名物店主のお買い物日記 no.39
大切な言葉をしまって。「手紙の宝箱」の話―park 町田紀美子さのカバー画像

大切な言葉をしまって。「手紙の宝箱」の話―park 町田紀美子さん

キナリノモールに集うストアの個性的な店主たちが、自腹を切って買ったものや愛用品をひたすら語る、徒然お買い物リレー。今回は、大切な言葉がたくさん詰まった、「手紙の宝箱」のお話です。

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2022年06月20日作成
町田紀美子
park
町田紀美子
かねてよりの道具好きが高じて東京都調布市深大寺に生活道具とカフェの店「park」を始める。作り手のスピリットや背景に心動かされ、実感を持ってお勧めできるもののみ店内に並ぶ。道具なら使い勝手、身につけるものなら肌触りや着心地、潔いシンプルさと遊び心が共存するメンズライクなものが好み。音楽、映画、アート、読書、山登りが好物。好きな居場所は自宅、陽だまりのpark、平日朝イチの映画館。冬が始まる前の早朝登山路は、空気もまるごと天国だと思っている。
大切な言葉をしまって。「手紙の宝箱」の話―park 町田紀美子さん
大切な言葉をしまって。「手紙の宝箱」の話―park 町田紀美子さん
「お友達と手紙のやりとりをするようになったら、その手紙やお気に入りの葉書を入れてください」

長男が小学校に入学するときに、家具職人の友人がレターホルダーを贈ってくれました。絵や文字を描くことが大好きだった長男は、早速夫と私とお手紙交換をスタート。木製の小さなレターホルダーは、お部屋ポストとして活躍したのでした。

レターホルダーの中に、彼のイラストやその日の気持ち、願いなんかが書かれたノートの切れ端を見つけ、私たちが夜にお返事を忍ばせる……。その文通は、それはそれは楽しくて。成長とともに、中身はお友達からの手紙でいっぱいになり、外との繋がりがどんどん広がっていく様を目の当たりにして勝手にしみじみする母なのでした。

大切な言葉が詰まった彼のレターホルダーが羨ましくて、しばらくして同じものを購入。今も自宅の机に置いて、数々の言葉をいつでも見られるようにしています。思えば、私の関心ごとは、いつも言葉の中にありました。

携帯電話の登場なんてまだ先の話だった小学生のころは、仲良しの友人たちと長いこと交換日記をしていました。毎日会っているのに、書くネタに困ることはなかったな。

高学年になって、ひょんなことから鹿児島に住む同い年の女の子と文通をしたこともありました。彼女が送ってくれる言葉から、東京在住の私にとっては遥か遠い場所である土地に思いを馳せ、情景を想像し、空気を感じていました。中学生のときは、シドニーで暮らす従姉妹と文通をし、イメージの世界はグローバルに広がったのでした。
大切な言葉をしまって。「手紙の宝箱」の話―park 町田紀美子さん
誰かを思って手紙をしたためることは、一文字一文字に気持ちを込める行為だなぁと思います。その人の筆跡で綴られた文字は、形ごと記憶に留まってくれるのも素敵。

夫や子どもたち、両親、友人、共に働く仲間たちがくれた言葉。小説や映画のワンシーンで心に残った言葉を書き留めたメモ用紙、展示会でもらったDMにある文章……。大切な言葉が収まるレターホルダーは、私にとって「開かれた宝箱」。必要な言葉がすぐに取り出せて、温かな感情を贈ってくれるギフトボックスでもあるのです。

前回に続き、木目シリーズ第2弾となりました。「kijirushi」のレターホルダーはナラ材が使用されています。魅力は何といっても、ごくシンプルで無駄のないフォルムが生み出す佇まいの美しさ。丈夫で傷がつきにくく、年月を経て少しずつ色濃く変化していく様も楽しみのひとつです。

ちょこんと置いて使ったり、壁や柱に掛けることもできて風景の一部を作ってくれるレターホルダー。たくさんの思い出を手軽に取り出せる魔法の小箱はいかがですか。

今回紹介したアイテム

次回の“名物店主”は6/23更新予定。お楽しみに!

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