「ベジ」は「野菜」、「ブロス」は「だし」という意味。
いいこと尽くしのベジブロス
野菜や果物には「フィトケミカル」と呼ばれる植物性食品の成分から発見された化学物質。抗酸化作用があり、体を内側から元気にしてくれる効果があると言われています。
玉ねぎに含まれるポリフェノールの一種「ケルセチン」や、にんじんの「βカロテン」、トマトの「リコピン」もファイトケミカルです。加熱することで、一層吸収されやすくなるんです。
料理の美味しさを引き立てる
栄養素たっぷりのベジブロスは、料理のおいしさを引き立ててくれます。
野菜の持つ甘みや風味が染み出した、やさしく香りたつ味わいが特徴。既存の出汁と違って主張が強くないので、和洋中どんな料理にも使えて、味に深みが出ます。
●インスタントラーメンを作るときにお湯の代わり
●味噌汁や炊き込みご飯を炊く時
●リゾット
●だし巻き卵
●スープ・カレー
･･･などなど、毎日使えるんです。
黄金のスープベジブロスを作りましょう。
基本材料は、5種類以上を両手いっぱい分
無農薬野菜を使うのがベターですが、農薬が気になる方は野菜を洗う際に「重曹」をひとつまみ入れて手早く洗うと農薬を除去できます。栄養素が溶け出してしまうので、作業は1分以内でパパッと終わらせましょ。
ベジブロスは、5種類以上の野菜のくずを使うと、それぞれの野菜が持つうまみの相乗効果で、より美味しく仕上がるそう。豊富な栄養素を煮出すために、野菜くずの色を片寄らせないことが大切です。
●長ネギの青い部分 (緑)
●タマネギの皮 (黄色)
●セロリ(白)
●ピーマン・トマトのヘタ (赤・緑・黄色)
●ニンジンのヘタ (オレンジ)
･･･などが人気です。
向いている野菜、向いていない野菜
どんな野菜でもベジブロスは作ることができますが、向いている野菜と向いていない野菜があります。
ブロッコリーやキャベツの芯など、煮込むことで苦味や臭みが出てしまう野菜は向いていません。一方、玉ネギの皮や根、にんじんの皮やヘタなど、甘みが出てくる野菜は向いています。
野菜や果物のくずや切れ端が必要量に満たない場合は、昆布やにぼし、しいたけなどのだしを作る時の材料や、ローリエ・にんにくなどのお家のハーブを入れてみてはいかがですか。お家でしか味わえない栄養だしが完成しますよ。
煮てから濾す、30分で完成するベジブロス
煮込む際に特別に野菜を切ったりする必要はありません。料理酒を加えることで野菜の臭みを抑えることができます。強火だと野菜が煮崩れるので注意が必要。
色素やアク、芯にフィトケミカルが多く含まれています。アクが出て来ても、取り除かないように注意して下さい。30分煮込み、ざるで濾せば黄金色のスープが完成です。
※苦味が強くでる野菜を使った時は、アクを取って味を調整することも必要です。
煮込んだ野菜によってスープ色も濃淡・風味も様々です。冷蔵庫で3日間が保存目安です。
一人暮らしでたくさんの野菜くずが出ないという方は、野菜くずをタッパーに入れて冷凍庫で保存し、まとまった量になったらベジブロスを作ることもできます。完成したベジブロスも同様に製氷器などに入れて凍らせも◎ 一度解凍したら早めに使い切って下さいね。
カラダに優しいベジブロスのレシピ
ベジブロスとの相性バツグン。ミネストローネ＆スープ
圧力鍋だから、れんこんもあっという間に柔らか！仕上げはミキサーにかけるだけ。野菜のおいしさを思う存分味わえます。
新たまねぎが美味しい季節に試したい、たまねぎを丸ごとベジブロスでことこと煮込んだまるごとスープ。新しいタマネギは火の通りも早いのでおすすめですが、普通の玉ねぎでも充分美味しいとのこと。野菜好きさんはぜひチャレンジを。
優しい野菜の香り。ベジブロス炊き込みご飯
ベジブロスの黄金のスープがご飯を優しい色と風味で包んだ、鶏肉とコーンの炊き込みご飯。毎日の食生活に取り入れやすく、ご飯が一層おいしくなります。
砂糖不使用でも、自然な甘み。ターメリックピクルス
ターメリックとベジブロスで作ったカリフラワーの鮮やかなピクルス。砂糖不使用で優しい甘みを感じるお味。作り置きできるので小鉢料理として、お弁当に詰めるのにもぴったりのプチサラダです。
ベジブロスの旨みを生かした、コク旨ワンプレート
すべてベジブロスを使った、ピラフ、オニオングラタンスープ、豚バラのトマト煮の色鮮やかなワンプレート。毎日のご飯のコンソメやだしを、ベジブロスに置き換えるだけで体に優しく美味しいご飯が楽しめます。
エコで体にも優しい「ベジブロス」いかがでしたか？
野菜の皮は、外の刺激から守り、みずみずしさを逃さない様に外側の組織に栄養を集めています。種は生命力の基点、ヘタは成長点という重要な役割を持っているため、様々な栄養分が含まれているのです。