端正なシルエットが美しい「ドクターマーチン」
いつかは履いてみたいと憧れを抱きつつ、おしゃれ上級者じゃないと履きこなせないと思っている方も多いのではないでしょうか。
始めに：ドクターマーチンが愛される理由
「ドクターマーチン」とは
1945年、ドイツの医師クライス・マーチンがスキーの事故に遭遇した際にリハビリ用に、タイヤのラバー素材に空気を入れて、ドクターマーチンソールを開発したことで始まりました。
ワークブーツとしてのイメージから、ミュージシャンの支持を集めたことで、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、クイーンなどの大物ミュージシャンが愛用しました。
現在ではブーツを中心に、世界で年間1,200万足を売り上げるまでに成長しています。
「ドクターマーチン」の魅力
職人さんの手作業でひとつひとつ丁寧に生み出されるドクターマーチン（Dr.Martens）の靴は、長く履き続けられる耐久性の良さがまずは一番の魅力ですよね。
さらに、クラシカルでメンズライクなデザインは飽きが来ることがなく、ファッションもユニセックスなものはもちろん、ガーリーなものからナチュラルテイストなものまでさまざまなコーデで楽しめます。
端正な表情がカッコいい定番の8ホール、3ホールといったレースアップのほか、ストラップシューズ、ローファー、サンダルなど、バリエーション豊富なのも大きな魅力。
大切に履き続けていきたいお気に入りの一足が見つかること間違いなしです。
＜レースアップシューズ＞２選
※レースアップ≒靴紐で結びあげる、ホールがついたタイプのこと。
【１】1460 8ホールブーツ (1460Z 8 EYE BOOT 8ホール)
1960年4月1日に生産ラインにのったということを表す名前を持っているのはドクターマーチンのファーストモデルである「1460 8ホールブーツ」です。
ドクターマーチンの定番中の定番です。
しっかりとした耐久性のある革を使っており、型崩れしにくいのが特長。
ぐるりと縁を囲むようにイエローのウェルトステッチが入っているのが、いわゆるドクターマーチンらしいブーツですよね。
履き口にはブランドロゴが入ったヒールループがついており、おしゃれで洗練されたアクセントになっています。
ちなみに、今年は1460モデルの生産が始まってから60年という記念の年なんですよ。
└「1460 8ホールブーツ」のコーデ例
表情豊かなガーリーなスカートも、8ホールブーツを合わせると、キリッとしたスタイリッシュな印象に。デニムジャケットも相性がよく、甘辛な遊び心感じるスタイルになっています。
シンプルなスカートコーデにもドクターマーチンはよく合います。
タイトな黒のリブスカートから続く足元の黒いドクターマーチンがさりげないカッコよさを表していますね。
細身のチェスターコートと大きめ襟のシャツで、ちょっぴりメンズライクなコーデには、裾をロールアップしたデニムを合わせて。
ドクターマーチンの紐の結びがきれいに見える位置で裾をロールアップしておくと、バランスよく着こなせます。
ステンカラーコートを軽やかに翻す、スポーティーなメンズライクコーデ。
スニーカーを合わせるとカジュアルテイストが強くなってしまいますが、ここでドクターマーチンを選ぶとかっちりとしたスタイリッシュな印象になります。
ボーイッシュなテイストのファッションに合わせれば、カッコイイ雰囲気の足元を作ることができます。スキニーパンツの裾をブーツの中にインして足首周りをすっきりと。
ドクターマーチンのきれいなシルエットがはっきりと見えるクールなコーデに仕上がりました。
〈おまけ〉オールブラックタイプもあります
モノ8ホールシューズ（1460 8 EYE BOOT MONO 8ホール）
同じ8ホールブーツで、“MONO”という、ステッチやソール、プルタグまで黒くなっているタイプもあります
クラシカルな雰囲気があって、エレガントな装いにもよく合いますよ。
【２】1461 3ホールシューズ
GIBSON（ギブソン）
ローカットのドクターマーチンの定番といえば、「1461 3ホールシューズ」ですよね。こちらも、1460と同様に、1961年4月1日に生まれたのが名前の由来となっています。
