春を告げる大人のほろ苦さ。知っておきたい《季節の山菜》下処理とレシピ集

春を告げる大人のほろ苦さ。知っておきたい《季節の山菜》下処理とレシピ集

山の雪が溶けはじめ、陽射しの暖かさを感じる早春に「春の訪れ」をまっさきに感じさせてくれるのが山菜の味わいです。独特の香りとほろ苦さが山菜の魅力ですが、おいしく味わうためにはアク抜きなどの下処理が必要。今回は、お店でも手に入りやすい春の山菜と、家庭でできる下処理の方法、おいしく味わうレシピを紹介。春の味わいを食卓に取り入れませんか?2018年02月11日作成

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レシピ野菜料理山菜レシピ常備菜下ごしらえ
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春の体へと目覚めさせてくれる。山菜の「苦み」を取り入れよう

苦みのある食材は老廃物を排出させ、新陳代謝を促す働きがあると考えられています。和食の世界で「春は苦味を盛れ」と言われるのは、冬の間に溜まった老廃物の代謝を促し、体を目覚めさせる古くからの知恵なのかもしれません。そして、春の苦味の代表といえば、なんといっても「山菜」です。
春を告げる大人のほろ苦さ。知っておきたい《季節の山菜》下処理とレシピ集
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春に続々と芽吹く、ほろ苦い山菜たち

春になるといっせいに芽吹く山菜たち。山に自生するものは旬が短く、一期一会の出会いが魅力。一方、現代ではスーパーなどで手に入る山菜も多くなってきました。また、郊外の直売所や道の駅などに足を運ぶと、より新鮮な山菜が手に入ることもありますよ。ここでは比較的手に入りやすい山菜をいくつかご紹介します。

ふきのとう

美しい淡緑と愛らしい花姿が特徴のふきのとう。日本原産の食用植物で、全国の山野に自生しています。大きくなりすぎると苦みが強くなっておいしくなくなるので、小ぶりで、まだつぼみの状態のものが食べ頃とされています。
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美しい淡緑と愛らしい花姿が特徴のふきのとう。日本原産の食用植物で、全国の山野に自生しています。大きくなりすぎると苦みが強くなっておいしくなくなるので、小ぶりで、まだつぼみの状態のものが食べ頃とされています。

わらび

わらび(蕨)はシダ植物の仲間で、山形や秋田など東北をはじめ、全国で自生する身近な山菜です。若芽の部分を食用にするほか、根にデンプンが多く含まれており、このデンプンから作られた「わらび粉」がわらび餅の原料となります。
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わらび(蕨)はシダ植物の仲間で、山形や秋田など東北をはじめ、全国で自生する身近な山菜です。若芽の部分を食用にするほか、根にデンプンが多く含まれており、このデンプンから作られた「わらび粉」がわらび餅の原料となります。

こごみ

こごみもシダ植物の仲間。「クサソテツ」の新芽部分が食用となります。わらびと違ってアクが少なく、サッと塩ゆでする程度で食べられます。少しぬめりのある食感が特徴。
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こごみもシダ植物の仲間。「クサソテツ」の新芽部分が食用となります。わらびと違ってアクが少なく、サッと塩ゆでする程度で食べられます。少しぬめりのある食感が特徴。

山うど

山うどはウコギ科タラノキ属の多年草で、新芽の部分や若い茎の部分などを食用にします。全国で収穫できますが、現在は栽培ものが多く出回っていて、スーパーなどで見かけるものの多くが栽培されたものになっています。
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山うどはウコギ科タラノキ属の多年草で、新芽の部分や若い茎の部分などを食用にします。全国で収穫できますが、現在は栽培ものが多く出回っていて、スーパーなどで見かけるものの多くが栽培されたものになっています。

行者にんにく

北海道では「キトビロ」「アイヌネギ」とも呼ばれて親しまれている行者にんにく。こちらも栽培されたものが多くなり、手に入りやすい山菜のひとつです。
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北海道では「キトビロ」「アイヌネギ」とも呼ばれて親しまれている行者にんにく。こちらも栽培されたものが多くなり、手に入りやすい山菜のひとつです。

山菜の下処理(アク抜き)の仕方

春の山菜には苦みやえぐみが多く含まれるため、調理前に下茹でや水にさらすなどの「アク抜き」が必要となります。アクの正体は、大きくわけて、健康によいとされるポリフェノールなどの「抗酸化成分」と、身体に害のある「天然毒」との二種類。前者はより美味しくいただくため、後者は安全に食べやすくするための「アク抜き」と考えましょう。

