インタビュー
vol.85 Suno & Morrison・齋藤由清乃さん
心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしののカバー画像

vol.85 Suno & Morrison・齋藤由清乃さん
心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品

写真:川原崎宣喜 

驚くようなやわらかさと、手から伝わってくる温もりに心までも包み込んでくれる。そんな魅力的な風合いのストールは、「ガラ紡」という糸から織られています。明治時代後半に誕生した、日本最古の紡績機で紡がれるガラ紡は、手紡ぎのような素朴な風合い。この魅力に惚れ込み、ガラ紡を中心に暮らしの品々を生み出すのが「Suno & Morrison」の齋藤由清乃さん。穏やかな雰囲気の奥底には自分の感覚を信じ抜く強さを秘めています。そんな情熱によって生まれたブランドストーリーを伺いました。

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2018年06月15日作成

目にも心地良い、やわらかな風合い

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心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品
ストールにふれてみると、やわらかさに驚き、思わず手をはなしてしまう。
そして、その心地良さを求めてもう一度手にとると、今度ははなさずにはいられない。

周りの空気を吸いこみ、やさしく囲いこんでいるような風合い。その心地良さは、目に映るほどです。
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心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品
糸がいくえにも折り重なる様子には、静かな情熱を感じます。それは、指先からじんわりと温もりとなって伝わり、心までも包みこんでくれるかのよう。

ストールは、今からずっと昔、明治時代後半に誕生した「ガラ紡」という糸から織られています。この糸を紡ぎだす日本最古の紡績機は、現代の大量生産の技術にとって代わられ、稼働しているといわれるのは日本でわずか2~3機ほど。通常の紡績機の何十倍もの時間をかけて、ゆっくりと紡がれます。

「Suno & Morrison(スノアンドモリソン)」は、この「ガラ紡」を中心に、インドの「カディ」という手紡ぎ手織りの生地などで、暮らしを彩る品を届けています。
カディというインドの手紡ぎ手織りの生地のストール。光を放っているようにも見える鮮やかな色合いに目が奪われます

カディというインドの手紡ぎ手織りの生地のストール。光を放っているようにも見える鮮やかな色合いに目が奪われます

カディの巾着袋。表地にオーガニックカディ、裏地に薄手のカディを使用するなど、パーツのデザインや役割によって素材を変えています

カディの巾着袋。表地にオーガニックカディ、裏地に薄手のカディを使用するなど、パーツのデザインや役割によって素材を変えています

生地を織る際に残ってしまうガラ紡を生かせないだろうかという思いから、試行錯誤のすえ完成したというアクセサリー

生地を織る際に残ってしまうガラ紡を生かせないだろうかという思いから、試行錯誤のすえ完成したというアクセサリー

奄美大島の工房で染められたガラ紡のストール。鮮やかな琉球藍のブルー、雄大さを感じる泥染めのブラウンが美しい

奄美大島の工房で染められたガラ紡のストール。鮮やかな琉球藍のブルー、雄大さを感じる泥染めのブラウンが美しい

この魅力的な風合いは、「Suno & Morrison」の齋藤由清乃さんが、素材とまっすぐに対話してたどり着いたもの。それは、こだわり抜いたというよりも、心地良さを大切に歩み続けたすえに自然にできた道のりです。

だからでしょうか、「Suno & Morrison」のアイテムには、暮らしにそっと寄り添うようなおだやかな空気が流れています。

情熱が生み出す、手紡ぎのような風合い

「Suno & Morrison」の齋藤由清乃さん。じっくり丁寧に言葉を紡ぐように話してくださいました

「Suno & Morrison」の齋藤由清乃さん。じっくり丁寧に言葉を紡ぐように話してくださいました

「ガラ紡」とは、ガラ紡機で紡がれる糸の総称。「Suno & Morrison」で使用するガラ紡は、「落ち綿(おちわた)」という、糸になりきれずに残ってしまった繊維から紡がれています。現代の技術では対応できない短い繊維までも糸にすることができるガラ紡機は、日本の伝統技術といえます。

