野菜のヘタ取りや果物のカットなど、ちょっとした作業に重宝するペティナイフなどの小型ナイフ。包丁とは別に持っているとなにかと便利なアイテムです。機能性もデザイン性も兼ね備えた国内外のペティナイフ、小型ナイフをご紹介します。（写真は、ロベルト・ヘアダー社の風車のナイフ）

1872年に創業したドイツの刃物メーカー「Robert Herder（ロベルト・ヘアダー）」の、フルーツ＆ベジタブルナイフ。刃に刻まれた風車のマークは同社のシンボルです。ひとつひとつ伝統的な技法で手作りされ、刃の部分がとても薄く鋭い作りになっています。

刃渡りが8cmあまりとミニサイズなので、野菜などのヘタ取りや、卓上でフルーツを切るのにも適しています。食材を細かく刻んだり、飾り切りをしたりなどの繊細な作業も可能です。柄は、プラム材とオリーブ材の2種類。こちらの色の濃い方がプラム材です。木製の持ち手の部分は丸みを帯びていて手になじみ、使い込むほどに風合い豊かになっていきます。

同じくロベルト・ヘアダー社の「オールドジャーマンナイフ（食卓用万能ナイフ）」。刃渡りはフルーツ＆ベジタブルナイフよりも少し長くなっていますが、刃先が尖っていないので、食卓で使いやすいサイズと形です。写真のようにチーズを切ったり、野菜や果物も切ったりすることもできる万能ナイフです。

パンを切るのも、バターやジャムを塗るのもこれ一本でできてしまいます。刃先が丸くなっているので、スプーンを使わずにジャムやペーストを瓶から掬えます。

1954年創業の新潟県燕市のステンレス刃物メーカー「吉田金属工業」が、プロダクトデザイナーの山田耕民氏とともに開発し、1983年に発売された「GLOBAL（グローバル）」。グッドデザイン賞を受賞するなど、そのデザイン性と機能性に対し、国内外で高い評価を得ているロングセラーです。

刃渡りが13cmと、ペティナイフとしては大きめのサイズなので、幅広い用途で使えます。刃から柄までが一体化された珍しい構造になっていて、スタイリッシュな美しさも大きな特徴です。持ち手もステンレス製で全体を洗いやすいので、清潔に保つことができます。

GLOBALの包丁・ナイフは、専用のシャープナーでお手入れできるのも大きな魅力。砥石で研ぐのが不安…という方にはおすすめです。

料理研究家の有本葉子さんと、新潟燕三条の刃物メーカー「藤次郎」の熟練の職人によって開発された「la base（ラ バーゼ）」の包丁シリーズ。ラ バーゼは、“メイドインジャパン、上質、基本の料理道具”をコンセプトに、新潟県燕市の職人たちと時間をかけて作り上げたキッチンウェアを扱うブランドです。

ラ バーゼの包丁シリーズには、プロの料理人向け包丁に使われるさまざまな技術が盛り込まれています。刃の部分は、コバルト合金鋼とステンレス鋼の三層割込み材で、鋭い切れ味。コンパクトサイズですが、アジの三枚おろしまでできてしまうんです。

柄には、木目が美しく耐久性もあるオリーブ材を使用し、オイル仕上げで手にもなじみやすくなっています。ペティナイフは左から2番目ですが、右隣の三徳包丁よりも柄が細く長く作られており、しっかりと握ることができます。

新潟県三条市の刃物メーカー「庖丁工房タダフサ」のペティナイフ「万能125mm」です。1948年創業の同社は、当初は漁業用の刃物を手がけ、その後家庭用や本職用の刃物の製造を始め、現在に至ります。製品に刻印されたシンボルマークは、鍛造の際に使用する「火箸（やっとこ）」という道具をモチーフにしています。

プロダクトデザイナーの柴田文江氏によるデザインで、女性の手になじみやすいように作られています。さびにくいSLD鋼をステンレスで挟んだ三層構造となっており、切れ味も抜群です。右利きの方でも、左利きの方でも使えるのも魅力ですね。

木の風合いが生かされた柄には、硬く腐りにくい栗材を使用。さらに、特許技術を用いて炭の一歩手前の「抗菌炭化木」になるまで燻すことで、抗菌性を高めています。

カラフルな柄と傘マークがかわいい、フランスの老舗ナイフメーカー「LE'CONOME（レコノム）」のペティナイフ。木製の持ち手は軽くて握りやすく、皮むき・ヘタ取り・細かく刻む作業など、細かな作業もしやすくなっています。

機能性はもちろん、カラフルなのでキッチンのアクセントにもなりますね。生もの用とバター用など、色違いで複数持ちたくなります。専用のカバー付きなので、ピクニックやキャンプなどのアウトドアユースにも。お手頃価格なのも魅力です。

細かい波刃が食材をとらえてくれるので、柔らかいトマトや果物もこのようにきれいに切ることができます。持ち手は、手になじみやすく滑りにくいように、人間工学に基づいて設計されています。切るだけでなく、バターやジャムを塗ったりするナイフとしても活躍する、とても使い勝手がよいアイテムです。こちらも価格が比較的お手頃です。

国内外のメーカーからペティナイフなど小型のナイフをご紹介しました。ずっと使う道具だからこそ、用途や他のキッチンツールとの組み合わせも考えてじっくり選びたいもの。自分用にも、大切な方へのギフトにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。