好みの見た目、詰めやすいかたち、ちょうどいい容量、長く使える丈夫さ、
そしてもちろん、詰めたごはんの美味しさを保てるかどうか……。
お弁当箱に求めることは人それぞれ違いますが、
たくさんあるお弁当箱のなかから、何を基準に選べばいいのかを見定めるのは難しいこと。
曲げわっぱ・木製・竹製のお弁当箱の特徴は？
木や竹の自然素材の薄板を曲げて作られる円筒形の、曲げわっぱのお弁当箱や、着色をしていない白木などから作られる木製のお弁当箱は、見た目の美しさだけでなく、お弁当箱としての機能性も良いことが特徴です。
例えば、湿度が高いときには水分を吸収しくれて、逆に低いときには水分を放出してくれる、調湿効果があるので、ごはんの美味しさを保つことができます。
また、木の素材で杉やあすなろを使用したものや、竹から作られるお弁当箱には殺菌効果もあって◎。
曲げわっぱ、といったら…
岡山県の北部に位置する美作で採れる杉や檜、山桜の樹皮から作られる曲げわっぱのお弁当箱。この地域で、山仕事をしているきこりの方々が、これらの素材で作られる曲げわっぱのお弁当箱を「めんつ（面桶）」と呼び昔から愛用していました。蓋板と底板に美作杉が使われ、側面は美作檜を山桜の樹皮で留めて作られている見た目も美しい「美作めんつ」のお弁当箱は、無塗装で作られており、機能性も◎。
無塗装なので木地の持つ調湿作用により、
冷めたご飯も固くならず、美味しく味わえるところ。
さらに檜や杉の持つ殺菌作用にも期待できます。
ちなみに、美作めんつは硬くて丈夫な檜を側面に使うことで、
杉だけでつくられた曲げもののお弁当箱よりも、強度が高いそう。
長く受け継がれる理由は、こんなところにもあるのです。
「美作めんつ」のお弁当箱は、サイズが豊富なことも特徴です。形も「小判型」と「小判型スリム」の2種類があり、小判型はW160×D105×H50mmの、小判型400から、550、600、700と揃っており、小判型スリムはW150×D85×H53mmの、小判型スリム300から、400、460、550とあり、それぞれ4種類、計8種類から選べます。
毎日お仕事を頑張るお父さんには、一番大きな「小判型 700」を。
深さもしっかりあるので、焼き鮭一切れがご飯の上にきちんとのっかります。
小さなお子様のお弁当デビューや、果物、サラダを別にしたいときは、
「小判型 400」や「小判型 スリム 300」でもいいかもしれません。
通勤バッグに一緒に入れて持ち運びたい人には、
鞄のマチにすっきりと収まる「小判型 スリム」がおすすめ。
どのお弁当箱にも、仕切り板が１つずつ付いており、「小判型 600」の場合は、少し短めになるので、1：1の仕切りとしてだけでなく、1：2で仕切ることもできるので、おかずに合わせて調整ができて便利。
秋田の曲げわっぱを代表する会社の一つである1874年創業の「栗久」。長期間使用できるように、外側だけウレタン塗装が施され、内側は白木のままなので、粗熱と余分な湿気を取り、秋田杉の香りがする美味しいご飯が食べられることが特徴です。
サイズも豊富で、W190 D90 H85mm、容量が上段350ml 下段500mlの曲げわっぱのお弁当箱 小判入子小や、W200 D130 H42mmの「曲げわっぱのお弁当箱 小判型大」などの他、スリムサイズやキッズサイズなどもあるので、家族みんなで曲げわっぱのお弁当箱を使うこともできます。
木製のお弁当箱、といったら…
石川県輪島市で約150年の歴史を持つ「輪島キリモト・桐本木工所」で、上質な檜翌檜(ヒノキアスナロ)を使用して作られた、「あすなろのBENTO-BAKO」。
優しい色合い、気持ちのよい芳香、耐久性に富み加工性にも優れる”あすなろ”の良さをそのままに、木地職人が丹精を込めて一点一点手作りで仕上げています。
素材の美しさをそのままに、精巧につくられた弁当箱は、潔く美しい大人の女性のよう。本物を求める「大人のためのお弁当箱」という名が相応しい逸品です。
四隅がぴったりと治まり、中も外も隙間が一切なく、蓋もズレることなくすっきりとおさまり、使い勝手も良いうえに、蓋や箱の四隅は面取りが施され、さらに側面の留め部分には朴(ほお)の木が使用され、淡い色のヒノキアスナロとのコントラストがも美しく、デザイン性も◎。
ヒノキアスナロには「ヒノキチオール」という癒しの効果がある成分が含まれており、すがすがしい芳香を楽しむことができます。
食べ終わった後にお弁当箱を温かいお湯ですすぐと、まるでヒノキ風呂に入っているかのような香りも…。日常にほっこりと幸せを感じられる香りです。
