インタビュー
vol.93 safuji・沢藤勉さん 加奈子さん
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革への愛が生み出す、スタンダードを超えるもの

写真:川原崎宣喜

東京・東小金井にお店を構える「safuji(サフジ)」は、こよなく革を愛する沢藤勉さんと奥様の加奈子さんが手がける革小物ブランド。こだわりの革で、細やかな趣向がこらされたアイテムは多くの人を魅了しています。使い込むほどに風合いを増し、持ち主の人生を物語ってくれるような深みのある表情に変化していくアイテム。全国からお客さんが訪れる魅力はどこにあるのでしょうか。東小金井にあるお店にお話を伺ってきました。

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2018年11月16日作成
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革への愛が生み出す、スタンダードを超えるもの
並んでいるのは、革小物ブランド「safuji(サフジ)」のアイテムたち。

例えば、長財布。使い込むほどに、革には不規則な色のグラデーションが増し、つやめくように静かな輝きを放ちはじめます。

それは、これまで歩んできた道のりを物語ってくれているかのよう――渋さがにじむかっこ良い表情から、凛とした上品な表情まで。「safuji」のアイテムに生まれるのは、持ち主の顔が映しだされていく、この世にたったひとつの"自分色"。

楽しいことばかりではなかった日々も、やさしい気持ちで思い返せるような、愛おしい表情へと育っていくのです。
製作途中のもの。ふくよかな優しさを感じる佇まい

製作途中のもの。ふくよかな優しさを感じる佇まい

数年使用した財布はよく育ち、使う前のものとは異なる味わいが生まれています

数年使用した財布はよく育ち、使う前のものとは異なる味わいが生まれています

――僕は革が好きだ。いつも革のことばかり考えている。

ホームページに綴られているのは、ブランドを手掛ける沢藤勉さんのまっすぐな気持ち。短い言葉から、革への深い愛情があふれ出ています。来る日も来る日も、勉さんは頭の中を革のことでいっぱいにして、加奈子さんと一緒に、ひとつひとつ丁寧に革小物を作り続けています。
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持ち主と一緒に育っていく"いい表情"は、当然のことながら愛用してこそ生まれるもの。

おふたりが革を愛する気持ちは、そのまま使い手を想う気持ちへ――細部にまで工夫が行き届いた「safuji」のアイテムには、長く使いたくなる唯一無二の魅力があるのです。

お店があるのは、東京・東小金井。賑やかな街・吉祥寺駅から3駅しか離れていないというのに、のどかでゆったりとした空気が流れる街です。今日もここに「safuji」のアイテムに魅了された人々が全国からやって来ます。

「スタンダードじゃない」という魅力

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革への愛が生み出す、スタンダードを超えるもの
お客さんの中には、すでに「safuji」の財布を使っており、ふたつめを買いに来てくれる人も。そして、最近は友達が使っていて気に入ったから、という理由で足を運んでくれる人が増えてきたといい、「すごくありがたいです」としみじみと感謝を噛みしめる勉さん。加奈子さんは、この変化にお客さんの柔軟さを感じるといいます。
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「例えば、有名な店に置いてあるとそれだけでそのブランドがすごいって思ってしまうけど、そういうの関係なく、ちゃんとものを見て、自分で判断して選んでくれるお客様が増えてきている気がします」

以前開催したセレクトショップの展示会に、ふらっとやって来た年配の男性。そのときに初めて「safuji」を知ったというその方に、勉さんがお財布の説明をしたところ「面白いね、それいいね」といって買ってくれたといいます。
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「結構そういう方いらっしゃいます」とうれしそうに加奈子さんはいいながら、ふふっと思い出したように笑ってこう続けます。

「接客するとよくいわれるんですよ、よくしゃべるんですねって。こんなにしゃべる作り手はいないって(笑)」

「買ってくださいというよりも、聞いてくださいって感じです(笑)」そういって勉さんが少し照れたように笑います。
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少年のような無邪気な表情で笑う勉さんは、誰とでも仲良くなってしまうような人懐っこさが魅力。だからといって、勉さんがお客さんと世間話に花を咲かせているのでもなく、巧みなテクニックを使って接客をしているわけでもありません。

「しゃべらないとわからないんですよ、どこに何があるのか。たとえば、長財布の後ろにポケットがあることすら見ただけではわからないので、それをすべて説明させてもらってて。ものの説明をしている感じです」