ガラ紡の太さには独特の"むら"がありますが、これこそが手で紡いだような素朴な風合いの秘密です。
機械所有/日清ニット

機械所有/日清ニット

感覚だけが頼り - 情熱も紡がれたガラ紡
「ガラ紡機には重りのようなものがついていて、それを少し前後することで糸の太さが変わるんです。一般的に繊維の長さが一緒だったら均一の糸ができるんですけど、落ち綿の場合は、いろいろな繊維の長さの綿が集まっているので、長い繊維ばかりがたまたまあった場合、短い繊維ばかりがあった場合では、できあがる糸の太さが変わってくるんです。そのため、ガラ紡績工場の方が、そのときの状態を見ながらちょっとずつガラ紡機を操作していくんです」と齋藤さん。

ガラ紡機の操作は、職人の感覚だけが頼りというから驚きです。産地が異なる落ち綿の繊維は、長さもさまざま。ときに湿度によっても変化するほど繊細です。ガラ紡には、このことで必然的に生じる"むら"を、できる限り均一の太さに紡ごうとする職人の技術と情熱が注がれているのです。
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ゆっくりと紡がれた分、空気をぞんぶんに含み、やわらかくて軽やかなガラ紡。とても繊細なゆえ、速度の速い現代の織り機には耐えられず、力織機(りきしょっき)と呼ばれる古い日本の織り機でゆっくりと生地に織られていきます。

「あまりに太い糸になりすぎてしまって、サンプルよりもずっしりと重いものができあがってしまったこともありました。ガラ紡を製品にすることは苦労が絶えなくて、大変な作業なんです」

そう語りながらも齋藤さんの表情は嬉しそう。そこには、ガラ紡への愛情と、力を尽くしてくれる職人の方々への感謝の気持ちがにじんでいるようです。
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心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品
ふれたときの感動がすべて
いくつもの気の遠くなるような歩みを経て、ようやくお客さんの手に届けられるガラ紡のアイテムたち。

「やっぱり風合いでしょうね。最初にガラ紡でストールを手織りしたときの感動がすべてかなって思います。この素材、絶対に気持ちいいって」

ガラ紡を使い続ける理由を、穏やかながら力をこめて話してくれた齋藤さん。優しさがあふれでている可愛らしい笑顔が魅力的です。ふわっとその場の空気を和やかにしてくれる雰囲気ですが、奥底には自分の感覚を信じ抜く強さを秘めています。
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心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品
展示会でガラ紡のアイテムにふれたお客さんから聞こえるのは「これが綿とは思えない」という驚きと喜びが入り混じった声。そんな感動ともに持ち帰られたアイテムは、暮らしの中にそっと寄り添い、ふれるたびに喜びをもたらしてくれます。

魅了されたテキスタイルの世界

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心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品
齋藤さんがテキスタイルの世界に魅了されたのは、美術大学時代。気軽な気持ちでテキスタイル学科に進学しましたが、「どっぷりとはまってしまった」と当時を表現するほど、その世界にのめり込んでいきました。

とにかく好きだったというのが織ったり、刺繍をしたり、無心で行うこと。細かな作業を積み重ねることで表情が浮かび上がる手仕事に心惹かれたといいます。そして、もうひとつ齋藤さんの心が躍ったのは色遊び。組み合わさることで生まれる新たな色の魅力を、絵を描く代わりにテキスタイルで表現したという齋藤さん。

卒業制作では、幅3mほどもある刺繍作品を完成させ、自由な創作活動に没頭した4年間は、「テキスタイルが好き」という純粋な気持ちを育む期間でもありました。

着る人を想い続ける生地づくり

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心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品
大学卒業後、雑貨店で1年間勤務し、ファッションが好きという理由からアパレルブランドに就職。そこで担当したのは、服に使用する生地を企画する仕事でした。何よりも素材を第一に考えるブランドだったことから、求められたのは学生時代とは正反対ともいえる考え方でした。