ヒノキチオールの香りには、緊張の緩和・ストレスの軽減・リフレッシュ・リラックス効果があるとされています。おいしいご飯を食べながら清々しい香りで癒されて下さいね。
1945年創業の「松野屋」。現在は自然素材を中心とした生活道具を扱っています。こちら「宮崎杉 二段 弁当箱」は、日本一杉の生産量を誇る宮崎県の杉の木から職人の手により丁寧に作られた見た目も美しい宮崎杉のお弁当箱。
温暖な気候の宮崎県の豊かな土壌で育った杉は、油分を多く含んでおり軽く丈夫なお弁当箱に仕上がっています。仕切りもついているので、中身が詰めやすいことも◎。
竹製のお弁当箱、といったら…
1898年の創業以来、昔から日本人になじみ深い竹の良さを伝える品を京都でつくり続けてきた「公長齋小菅」の「積層弁当箱」。
燻した竹の板を無数に積み重ねて作る「積層材」という連続した竹の模様が美しく、本体と蓋のそれぞれの凹凸はぴたりとはまるので使い勝手も◎。 パッキンのないシンプルな箱型は、サンドイッチやいなり寿司などがきれいに収まり、中身を美しく演出してくれるので行楽用にも良さそう。
日本でも有数の竹林保有面積を誇る鹿児島県の真竹を天日干し、または煮沸処理し、色味と脂分を抜いた「白竹」を用いて手作業で丁寧に作られる竹の弁当箱は、軽くて丈夫で、通気性も◎。
丸形より角形の方が編むのが難しいと言われている竹製品。きれいに幅を整えられ、職人の手により丁寧に組まれ、規則正しく打ち込まれた真鍮の金具など、デザイン性や完成度も高く、色味も使い込むと飴色に変化していき、ますます愛着がわきそう。
アルミ製・ステンレス製の特徴は？
ただし、アルミ製もステンレス製も電子レンジであたためるのはNGです。
また、ステンレス製のお弁当箱は強力な膜によりニオイ移りがしにくく、アルミ製は食洗機で洗えませんが、ステンレス製のお弁当箱は食洗機の使用が可能です。が、中にはステンレス製でも使えないアイテムもあるので、商品の使用説明を良く読んでから使うようにしてください。
アルミ製のお弁当箱、といったら…
good design companyの水野学氏と、中川政七商店の中川淳氏が中心になり立ち上げたブランド「THE」。「THE LUNCHBOX」は、刻印が入る前の1円玉の原型を作っているアルミ総合メーカー「アカオアルミアルミニウム」のアルマイトのお弁当箱です。
この世界には未だ「ＴＨＥ」と呼べるものが明確に存在しないアイテムも数多く残されています。
「THE」が目指すのは、そんな、世の中の定番づくり。
世の中の定番と呼ばれるものの基準値を引き上げていくこと。 これからの「THE」を作っていくこと。
「これこそは」と呼べるアイテムを生み出していくこと。そんなモノづくりを目指したブランドです。
アルミニウム表面に人工的に分厚い酸化アルミニウム被膜を作り、アルミニウムの耐食性や耐摩耗性を向上させたアルマイト。「THE LUNCHBOX」は、一般的なアルマイトのお弁当箱よりも底面積を小さくし、高さを高くすることで蓋が外れにくくなり、 汁漏れなどが起きにくく、しかもカバンの中でも邪魔にならない形状を実現し、機能性も抜群。
ステンレス製のお弁当箱、といったら…
日本一のステンレス加工産地である新潟県燕市にて大正11年に創業したステンレスメーカーの「工房アイザワ」。丈夫なステンレス製品を長く愛用してもらいたいと、良質で丁寧なステンレス製品を多く生み出している工房アイザワの「角型ランチボックス 小 2段」。
ものづくりに時間がかかっても、その職人による手作業を大事にしている工房アイザワ。ランチボックスを作る最後の2工程（磨き、ランチボックスの端の処理加工）の仕上がりを大事にし、手触り良く、使い易く、そして見た目の美しさにもこだわっています。手間を惜しまず、良質なものづくりを行っているからこそ、ずっと長く愛用したいと思うランチボックスなのかもしれません。
18-8ステンレス（ニッケルを含む）が使用されており、錆びにくく、丈夫なステンレス製のお弁当箱はお手入れも簡単。また、フタのゴムパッキンは取り外しが可能なので、衛生的でフタもしっかり閉じることができるので、汁気の多いお料理もこぼれにくくて◎。
レトロな外観が素敵なステンレス製のお弁当箱ですが、シルバーだとちょっと味気ないという方には、こちらの木蓋付きでカラフルなステンレス製のフードボックスがおすすめ。
朱色と黒があり、本体のステンレスの部分は、上記でも紹介した日本一のステンレス加工産地である新潟県の燕三条で作られており、フタの部分は樹齢200年の古代杉から作られているため、見た目の美しさだけでなく、ご飯を入れた際に余分な水分を吸って冷めてもご飯が固まらず、美味しさを保ってくれる機能性も◎。ただし、こちらのお弁当箱は食洗機の使用は不可なのでお気をつけください。
