意外と知らないこけしのお話…
はじまりは子供のおもちゃ
実は種類がとっても豊富
こけしは形や模様によって、東北地方6県で11系統に分けることができます。同じように見えても、じっくり観察すると表情や佇まいが異なり、とっても個性豊かなんですよ。
こけしのふるさと「鳴子」
華やかで可憐な鳴子のこけし
鳴子のこけしは、童のようなあどけないお顔に、菊などの華やかな模様をまとっていて、とても可憐な佇まいをしています。また首を回すと「キュッキュッ」と音が鳴るのも、他にはない大きな特徴です。
今はこけしの第3次ブーム?!
最近では、こけしを愛する女子・通称「こけ女」が登場したり、海外でもインテリアに取り入れる人が急増中。戦前と高度経済成長期に続く「第3次こけしブーム」とも言われ、その人気はまだまだ続きそうです。
こけし人気の一翼を担う「桜井こけし店」
鳴子こけしの創始者といわれる大沼又五郎より受け継ぎ、江戸時代からこけしを作り続ける「桜井こけし店」。現在で5代目となる、確固たる歴史を持つこけし店です。
その5代目・櫻井昭寛さんが手掛ける伝統のこけしは、すべて手作りの一点物。先代達の個性を引き継ぎ、表情豊かに作られます。
しかし、伝統に縛れているだけではありません。常に新たな表現を模索し、チャレンジし続ける在り方こそが「桜井こけし店」の真骨頂。たとえばこちらの創作こけしは、4代目が手掛けたもので昭和20年~30年頃の作品。現代のインテリアにも馴染むモダンさがありますよね。
2017年に制作されたパステルカラーのこけしは、これまでのこけしのイメージを一新する斬新さ。これがヨーロッパのバイヤーの目に留まり、海外進出を果たしました。
他にも、ムンク展とのコラボ作品や、無印良品でのワークショップなど、新しい取り組みにも精力的。こけしがグッと身近に感じられますね。
また、店頭ではこけしの絵付け体験ができます。こけしを作るだけでなく、見て、触れて、感じて、こけしと人をつなぐ橋渡しをするのが「桜井こけし店」。ファンが増えるのも、うなずけます。
インテリアにも。桜井こけし店のモダンなこけし
Hagoromo |はごろも
海外用に制作された、ふんわり柔らかなパステルカラーのこけしです。仕上げにろうを塗っていないので、木の風合いをそのまま感じることができます。
Kaguya|かぐや
目にも鮮やかな蛍光色のこけしは、スタイリッシュな空間にもベストマッチ。お部屋のアクセント使いにぴったりです。
Utakata|うたかた
昔のこけしに倣って自然染料を使い、名前の泡沫(うたかた)のように「儚さ」表現したシリーズ。今にも消えてしまいそうな、淡く繊細な姿に魅入ってしまいます。
Kiko|きこ
削り出した元となる木を、樹皮ごと底部に残したKiko。今では廃れてしまった道具と技法を駆使して作られた、アーティスティックなこけしです。
Greeting Kokeshi|グリーティングこけし
胴の部分にメッセージカードを入れられる、お手紙こけし。可愛くて意外性もある、素敵な贈り物になりそうですね。
こけしは、東北地方で子どものおままごと遊び用のおもちゃとして作られたのがはじまりと言われています。その後、時代の流れとともに観賞用としてお土産屋さんに並ぶようになりました。