タフな格好良さを感じさせる「ギブソン」は、男女問わず人気。メンズライクな靴ですが、レディなワンピースともマッチするデザイン性で、愛用者が多いですよ。
SMOOTH
こちらはスムースレザーを使ったタイプ。艶のあるスムースレザーをアッパーに使用しており、滑らかで質の良い雰囲気を醸します。
ローカットのものは、ブーツタイプのものよりも季節を選ばず、一年中使うことができますよね。
履き始めはすこし硬い感じがしますが、履いているうちに足に馴染んでいきます。アッパーがきれいに馴染むと、独特のバウンシングソールの機能性も上がり、歩きやすさも向上するんですよ。
3ホールは華奢な足首を見せることで、メンズライクな装いの中に、女性らしさをプラスすることもできる逸品。一足持っていると便利に使えます
PLAIN WELT
└「1461 3ホールシューズ」のコーデ例
すっきりとしたIラインのパンツコーデにドクターマーチンを合わせると、ぐっと存在感のある立ち姿になりますね。スタイリッシュに、軽すぎず、重すぎず、ちょうどいい足元を演出できます。
ウエストマークしている細いベルトとドクターマーチンの革の質感がうまくリンクして、全体がまとまって見えますね。
ドクターマーチンの爪先の丸みを帯びたフォルムがよく似合うのがロングスカートコーデです。たっぷりとしたスカートのボリューム感にも負けていません。
シンプルな配色の中で、足元に黒を持ってくると、コーデがきゅっと締まります。安定感のある大人カワイイスカートコーデに仕上がりました。
フルレングスのパンツに合わせるときは、ちらりと肌が見えるようにすると女性らしい優しい華奢な雰囲気をアレンジすることができます。
ナチュラルでアクティブなイメージながら、ドクターマーチンの素材感の良さでワンランク上のおでかけにも対応できるエレガントさがプラスされましたね。
丈の長いワンピースにタイツと合わせたドクターマーチン3ホール。上半身に羽織りものを持ってくると、どうしても下半身が軽く見えがちですが、ドクターマーチンなら全体のバランスもばっちり！
しっかりとしたかかとの高さがあるので、歩きやすく、お散歩もすいすいはかどります。ガーリーコーデにクールなアクセントをつけてくれますよ。
＜ストラップシューズ＞２選
【１】POLLEY（ポリー） Tバーシューズ
1950年代に人気のあったメリージェーンというモデルの復刻版である「ポリー Tバーシューズ」。
しっかりと磨き上げられた光沢感のある仕上がりで、マニッシュコーデからガーリーなスタイルまでいろいろなコーデに使えます。
滑らかな丸みのあるフォルムに四角いバックルが端正な雰囲気をプラスしています。すっきりとした印象で、合わせるソックス次第で表情が変わるのも魅力的。
└「POLLEY Tバーシューズ」のコーデ例
ふんわりとしたボリューミーなワンピースにシックな靴下とポリーTバーを合わせて、落ち着きのある大人っぽいコーデに仕上がりました。
ドクターマーチンのつやつやとした革の質感で、品のある雰囲気が演出されています。
隙間がうまれるストラップシューズだからこそ、遊び心のある靴下のカラーで、黒レザーとのコントラストを楽しんでみても◎ 赤×黒のコントラストがきれいで、足元の引き締め効果も生まれます。
もちろん、素足に組み合わせても。こちらは、白×黒のモノトーンコーデですっきりまとめています。
足元に何を合わせるか迷いがちな、ふんわりとしたシフォンプリーツスカートですが、ポリーTバーを合わせればこんなにエレガントな仕上がりに。
ちらりとのぞく光沢感のある爪先に心がはっとしますね。コーデの細部にまで心を配っていることがよく分かります。
【２】INDICA メリージェーン
INDICA MARY JANE（インディカ メリージェーン）は、アーカイブから復刻したストラップシューズ。シンプルなワンストラップに丸みを帯びたバックルが付いています。
クラシカルなフォルムで、モードな着こなしにもガーリーな装いにもよく合い、いつものコーデをひと味チェンジしたいときに使える一足ですね。
└「INDICA メリージェーン」のコーデ例