木を紙のように薄くした
和のキッチンペーパーのような経木。
通気性や殺菌性に優れており、昔から
食べ物を包むものとして活躍していました。
このお弁当箱はそのような経木の役目を
持たせるため、蓋に古代杉の木蓋を
使用しています。
プラスチック製の特徴は？
プラスチック製のお弁当箱は、電子レンジで使用でるのが最大の特徴です。電子レンジが置いてある職場で冬場に特に重宝してくれます。また食洗機の使用も可能で、密閉できるものも多いので、汁漏れの心配が少なく、使い勝手が良いものが多く揃っています。
プラスチック製のお弁当箱、といったら…
北海道札幌市を拠点に、昭和24年の創業以来、プラスチック部品の金型、成型加工、製品組立を手掛けてきた「三好製作所」の保冷剤とフタが一体化した、プラスチック製のお弁当箱。
フタの部分に保冷ジェルが入っており、フタはシンプルな板状なので、冷凍庫の隙間に差し込むことができ、場所を取りません。
カラーは左からベリーブルー、オリーブグリーン、ビスケットベージュ、ミルクホワイトの4種類。サイズも約220mlのS、約400mlのL、約500mlのSGの３サイズあり、Sはサラダやフルーツを入れておくのに最適かも。フタ以外の部分は電子レンジで使用可能なので、１つはサラダ、もう１つはおかずとご飯にわけて持って行けば、サラダは冷たいまま、おかずとご飯はあたたかくしていただくことができてとっても便利。
女性や小さい子どもにちょうど良い、W190×D120×H55mmのハーフサイズのプラスチックのお弁当箱。
プラスチック製なので、電子レンジも食洗機も使用でき、フォークの端がナイフの刃のようになっているフォークナイフ付きなので、簡単に片手で食べる事ができ、使い勝手も◎。カラーはオレンジ×ホワイトとライム×ホワイトの2種類で、どちらもすっきりとした明るい色合いが素敵。
ホーロー製の特徴は？
鋼や鋳鉄、アルミなどの金属の下地にガラス質の釉薬を塗って、高温で焼き付けて融着させたホーロー。金属の強さとガラスの耐食性を合わせもっているため、ホーロー製品は劣化しにくく、とても長持ちし、直火にかけることもできます。また、雑菌がつきにくく、塩や酸に強いので食材の質を変える事もなく、食品のニオイ移りもなく機能性もバッチリ。
琺瑯のお弁当箱、といったら…
80年以上の歴史を持ち、ホーロー製品に使用される鋼板の成型から焼成まで、自社で一貫製造している国内唯一の琺瑯メーカー「野田琺瑯」の「野田琺瑯のホワイトシリーズ」の、お弁当箱としても使用できる保存容器。
野田琺瑯のホワイトシリーズは、それまで色や柄があるものが主流だった琺瑯製品を白一色というデザインに統一し、シンプルで使いやすさを追求して生み出されたアイテム。
発売から10年後の2013年には「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞し、いまや料理のレシピ集や作り置きレシピの紹介においては見ない日は無いと言っても過言ではありません。
野田琺瑯のホワイトシリーズは、お料理好きの方にもデザイン好きの方にも一目置かれている保存容器の名品です。
深さがあるのでおかずを詰めやすく、使用後に洗うのも簡単で、シンプルなホワイトのホーロー容器は見た目もお洒落なのでお弁当箱としても使えます。他にも下ごしらえの際に、バットやボウルとして使用できたり、オーブントースターにそのまま入れて焼き上げたりすることも可能なので、１つあるととても重宝しそう。
岡山県倉敷市にて、雑貨を扱うブランド「倉敷意匠」のホーローのお弁当箱。上記で紹介した老舗メーカーの野田琺瑯で制作されたお弁当箱に、布小物作家やイラストレーターとして活躍しているmitsou（ミツ）氏がイラストを描き、可愛らしいお弁当箱に仕上がっています。
上段のあずき色のまるや、下段左のてんてん、下段右のまるまるなど、シンプルながら可愛らしいイラストはホワイトのホーローに似合い、ランチタイムを明るくしてくれそう。
曲げわっぱ、アルミ、ステンレスなど、種類も様々なお弁当箱。素材によって特徴も異なるので、選ぶのも意外と大変。例えば、職場に電子レンジがある方は、あたためやすいプラスチックの素材を選んだり、でも匂い移りが気になるという方は、ステンレスにしたりと、自分のライフスタイルに合わせて選んだり、見た目で選んだり…迷ってしまいますよね。