心が潤う何気ない日常の一コマ
暮らしに「伝統的工芸品」の温もりを
「匠市」で見つけた、“一生モノの生活用品”
なかでも大きな特長のひとつが、「主として日常生活で使われるもの」とされている点です。卓越した技術で作られた工芸品ではあるものの、あくまで「日常の暮らしの中で使えるもの」がコンセプト。だからこそ、“一生モノの生活用品”として、ずっと生活の中で役立ってくれるんです。
最近では伝統的工芸品産業振興協会の公式オンラインショッピングモール「工芸百貨 匠市(たくみのいち)」もオープンし、より気軽に質の高い伝統的工芸品を手に入れられるようになりました。今回はそんな「匠市」からセレクトした、素敵なアイテムをご紹介します。
温かさと華やかさをプラスしてくれる食器たち
江戸時代後期に中国やタイから伝わった技法を取り入れながら発展した「香川漆器」。現代の食卓に馴染むようにデザインされたカップは、フチと持ち手のカラフルな漆塗りがアクセントに。家族やパートナーと色違いで揃えたくなります。漆器は熱を通しにくいので、あたたかい飲み物が冷めにくいのも嬉しいポイントです。
香川漆器 彩漆塗 スプーン からし|匠市
香川漆器 彩漆塗 スプーン 藍|匠市
香川漆器 彩漆塗 スプーン 白|匠市
江戸時代に富山県の高岡城の城下町で生まれた「高岡漆器」。貝がらの内側の輝く部分を使った繊細な螺鈿(らでん)細工がグラスの底面に施されています。十二角になったグラスは、お酒などを入れるとそれぞれの面が底の模様を反射して、まるで万華鏡のような美しさ。普段使いはもちろん、来客時のおもてなしとしても喜ばれそうです。
目に入るたび、心ときめくインテリア
細く加工した繊細な竹で作られる「駿河竹千筋細工」。400年もの歴史があるといわれており、もともとは武士の内職として始まったのだそう。こちらはそんな竹とガラスを組み合わせた和モダンな花器。花や植物を無造作に活けるだけでおしゃれに見せてくれます。影まで美しく、ずっと眺めていたくなりますね。
高温で溶かした金属を熟練の技術で鋳型に流し込んで作る「高岡銅器」。曲線のフォルムがかわいらしいこちらの「まわりん」は、仏壇などに置かれる「おりん」を日常使いできるようにアレンジしたもの。ゆらゆら揺らしたりコマのように回したりすることで振り子が揺れて、リーンと涼やかな音色が響きます。仕事の合間に気分転換したいときや、ざわついた心を落ち着かせたいとき。心地よい音が気持ちを切り替えるスイッチになってくれます。
気の利いたプレゼントには素敵な小物を
50種類以上の樹木を色によって使い分ける「箱根寄木細工」のイヤリング。天然の木の色の違いによって生まれる緻密な模様に、思わずうっとりと見とれてしまいます。ゴールドの金具と木の組み合わせは肌なじみも抜群。普段のよそおいにさりげないアクセントをプラスしてくれます。ピアスタイプもありますよ。
千数百年も前から京都に伝わる絞り染めの伝統「京鹿の子絞」のルームシューズ。鹿革に手作業で染められた藍色の模様が入っています。鹿の革はとてもやわらかく、かかとを踏んでさっと履いても、かかとを覆うように履いても◎。おうちで過ごすことが多いからこそ、ちょっといいルームシューズは誰に贈っても喜んでもらえるアイテムです。
江戸時代に徳川幕府のもとで発展した「江戸からかみ」。手作業で作られた優しい風合いの和紙に松の柄がデザインされたおしゃれなご祝儀袋は、大切な人に温かいお祝いの気持ちを届けてくれます。松をかたどったかわいい水引は、水引作家の松本道子さんによるもの。
全国どこからでも伝統工芸に出合える「匠市」
「伝統的工芸品」と暮らす素敵な毎日を
※手作りのため多少の個体差があります
Photo/Yuichi Noguchi
三重県の「伊賀焼」は、優しい土の質感や、高温の窯で焼くことによって生まれるビードロというガラス質が特徴。薄手の板皿ながら手に持つと感じられるどっしりとした土の重さは、伊賀焼ならではです。落ち着いた色合いの5色がセットになっていて、和菓子はもちろん、洋菓子やおつまみなど、何をのせてもおしゃれに見せてくれます。テーブルコーディネートを考えるのも楽しくなりそうですね。