「『safuji』のアイテムはスタンダードじゃない」という勉さんの言葉が表すように、趣向をこらした機能がたくさんつめ込まれた品々は、まさに「オリジナル」。

作れるかは二の次。大切なのは「作りたい」という想い

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既成概念をとっぱらった、スタンダードを超えた「safuji」のアイテムは、ある想いから生まれていきます。

「僕がメーカーにいたころは、ミシンでかけられるように、ミシンでかけられるように……とデザインを考えて作っていたんですけど、そういう頭の思考だと今までと同じようなものしか作れないんです。それよりも自分の頭にぽっと浮かんだものに対して、手縫いでもミシンでもいいから近づける、ミシンで縫えなければ手縫いでいいじゃんって。そうすることでオリジナリティが生まれるかなと思っています」

勉さんにとって「作れるかどうか」は二の次。何より大切にしているのは自分の中に生まれる「作りたい」という気持ちです。そうした創作意欲をかき立てられるアイデアは、自身が経験する不便から生まれることも多く、長財布もそうして生まれたひとつです。
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「僕はけっこうレジであわてるタイプなので、お札とカードと小銭入れの部分がぱっと開いて一度に見渡せるような仕様にしていて。そうすることで支払いがすごくスムーズになるんです。小銭がすぐに見れて、そこで瞬時に端数をどれだけ出せるかわかれば、小銭もどんどん出せて、お財布も太らないんです」

長財布の中は、細やかな工夫を形にするため、手縫いでひとつひとつ丁寧に作られています。そんな手縫いの力が存分に発揮されているのが、「ミニ長財布」です。

長財布なのに、ミニサイズ。相反するような言葉から成る名前の財布は、1万円札とあまり変わりなく四方が数ミリ大きい程度。1万円札がぴったりとおさまるという収納スペースに、考え抜かれた趣向がつめ込まれています。

「1万円札の長さの革を合わせてミシンで縫うと、縫い代(※)ができて、お札を入れるスペースの採寸が小さくなってしまい、入らなくなってしまうんですよ。でも、革を後ろに周りこませて手縫いをしているので、縫い代が生まれず、スペースを最大限に使えるんです」
※縫い代は、革や布を縫い合わせるときの、縫い目と裁ち目(端)のあいだの部分
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おふたりから次から次へと出てくる説明を聞いていると、思わず何度も「なるほど」とうなづき、お客さんの気持ちになってたちまち話に引き込まれてしまいます。

長財布は大きくて重いものという、あきらめていた悩みを解決してくれる「ミニ長財布」を求め、あるときお店を訪れたというのは、渋いおじさま。またあるときは、デザインに惹かれたという若い女性や、”作家もの”が好きだという婦人まで。

機能、デザイン、クオリティ――さまざまな軸で強く輝きを放つ「safuji」のアイテムは、惹き込まれる入口がたくさんある分、訪れるお客さんは年齢層も好みも幅広く、北は北海道、南は沖縄まで全国からお客さんが訪れるのです。

スタートをきった、革と向き合う日々

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「safuji」として独立して9年、お店を開いて4年が経とうとしていますが、勉さんの生活から心まで革一色に染まったのは、さらにずっと前、高校生のときまで遡ります。

あるとき、お姉さんが愛用していた革の財布を目にすると、すっかりと魅了されてしまった勉さん。使い込まれて風合いを増し、飴色に輝く革の表情。そのときの感動にも似た気持ちを、勉さんはこう語ります。

「すごく魅力的で、ああ、こういう風に変化していくんだっていうのがすごく面白くて。革独特のにおいというか、それも僕の中ではツボで、いいなって思いました」
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さっそく革の財布を購入した勉さん。「やっぱりいいなぁ」――次第に表情を変化させ、革が育っていくほどにますます惹かれていく気持ち。勉さんは、革小物が作れるキットを見つけると、見様見真似で制作をはじめます。

「説明書を読むのは好きじゃないんです」と笑う勉さんは、本を読む代わりに外へ出かけて行きました。当時、足繁く通っていた革小物ショップでは、すっかりお店の人と顔なじみに。作り方を聞きながら革小物づくりに没頭し、紹介してもらった革メーカーでアルバイトをはじめます。
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ペンケースなどを作っては周囲にプレゼントする日々。次第に人気ブランドさながらに勉さんの力作を愛用する友人が増えていきました。革への情熱は、言葉で表さずとも行動から明らか。その熱を近くで感じていたのは、同じ大学の写真部の後輩として出会った加奈子さんです。
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「私も作ることは小さいころから好きだったから、編み物とか趣味でいろいろ作ったりしていたけど、革はやったことがなくて。なんか革は彼の領域だから、少し興味はあったけど立ち入ってはいけないような気がしていました。簡単なものを私も作らせてもらったりはしたけど、将来の進路を決めるときも悩んでいる姿をすごく見ているし、普通の趣味でやっている感覚とは違ったんじゃないですかね」

