかな茎はうまく飾るのが難しそう。花瓶はどんなものを選ぶのが理想的…?
用意したのは、水を3分の2くらいまで張った口径が狭い花瓶と広いもの。口が広くなればなるほど、横方向にせり出すようにダイナミックに活けることができるそうですが、口径が狭い花瓶の方が花が支えられて飾りやすいそうです。

Q:きれいに飾るコツ。おすすめの場所は?

一本ずつ丁寧に。四方に散らすよりも同じ方向に流すように活けると花の魅力が引き立ちます。
玄関の靴箱の上や、棚の上など、高さのあるところから花を垂らすように飾るのがおすすめ。甘い香りがお好きな方は、リビングルームにも◎。ふわっと香るバニラの香りに癒されます。

一本ずつ丁寧に。四方に散らすよりも同じ方向に流すように活けると花の魅力が引き立ちます。
玄関の靴箱の上や、棚の上など、高さのあるところから花を垂らすように飾るのがおすすめ。甘い香りがお好きな方は、リビングルームにも◎。ふわっと香るバニラの香りに癒されます。

<教えて!花屋の小技>長く楽しむコツって?

日々、茎を切り詰めていくうちに、花の丈が短くなったら、丈に合わせて花瓶を変えてみるのも◎。花が小さくなったらざっくりと切り詰めて小さめの花瓶に変えると花の印象も変わって長い間楽しめます。

日々、茎を切り詰めていくうちに、花の丈が短くなったら、丈に合わせて花瓶を変えてみるのも◎。花が小さくなったらざっくりと切り詰めて小さめの花瓶に変えると花の印象も変わって長い間楽しめます。

一輪挿しにして飾ると、お部屋のちょっとしたアクセントに。

一輪挿しにして飾ると、お部屋のちょっとしたアクセントに。

ホッとくつろぐその時に。「花のある暮らし」を楽しんで

【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる 「花ごよみ」vol.6-オンシジウム・シャーリーベイビー
「花の楽しみ方をもっといろいろチャレンジしてほしい」――これが生産者の方々の声です。いつのまにか、お部屋に飾る花もマンネリ化していませんか?ハレとケ定期便の良いところは、今までお花屋さんでも選ぶ機会がなかった花に出合えるところ。
特に涼しい季節になってくると、深くて艶のあるきれいな色が出てくる「オンシジウム・シャーリーベイビー」。これまでランをお家に飾ったことがない方にもおすすめしたい気軽に飾れる品種です。

来月はクリスマスらしい花「国産 サンキライ」をお届け

【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる 「花ごよみ」vol.6-オンシジウム・シャーリーベイビー
今年も残すところあと少し。来月は、クリスマスインテリアにも最適な「国産 サンキライ」をお届け。生花を楽しんだ後は、ドライにしても◎。ご予約は、今月末までです。気になった方は、1ヶ月からでも花屋が選んだ素敵なお花が届く定期便のある暮らしを始めてみませんか?下記のリンクからお申し込みくださいね。
霽れと褻|毎月届く、花のある暮らし。季節の花と、花屋が編集する新聞の定期便。
霽れと褻(ハレとケ)は、暮らしを豊かにるす四季折々の花と、その花に関する新聞を毎月セットで届けします。花に触れ、花を知ることを通して、四季の移ろいを感じさせてくれる、花のある暮らしをお楽しみください。
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※対象画像は「ハレとケ定期便」で届いたお花や新聞、「霽れと褻DAY」で購入したお花、当日の店頭ディスプレイ写真となります。

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会社員をしながら、フラワーフォトグラファーとして活躍されているshionさん。先月、ハレとケ定期便で届いたベラドンナリリーの写真を投稿してくれました。毎朝、花のある暮らしについて発信されているそうなので、気になる方はこちらからチェックしてみて下さいね。
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中目黒と蔵前に店舗を持つex. flower shopが新しく立ち上げたブランド。
毎月、旬のお花が届く「ハレとケ定期便」や大切な方へお花を贈るサービス「ギフトチケット」、SUEKI CERAMICSとのオリジナルの花瓶を販売する。

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