環境や資源を守ろうという意識の高まりから、大量に生産して使い捨てるのはもうやめよう！というムーブメントが世界的に広がっています。流行りを追いかけて服や小物を取り替えるのではなく、選び抜いたものを長く愛す。それこそ本当の幸せだと気づきはじめる人が、年々増えてきています。

丁寧な生き方に寄り添うスローファッションは、無駄を削ぎ落としたミニマルさが特徴。オシャレを諦めた質素とは違います。むしろ、本物を見極められる人だけが楽しめる贅沢なオシャレなのです。

良質の素材は、着心地が抜群。毎日気持ちよく着られるというのが、手放せなくなる何よりの魅力です。

食品で「オーガニック」を意識している人は多く見受けられます。では、ファッションではどうでしょう。エコにこだわっていますか？
スローファッションを代表する素材は、薬剤を使用せず有機栽培で育てられたオーガニックコットンです。柔らかで肌触りが良く、優しい風合い。

オーガニックコットンはバッグや靴下にも使用されています。カジュアルにもビジネスシーンにも、さまざまなスタイリングに溶け込むのが長所。

リサイクル素材にも注目です！例えば、これまで廃棄されていた糸くずで新たな生地を再生しているのが、リサイクルコットン。色味にほんのりムラがあって、個性的。独特の温かい質感があります。

ナイロンやポリエステルといった繊維の再利用も増えてきました。使用済みの繊維製品やペットボトル、さらにゴミまでも新生ファブリックに変身。この写真は、アウトドアウェアを手がけるブランド「Patagonia（パタゴニア）」が環境に配慮して作り上げたリサイクル・ナイロン製のジャケットです。Patagoniaは、ほかにも世界に先駆けた数多くのリサイクルファッションを取り扱っています。

リアルな皮の質感を再現したエコレザー。動物を大切にする心遣いが込められています。

本皮とは異なる軽やかさが、エコレザーならでは。しっとりとした品があり、雨に強いというメリットも。

クローゼットをパンパンに埋め尽くしても、心の隙間が埋められるとは限りません。増やすよりも、質を高めて。

ファッションには流行りが大事。ただ、周囲に流されて、やみくもに新作を買い足すのは、ちょっと待って。たまには立ち止まって、本当に自分が好きなもの、自分に合うものを選んでみてください。1年後には着ているか分からない服ではなく、3年後でも着られると思えるアイテム選びを。

衝動買いをしてしまう前に、どんな素材で作られているのか？どんなコンセプトがあるのか？といった、背景にあるストーリーに興味を持ってみて。丁寧に作られたアイテムには必ず、筋の通った信念やステキなエピソードがあるものです。

破れたからといって、簡単に捨てないで。ヴィンテージ家具や器のように、上質の服は使うほどに味わいが深まるもの。修繕して、もっともっと愛着を深めて。

「むやみに増やして捨てない」「質が良いものを長く愛用する」「素材にまで気を配る」というのが、スローファッションの心得です。また、「循環させる」ことも大切。もう絶対に着ない・使わないと思うアイテムは、できるだけリサイクルさせて。一生モノの特別な服なら、親子で受け継いでいくのもステキですね。環境を守りながら、上質なオシャレを楽しんでいきましょう。