「工場に伝わりやすい生地の仕様書の書き方とか、そういう業務的なことも学びましたし、テキスタイルが最終的に洋服になったときにどうなるかという考え方を学ばせてもらいました。大学生のときは、好きだと思ったものを自分の世界だけで表現していたんですけど、着る人のことを考えてデザインするということを鍛えてもらいました」
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心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品
「生地を何回も洗濯したあとの風合いまで考えるようになった」という齋藤さん。糸の素材、太さ、織り方に至るまで、着る人を想い続けて生地制作に向き合い、心地良さを生み出していく仕事でした。

素材の触り心地、個性豊かな色彩。アパレルブランドでの体感は、齋藤さんのものづくりの土壌をつくっていきました。のちに、この豊かな土壌は、齋藤さんのアイデアやデザインという種を育て、ブランド誕生に向かってぐんぐんと芽を伸ばしていくことになります。
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心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品
アパレルブランドでの3年が過ぎようとする頃、日々にやりがいを感じながらもふつふつと湧きあがってきたのは「手を動かしたい!」という気持ち。齋藤さんは、会社を退職するとふくらんでいく思いに従うように大きな買い物をします。

「退職してふとどうしようかなと思ったときに、とりあえず、まず自分の手を動かしてみようかなって。思い切って機織り機を買ったんです、結構でかい(笑)」

その大きさは、なんと6畳の部屋をまるごと占領してしまうほど。明確な目的があったのだろうと尋ねると、「そうですね……いわれてみれば、どうして買ったのかな」とふふっと笑った齋藤さん。ですが、ここからの行動は、進むべき道が見えているかのようにまっすぐなものでした。

「手紡ぎ手織り」の風合いを求めて

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鮮明に蘇ってきたのは、「手紡ぎ手織りの生地」の感触。美大時代、アパレルブランド時代に、数多くの素材にふれてきた中で、齋藤さんにとって“一番いい生地”だと感じるものでした。さっそく綿と道具を買ってくると、見よう見まねで糸を紡ぐことからはじめることに。

「糸を紡いで生地を織ってみると、やっぱり手紡ぎ手織りっていいなって思ったんです。すごく不格好というか、きれいではないんですけど、温かみがあるし、素材感も面白いなと感じました」

その風合いに惚れこんだ一方で、自分の手で糸を紡ぐことに限界を感じた齋藤さんは、手紡ぎの糸を購入することを考えましたが、出回っている種類にも量にも限りがありました。
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心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品
これだっと思うとぶつかるハードル……それでも齋藤さんは「手紡ぎ手織り」の風合いを求めて歩みをとめませんでした。心から感じる心地良さに従うことは、ごくごく自然なことだったのです。

「手紡ぎの糸のような風合いの紡績糸はないだろうか」――これまで体感した感触を思い起こすように考えをめぐらしたとき、かすかによぎったのが「ガラ紡」。さっそく購入してガラ紡でストールを織ってみると、その感触は深く心に響くものでした。
初めて手織りした「ガラ紡」のストール。平織りとワッフル状に織られた様子は、やわらかさが目から伝わってきます。齋藤さんにとって思い出深いアイテム

初めて手織りした「ガラ紡」のストール。平織りとワッフル状に織られた様子は、やわらかさが目から伝わってきます。齋藤さんにとって思い出深いアイテム

心に響いた「ガラ紡」の感触
「すごくやわらかくて気持ちが良かったので、これはいい糸だなと思いました。綿という素材は好きだったんですけど、綿なのにこんなにやわらかいのって驚きましたし、もともと手紡ぎ手織りの生地が良いと思っていたので、紡績でここまで手紡ぎ手織りに近づけるんだって」目を輝かせて、そのときの感動をかみしめるように話してくれた齋藤さん。