(1)アクの少ない山菜は、鮮やかな色と自然な苦味を楽しむ「塩ゆで」

コゴミ、セリ、たらの芽などの比較的アクの少ない山菜は、たっぷりのお湯にひと掴みの塩を加え、1〜2分でサッと茹で上げます。薄味の出汁と合わせて数時間おいて馴染ませれば、春のほろ苦さが口いっぱいにあふれるお浸しのできあがり。
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コゴミ、セリ、たらの芽などの比較的アクの少ない山菜は、たっぷりのお湯にひと掴みの塩を加え、1〜2分でサッと茹で上げます。薄味の出汁と合わせて数時間おいて馴染ませれば、春のほろ苦さが口いっぱいにあふれるお浸しのできあがり。

春の山菜料理、山菜のお浸しのレシピ/作り方:白ごはん.com
白ごはん.comの『たけのこ、こごみ、ふき、せりを使った春野菜のお浸しの作り方』を紹介するレシピページです。山菜それぞれの下処理の方法も合わせて、写真付きで詳しく紹介しています。スーパーで手に入る山菜を中心に使いまいしたので、ぜひ数種類の山菜を混ぜ合わせてお浸しを作ってみてください!

(2)苦み・えぐみのある山菜は「塩ゆで&浸水」で、しっかりアク抜き

ウドやフキ、ヨモギ、つくし、タンポポなど、硬い茎のある山菜は、塩ゆでの後、さらに水にひたしてあく抜きを行ないます。
たっぷりのお湯にひと掴みの塩を加えて茹で、その後冷水にひたします。
水にひたす時間は、ウド、フキ、ヨモギは10分ほど、つくしは1時間、タンポポは2時間ほどが目安です。
こちらのレシピでは、ふきが色よくし上がる「板ずり」の方法も紹介されています。
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ウドやフキ、ヨモギ、つくし、タンポポなど、硬い茎のある山菜は、塩ゆでの後、さらに水にひたしてあく抜きを行ないます。
たっぷりのお湯にひと掴みの塩を加えて茹で、その後冷水にひたします。
水にひたす時間は、ウド、フキ、ヨモギは10分ほど、つくしは1時間、タンポポは2時間ほどが目安です。
こちらのレシピでは、ふきが色よくし上がる「板ずり」の方法も紹介されています。

ふきのあく抜きのゆで方/下処理:白ごはん.com
白ごはん.comの『ふきのあく抜きのゆで方』の紹介ページです。ふきを下ゆでするときのポイントは、できるだけ大きな鍋でゆでること、ゆでた後は両側から皮をむくこと、です。下ゆでしたふきは水に浸けた状態で冷蔵保存しておけば5日ほどは日持ちするので、ぜひお試しください。

(3)春を感じる「たけのこ」のあく抜きも、この機会におさらいを

たけのこには、えぐみの元となる「シュウ酸」が含まれており、たけのこの旨味を残しながらシュウ酸を取り除くために米ぬかでゆでるのがよいとされています。たけのこと相性のよい米ぬかの風味や甘みがプラスされて、よりおいしく感じる効果もあるようですよ。
出典:

たけのこには、えぐみの元となる「シュウ酸」が含まれており、たけのこの旨味を残しながらシュウ酸を取り除くために米ぬかでゆでるのがよいとされています。たけのこと相性のよい米ぬかの風味や甘みがプラスされて、よりおいしく感じる効果もあるようですよ。

たけのこのあく抜きのゆで方/あく取りのやり方:白ごはん.com
いちばん丁寧な和食レシピサイト、白ごはん.comの『たけのこのあく抜きのゆで方』を紹介するレシピページです。たけのこのあくを抜く前の下ごしらえや、下ゆでの方法、ゆで時間までを詳しく写真付きで紹介しています。差し水をしながら、コトコトと1〜2時間炊いてみてください!

(4)さらにアクの強い山菜は、「重曹」の力を借りてアク抜き!

アクの強いわらびやぜんまいなどは、重曹を使ってしっかりとアク抜きを。鍋にお湯を沸かし、大さじ1〜2杯の重曹を入れます。山菜を入れて沸騰寸前で火を止め、落し蓋をして冷まします。半日から一晩ほど水にさらしてアク抜き完了です。
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アクの強いわらびやぜんまいなどは、重曹を使ってしっかりとアク抜きを。鍋にお湯を沸かし、大さじ1〜2杯の重曹を入れます。山菜を入れて沸騰寸前で火を止め、落し蓋をして冷まします。半日から一晩ほど水にさらしてアク抜き完了です。