シンプルなベージュのワンピースにインディカメリージェーンを合わせると、とたんにお出かけスタイルに変身！
太めのストラップで足の甲がきれいにみえます。ストラップは甲に沿うようにぴったりと留めると、エレガントな印象が強まりますよ。
フルレングスのギャザースカートに薄手の靴下を合わせたガーリーなスタイルに、インディカメリージェーンはぴったり。靴が纏うイメージに寄り添ったコーデです。
靴下は薄手のものをチョイスするとこなれ感がプラスできます。大人の女性だからこそ着こなせるガーリーなスタイルですね。
インパクトの強い柄物のブラウスに黒いサロペットを合わせた個性的なコーデにも、インディカメリージェーンはよく似合います。
ファッショナブルなブラウスに視線を集めるためには、他の部分をシックなスタイルにしておくのがポイント。インディカメリージェーンなら、安定感のある可愛らしさを演出することができます。
＜ローファー＞１選
ADRIAN タッセルローファー
マーチンのレザータッセルローファー「ADRIAN」。普通のローファーよりも少し、マーチンならではの厚底＆存在感を楽しめます。
└「ADRIAN タッセルローファー」のコーデ例
ゆるいニットベストにオーバーサイズシャツをレイヤード。足元を隠せばリラックス感あふれるコーデですが、「ADRIAN タッセルローファー」を合わせることで、一気に大人の着こなしに。ローファーの存在感で、バランスが絶妙に整っています。
スカートに、タッセルローファーをあわせても。クラシカルな雰囲気を放ちますが、厚底の感じがあるローファーだからこそ、ゴツめスニーカー感覚で、ほんのちょっと甘辛に仕上げてくれます◎
＊写真のタッセルローファーの色は、ブラックではなくBURGUNDYです。
帽子から足元まで、ブラック系のモノトーンコーデを愛する方にもおすすめ。マットではなく光沢のある黒レザーだからこそ、たとえオールブラックコーデにしても、素敵な変化を感じさせてくれます。こちらのコーデでは、靴下やスカートはちょっとやさしいグレーで、色使いが上手です。
＜サンダル＞１選
GRYPHON サンダル
ドクターマーチンの定番サンダルであるグリフォンは、甲や足首のストラップが調節できるようになっており、心地よいフィット感のあるサンダルとして人気です。
素足でも足馴染みの良さを感じられるよう、ソフトレザーを使っています。レザーサンダルなのに、軽やかさが感じられる逸品です。
└「GRYPHON サンダル」のコーデ例
スポーツミックステイストなのに、きれいに足に沿ってくれるグリフォン。履きこむほどに深い艶を生むプルアップ・アナリン・レザーを使用しています。
すっきりとしたスリムパンツに合わせると、どっしりとした安定感のある足元が実現できますね。
素足で履くと、晩夏から秋口にかけての季節の移行期にもおすすめの一足。
厚みのあるソールで適度な重さを足元につけることができます。クッション性も優れているので、長時間の外出でも安心。
バッグとグリフォンを黒にすると、メリハリのあるカジュアルコーデが完成します。
グリフォンにはソックスもよく合います。
薄手のソックスでガーリーに、厚めのソックスでカジュアルに。靴下と素足ではサイズ感が変わりますが、そんなときは5段階のベルトできっちり調整することができます。
靴下を合わせると、マニッシュだった雰囲気が一気にレディな印象に。大人のためのサンダルといった感じです。
長く履き続ける魅力に溢れた「ドクターマーチン」
あなた好みの、気になるドクターマーチンの靴は見つかりましたか？
お気に入りの一足を長く履き続けられるのはとても幸せなこと。一足でいろいろなコーデが楽しめるのなら、なおさら、大切にしたくなりますよね。
職人さんの手作業でひとつひとつ丁寧に作られるドクターマーチン。あなたの定番コーデに投入すれば、新しいテイストの到来にきっと心が躍ります。
気になったモデルがあったら、ぜひチェックしてみてくださいね♪
第二次政界大戦中に負傷したドイツ人の医師が自分のリハビリ用に開発した靴が原型となったドクターマーチン（Dr.Martens）。
丈夫な革と独自のエアークッションソールが労働階級の人々に人気を博し、その後、ミュージシャンの間で広がり、多くの人に知られるようになりました。