「それでガラ紡をたくさん買って、インド藍の染料を買って自宅で藍染めをしたり、柿渋液を買ってきて柿渋でガラ紡を染めたりして、ストールやクッションカバーをいくつかつくって展示会をしたんです。それが前身である「su:no」のはじまりです」

この心地良さをたくさんの人へ届けたい

(奥)作家時代に齋藤さんが藍染めして手織りしたラグ。(手前)インドのジャイプールで職人によって織られたコットン100%のラグは、ブランド第一号のアイテム

(奥)作家時代に齋藤さんが藍染めして手織りしたラグ。(手前)インドのジャイプールで職人によって織られたコットン100%のラグは、ブランド第一号のアイテム

2012年頃、齋藤さんは、美術大学の同級生だったご主人と結婚して東京から福岡に移り住み、購入したガラ紡を手織りしてゆるやかに作家活動を続けていました。つくれるアイテムの数には限りがありましたが、手仕事を自分のペースで楽しんでいたといいます。そんなとき、ご主人が背中を押してくれたことをきっかけに大きな1歩を踏み出します。

ご主人とは、学生時代から一緒に何かつくれたらいいねと夢を語り合ってきたのです。それは、若い2人の日常会話といえるものでしたが、齋藤さんのものづくりを楽しむ気持ちを道しるべに現実となるタイミングがやってきました。
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心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品
「手紡ぎ手織りを生業にするのは難しく、どうしても高いものになってしまうんです。なので、手紡ぎ手織りみたいな風合いのアイテムを量産して、広い人たちに使ってもらえないだろうかと思っていて。それで意を決して、ガラ紡績工場に協力してくれませんかとメールを送ったんです」

ガラ紡績屋の社長さんは、齋藤さんの話を聞くと先導をきり、生地を織る機屋、アイテムを形づくる縫製工場までつないでくれ、あっという間に生産ラインが登場したのです。

「とってもどきどきしました」とそのときのことを緊張を思い出すように齋藤さんが笑います。ガラ紡がどれだけ繊細なのか理解していた齋藤さんにとって、真正面から素材に向き合う覚悟も必要だったのでしょう。
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心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品
当時、ガラ紡績屋に持っていったという発注書には、手書きで描かれたストールやラグ、クッションカバーのイラストが並んでいます。やさしいタッチながら、惹きこまれる色彩やデザインには、今に続くすっと筋が通った清々しさがあります。

「これは好きじゃないとできないね」
この発注書を見て、工場を仲介してくれた方がぼそっとつぶやいたという言葉。齋藤さんの中で静かにみなぎる情熱がつたわったとき、「Suno & Morrison」は誕生したのです。

色選びも、心に響くままに

(画像提供:Suno & Morrison)

(画像提供:Suno & Morrison)

「Suno & Morrison」のアイテムの魅力は、素材の心地良さ、そして独特の色の世界。鮮やかさと静けさが同居するブルーや思いもよらずのびる色のラインに目を奪われます。

「色を決めるときに何かを見るってことはないんですけど、インドとか、ビビッドな色を使って考えられない色使いをしていたり、昔出張で行ったバングラディッシュで買ったストールが、渋いグレーの中にぴっとショッキングピンクが入っていたり、常々面白いなと思っているので、それに影響されているかもしれないですね」

素材選びと同じように、色選びも心に響くままに。「Suno & Morrison」の定番ともいえる美しい藍色は、その魅力に惹かれ、以前奄美大島まで藍染めをしに行った工房に今でも染めてもらっているのだそう。
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まさに、手紡ぎ手織り。「カディ」に魅せられて
ガラ紡と並んでブランドの軸になっている素材が「カディ」。ここにも、齋藤さんの才能豊かな色彩の世界が広がります。