ゼンマイの灰汁抜きと保存方法や食べ方:旬の野菜百科
ゼンマイ(薇/ぜんまい)の灰汁(アク)抜きと天日干しの乾燥保存の方法や食べ方、主な料理などを紹介します。

おかずやおつまみに。山菜の香りと味わいを楽しむシンプルレシピ

山菜の天ぷら

てんぷらなど高温で調理する場合は、アクの少ない山菜であればそのまま調理してOK。ふきのとうとたらの芽の鮮やかな緑を生かして薄めの衣で揚げ、山椒塩を添えていただきます。
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てんぷらなど高温で調理する場合は、アクの少ない山菜であればそのまま調理してOK。ふきのとうとたらの芽の鮮やかな緑を生かして薄めの衣で揚げ、山椒塩を添えていただきます。

春の山菜の天ぷら
【E・レシピ】料理のプロが作る簡単レシピ

ウドの豚肉巻き

苦みのある山菜は油脂分との相性がバツグン。タンパク質やビタミンBを含む豚肉と一緒に調理することで、おいしく体に春の元気をチャージできます。
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苦みのある山菜は油脂分との相性がバツグン。タンパク質やビタミンBを含む豚肉と一緒に調理することで、おいしく体に春の元気をチャージできます。

とっても簡単!巻いて焼くだけ!ウドの豚肉巻き by つちやよしこ
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こごみのおかかおひたし

くるりと巻いた形をそのまま活かした春のおひたし。さっと湯がいて出汁を合わせるだけの、旬の味わいです。
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くるりと巻いた形をそのまま活かした春のおひたし。さっと湯がいて出汁を合わせるだけの、旬の味わいです。

こごみのおかかおひたし by えみ
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春の香りを長く楽しめる、作りおきや常備菜

ふき味噌

ふきのとうが手に入ったら、ぜひ作ってみたい常備菜がふき味噌。ふきのとうに味噌、みりん、胡麻油、少しの砂糖でシンプルに仕上げます。
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ふきのとうが手に入ったら、ぜひ作ってみたい常備菜がふき味噌。ふきのとうに味噌、みりん、胡麻油、少しの砂糖でシンプルに仕上げます。

ふき味噌 by 川崎利栄
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行者にんにくの醤油漬け

白いご飯と相性ぴったりの、行者にんにくの醤油漬け。冷蔵庫で一週間ほど保存できます。
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白いご飯と相性ぴったりの、行者にんにくの醤油漬け。冷蔵庫で一週間ほど保存できます。

行者にんにくの醤油漬け by シニア野菜ソムリエ立原瑞穂
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うどの皮のきんぴら

茎だけでなく、うどの皮まで使い切るレシピ。汁気がなくなるまで炒め煮することでツヤを出す作り方は、きんぴらごぼうなどにも応用できる基本のレシピ。この機会に覚えてみて。
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茎だけでなく、うどの皮まで使い切るレシピ。汁気がなくなるまで炒め煮することでツヤを出す作り方は、きんぴらごぼうなどにも応用できる基本のレシピ。この機会に覚えてみて。

うどの皮のきんぴら by えみ
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意外に好相性!洋風レシピにも合う山菜

コゴミとベーコンのペペロンチーノ

クセがなく食べやすいコゴミをベーコンと合わせてペペロンチーノに。鮮やかなグリーンがお皿に映えます。
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クセがなく食べやすいコゴミをベーコンと合わせてペペロンチーノに。鮮やかなグリーンがお皿に映えます。

コゴミとベーコンのペペロンチーノ
【E・レシピ】料理のプロが作る簡単レシピ
とてもシンプルなレシピですが、木の芽の爽やかな香りとチーズの濃厚さ、バゲットの香ばしさが絶品です。
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とてもシンプルなレシピですが、木の芽の爽やかな香りとチーズの濃厚さ、バゲットの香ばしさが絶品です。

木の芽チーズバゲット by 笠原知子
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たけのことフェタチーズのタルト

たけのことフェタチーズ(塩味の強い山羊ミルクのチーズ)の組み合わせで作る甘くないタルト。彩りの細ネギを木の芽に変えると、さらに春の香りを感じられる味わいに。
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たけのことフェタチーズ(塩味の強い山羊ミルクのチーズ)の組み合わせで作る甘くないタルト。彩りの細ネギを木の芽に変えると、さらに春の香りを感じられる味わいに。

筍とフェタチーズのタルト
【E・レシピ】料理のプロが作る簡単レシピ

いかがでしたか?

春に出回る山菜と、その下ごしらえからレシピまでをご紹介しました。子どもの頃は山菜が苦手だった…という人も、大人になってみれば、その苦みや香りが持つ豊かな味わいに改めて気づくかもしれません。この春は、季節を先取りする山菜を、食卓に取り入れてみませんか?
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春に出回る山菜と、その下ごしらえからレシピまでをご紹介しました。子どもの頃は山菜が苦手だった…という人も、大人になってみれば、その苦みや香りが持つ豊かな味わいに改めて気づくかもしれません。この春は、季節を先取りする山菜を、食卓に取り入れてみませんか?

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