ずっと変わらない、作ることの喜び

工学系の大学に通っていた勉さんは、一般企業に就職する世間の波に迷いながらも、湧きあがってきたのは「自分が好きな仕事でごはんを食べていきたい」という想い。革への情熱を道しるべに、大学卒業後にアルバイト先の革メーカーに就職し、念願の革職人としてのキャリアをスタートさせます。
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革職人としての毎日では、刃を研いだり、革の裁断、ミシンでの縫製まで、革小物の制作のあらゆる作業を日々こなし、ひとつひとつの技術を着実に習得していきました。「より革を好きになっていきました」と勉さんは当時を振り返ります。

「今も気持ちは変わらないんですけど、作ることにすごく喜びを感じていましたね。今日は何個作れたとか、うまく裁断できたとか。やっぱり革って生きていたものなので、細かな傷があるんです。そこをいかに見えないようにパズルのように取っていくのかという作業の連続。それがうまくできたときは「ああ、よかったな」と思ったり」
"世界一小さな長財布"を目指して作られた「キー付ミニ財布」。お札、小銭、カードまですべて収められるようにデザインされています

"世界一小さな長財布"を目指して作られた「キー付ミニ財布」。お札、小銭、カードまですべて収められるようにデザインされています

「無駄なく使う」という考え方は、革メーカー時代に教え込まれ、今でも大切にしていること。

「使ってあげるというとおこがましいけれど、やっぱり生きていたものなので。それ自体は食肉用の革だから副産物なんだけど、その副産物も無駄にしないようにできたらなと日々心がけています」という勉さんは、やさしくも真剣な眼差し。

アトリエに日々増えていくのは、傷がついていない部分を切り取った端革(はがわ)たち。「何かに使えるかもしれないし、何かに使わなきゃって思ってます」と加奈子さんが横でうなづきます。さてどう使おうか……と頭をめぐらせるのも、日常の悩みでもあり、楽しみのひとつなのです。

新たな世界との出会いと独立

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次第に革小物の企画・デザインだけではなく、他社のブランドのOEM(※)も担当するようになった勉さん。入社して9年が経つころには、楽しみながらも真剣な仕事ぶりは内外から評価され、社長から「次は頼むよ」と言われるまでに。

そんなころ、おふたりの思いもよらないところで独立のきっかけとなる出会いが起こっていました。

自分たちの結婚式の引き出物として案を出し合って作ったバッグ。勉さんのお姉さんがそれを持って、ある老舗のギャラリーに行くとオーナーから「展示会を開いてみない?」と声がかかったのです。
※Original Equipment Manufacturingの略語。発注元であり他社ブランドの製品をつくること
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「ひとつのものしか見てないのにね」と加奈子さんは今でも少し不思議そうな表情。しかし、多くの作り手の作品を見てきたオーナーにとって、確かな技術やものづくりへの姿勢を感じるには、バッグひとつで充分だったのでしょう。
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大盛況のうちに終了した初の展示会。会社の製品としてではなく、アイテムを通して自分たちの想いに共感してくれた多くの人たち――想いが使い手にダイレクトに届いていく風景に、「こんな世界があったんだ!」と衝撃を受けたといいます。そんなふたりに、オーナーは「あなたもこっちの世界で生きていくべきよ」といってくれました。
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そのころ、加奈子さんは、大学卒業後に就職した不動産ディベロッパーを辞めた後、どうしても再就職して建築の仕事を続けるイメージがわきませんでした。それは、「このままじゃ彼がもったいない、サポートしたい」という気持ちが芽生えていたから。革への情熱を燃やし続ける勉さんを見守る中で、ふつふつと膨らみ、いつしか揺るがないものになっていたのです。

2010年の「safuji」の独立とともに本格的に革職人として加わった加奈子さん。二人三脚のものづくりの道がスタートしました。

僕らが思う「革の魅力」を最大限に引き出したい

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「safuji」に使用されているのは、むら感があり、オイルを適度に含んだ手触りの良い革。勉さんが惚れこんだイタリア製のものです。心が勝手に躍り出し、何を作ろうかと想像が膨らんでいくという上質な革は、探し求めてようやくたどり着いたといいます。