カディは、まさに齋藤さんのものづくりの基本でもある手紡ぎ手織りの生地。インドがイギリスの植民地だった時代、人々の自立を促すために生きていく糧として生まれた歴史があり、今もインドで人々に愛され、生業にする人が多く存在します。
きなり色にシルクスクリーンでプリントされたグリーンが生き生きと描かれています

きなり色にシルクスクリーンでプリントされたグリーンが生き生きと描かれています

チェック柄のデザインもすべて齋藤さんオリジナル。ラインが重なりあって魅力的な柄が生まれます

チェック柄のデザインもすべて齋藤さんオリジナル。ラインが重なりあって魅力的な柄が生まれます

「学生時代にネパールの雑貨屋さんでアルバイトをしていたときから、東南アジアの布って面白いなと思っていたんです。でも、ちょっと素朴すぎるというか、粗野なイメージもあって、それも面白いなと思っていたんですけど。アパレルブランドに入ったときに、すごく細い番手できれいに織られている手紡ぐ手織りのカディに出会って。きれいだけどどこか素朴さがあるところに惹かれて、そこからカディがすごく好きになったんです」

インドの工場に送るカディの指示書を見せてもらうと、さまざまな色、太さのラインが織りなす、幾通りものチェックの柄が。そのデザインは、ときに1mmに満たない糸数本でラインを描くこともある緻密なものです。

色使いを考えているときが一番生き生きとしているとご主人にいわれるそう。「自分では意識していないんですけどね」と、嬉しそうに笑いながらご自分でも驚いている様子。大好きな素材で織られることを想像しながらデザインする時間は、とても楽しいものなのでしょう。

気づいたらそばにある存在に

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心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品
お子さんの誕生を機にベビーアイテムをつくりはじめた齋藤さん。ベストやスタイ、なんとも愛嬌のあるぬいぐるみまで。そこには、母としての愛情があふれています。「ガラ紡はオーガニックだし、赤ちゃんにもちょうどいいと思って」と声を弾ませます。

「Suno & Morrison」では、ガラ紡の原料である落ち綿はオーガニックコットン。そのほかカディをはじめたとしたアイテムは、オーガニック素材からつくられています。カタログには、糸の素材に使用されるさまざまな植物の名前と、それが紡がれてアイテムなるまでの工程が丁寧に記され、読みふけってしまうほど。

しかし、これまでも齋藤さんにとっては、こだわりと呼ぶには少し違います。

「普段、オーガニックにこだわっているわけじゃないんです。いいなと思ったものがそうだったということが多くて」

選ぶ理由は心地良いから――そんなシンプルに、正直に感覚に向き合う姿勢に、驚きに似た気持ちに包まれました。齋藤さんは、気負いなく、どこまでも自然体なのです。
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心地良さを求めて。糸で紡ぐ暮らしの品
「ブランドの名前で買ってもらうんじゃなくて、気持ち良くて使っていたらSuno & Morrisonだったというのが理想ですね。生活に寄り添うような、あまり主張しないで、気づいたらあったみたいな、そういうブランドのポジションが理想だなって思います」

ブランドにかける思いを齋藤さんにたずねると、こうゆっくりと話してくれました。

心に響くことを大切にしながら、齋藤さんがゆっくりと歩む先には、偶然とも必然ともいえるような出会いが重なり、心地良いアイテムが生まれていきます。


(取材・文/井口惠美子)
Suno & Morrison|スノアンドモリソンSuno & Morrison|スノアンドモリソン

Suno & Morrison|スノアンドモリソン

齋藤由清乃さんが感じる心地良さを道しるべに、オーガニックコットンの「ガラ紡」を中心に、インドの手紡ぎ手織りの生地「カディ」など、実際に使ってみて気持ち良いと感じた素材でものづくりをしています。ストール、ラグ、クッションカバーなど、暮らしを彩る品々を展開。素材を大切にしたアイテムは、やさしく、温もりある風合いが魅力です。

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