加奈子さんは、革探しをしていた当時、一喜一憂しながら革を選んでいた勉さんの様子が印象深く記憶に残っています。

「新しい革を見つけてきて開いたとき、良い革と出会うと『おぉ~』ってうなるような感じで喜んでいたのを覚えていますね。こいつで何を作ってやろうかなみたいな」と何かを企んでいるような口調で真似をする加奈子さん。
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「そんな悪い感じじゃないでしょ(笑)」とあわてる勉さんに、「悪いイメージじゃないよ」と加奈子さん。その姿は、勉さんが革と対話しているようだったといいます。

「革なんだけど、人っぽいというか。革と対話するってこういう感じなのかなって。革は同じものを頼んでも1枚ずつ違うからぱっと開いたときにすごくいい状態のときに、すごくテンションが上がっていました」
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こうして選ばれた革は、ふたりの手を通してアイテムとなることで、隠れていた一面が顔をだし、さらに豊かな表情が生まれます。これは、「僕らがいいと思う革の魅力を最大限に引き出せたら」という想いがなせる技。そのひとつが、アイテムのアウトラインに、ふっくらと丸みを持たせていること。
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「革の魅力って、においを含めて変化するところだったりするんですけど、革の厚み自体も魅力じゃないかなと思っていて。だから、厚みを利用してできるラウンド感がでるように、縫い目(ステッチ)が見えないようにしているんです」

そういうと勉さんはカードケースの輪郭を指しながらこう続けます。
「ラウンドしているところって厚み自体も感じるし、革の色がだんだん濃くなってきて、淡いグラデーションになるのが好きで、やわらかいふわっとした雰囲気にしてます」
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最初は、ふわっとしているラウンドは、使い込むほどになじんで丸みは消え、ピシッと折られて重なっていく。そのとき、縫い目が見えないほうがかっこいいと思うんです、と力強く語る勉さん。「safuji」のアイテムは、愛用した時間が新たな魅力を生み出していくのです。

「自分たちが作って完成ではなくて、何年か使ってくれて味が出てきて、より存在感が増すものだと思っているので。使い込まれたところで完成することを目指していきたいですね」

革への想いが紡ぎだす、これまでとこれから

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「僕が思うのは、お財布を買いたいときに、『safuji』を選択肢のひとつに入れてもらえたらなと思います。そのためには生産力をすごくあげなければいけないんだけど、買う買わないじゃなくて、そういうふうに知ってもらえたらと思います」

「けど、すごく気にいってもらえる人が増えるのが一番いいかな」
少し考えてとこう答えてくれた勉さんの夢は、とってもシンプル。革へのまっすぐな想いが表れていました。
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日々のおふたりの束の間の楽しみは、仲間たちと語らうこと。「safuji」の店舗は、東小金井で出会った4組の作家たちと営む「ateliertempo(アトリエテンポ)」の中にあります。「僕らは本当にご縁に恵まれている」と微笑む勉さん。ものづくりの縁で結ばれた作家たちは、まるで親戚のような存在だといいます。

「作るって孤独というか、すっごく地味なんですよ。休みは基本的になく、お店が休みのときも家でずっと作っています。朝早く起きて作って、子どもを送り出して作って。なので、人と接しないと本当に狭い世界になってしまうです」と加奈子さん。
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革と向き合う日々は、決して楽しいことばかりでありません。より良いものを目指して前へ踏み出す一歩も、ときにくじけそうなときに力をくれる仲間たちも、すべて勉さんの革が好きという気持ちが紡いでくれたもの。

あらゆる出来事や想いを、革へ向かう力に変えて、ものづくりに励む⼆⼈三脚の道のり。これから、どんなアイテムが⽣まれていくのか、楽しみでなりません。

「safuji」のアイテムを相棒に、今⽇も出かけていく――そんな⾵景が全国へ広がっていくのでしょう。


(取材・文=井口惠美子)
safuji|さふじsafuji|さふじ

safuji|さふじ

東京・東小金井にお店を構える「safuji(サフジ)」は、こよなく革を愛する沢藤勉さんと奥様の加奈子さんが手がける革小物ブランド。"作れるか"よりも"作りたい"という想いを大切に、手縫いとミシン縫いを使い分けて丁寧に作られるアイテム。1万円札がぴったり収まる「ミニ長財布」や「自称・世界一小さい財布」など、挑戦するようにものづくりに励む姿勢そのものもブランドの魅力です。

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